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 ぐぐぅーっと背筋を伸ばすと、とても大きなあくびが出た。

 その拍子に歯が突き刺さった感触がして口が閉じれなくなってしまった。

 お、おぉぅ?なんだこれ?

 引っ張ってみれば抜けるかな?

 ぐぐっと力を入れてみる。

 突き刺さったものがだんだんと切れていくのがわかる。

 開いた隙間から空気が入り込んできた。

 ん?ていうか歯が突き刺さった?なにに?

 しかも、全身がヌメヌメするんだけど……あ、でも嫌いじゃない、この感じ。

 っと、ひとまず、起きるか。

 そのまま起き上がる。


 頭が土に突っ込んだ

 んん?どういうことだ、これ。

 なんで土?埋まってる?

 もしかして、誘拐されて埋められたとか?

 ……やばいぞ。

 とにかく、なんとかして地上に出ないと。

 とりあえず、力を込めて土を頭で押せばいけるか?

 ぐぐっと力を込めて上に押し上げるようにすると土が動いた。

 そこまで深いところではないようだ。

 さらにふんばったら、すぐに地上だった。

 なんていうか、ちょっと土を被せた程度だったようだ。


 たぶん、誰かが見てたら、地面から頭だけ出してるマヌケな状態だろう。

 周りを見渡すと、どこかの森林の中みたいだ。

 さて、どうしたものかと考えてると、すぐ近くで地面が盛り上がってきた。

 もしかして、ほかにも誰か生き埋めにされてるのか。

 何人も攫ってきて生き埋めにするって、大事件じゃないか。

 なんてことを考えていたら、盛り上がった地面から頭が出てきた。

 出てきたそいつは、ちろちろーっと二股に分かれた舌を出した。


 ふぇ?

 ちょ、ちょちょちょ、え、ええええええ!?

 蛇!?なんで蛇!?

 ていうか、でか!

 俺と同じくらいあるぞ!?

 しかも、こっち睨んできてるんですけどぉ!?

 に、逃げないと、って埋まってるんだった!

 うおおおお、早く這い出せえええ!

 ふんぬぅぅうう!

 ひっひっふー、ひっひっふー!


 四苦八苦しながらも、どうにか土の中から這い出ることができた。

 あとは逃げるだけだ!

 そうだ、少しあいつの様子を見ておいたほうがいいか。

 振り返ってさきほどの蛇を見てみる。

 ん?まだ埋まったまんまだ。

 これなら逃げ切れ……えっ?

 振り返った先にはヌメヌメとした蛇の体があった。


 俺の体を見たら蛇の体があるんですけど?

 うん?んんん?

 あ、もしかして、すでに食われてたの?

 そうですか……。


 いやあああーっ!?

 ヌメヌメってそういうことだったの!?

 俺おいしくないよ!おいしくないから!

 おなか壊すから、ペッしてペッ!


 なんとか吐き出させようとして、右へ左へと転がってみたり、打ち上げられた魚のように跳ねたり、何度も体をよじったりして暴れた。

 しかし、蛇はぜんぜん吐き出してくれる気配がない。


 ぜぇ……ぜぇ……出してくれない。

 もう、だめかも……これ。

 はぁ、せめて痛くしないでくれよ。

 あ、なんか頭だけ出してるあいつ、首を傾げてこっちを見てる。

 ていうか、なんかいっぱい出てきてる……。

 周囲の地面からニョキニョキと蛇の頭が無数に出てきていた。

 こんなにいたのねー、うわぁー。


 うなだれていたら、ふと目の前に尻尾があることに気が付いた。

 もしかして、これは俺を飲み込んでるやつのか?

 尻尾を目で追っていくと、ぐるっと回って俺を飲み込んでる蛇に繋がっていた。

 やっぱりそうか!

 これに噛み付けば痛がって吐き出してくれるんじゃないか?

 そんな願望を抱きながら、俺は大きく口を開けて尻尾におもいっきり噛み付いた。


 いってぇぇえええー!?

 え?なに?なにが起きたの?

 なんか体の先のほうがすごい痛かったんだけど!?

 ていうか、なんで俺が痛いんだよ!

 ふざけんな、ちくしょー!


 はぁ、どうなってんだ?

 えーっと、俺を飲み込んでる蛇の尻尾を噛んだ。

 そうしたら、俺が痛かった。

 うん?

 うーん。

 あ、もしかして……。

 いやいや、ありえないだろう、そんなこと。

 でも、それくらいしかないような?

 うーん、試してみるか。

 まだジンジンと痛いところを恐る恐る動かそうとしてみる。


 その尻尾は俺の意思に従ってピクピクと動いた。

 お、おー、動いてる動いてる。

 うん、わかった。

 この尻尾、俺のだ。

 つまり、俺は蛇に食われてたんじゃなくて俺が蛇だったのか。


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