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大乱記上  作者: 両亭
九馬伝
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貴内条:(共和)十二節~十四節

十二、丙虎治国九年。丙虎病。丙虎悟死而召丞政事「矧明」曰「我将死。一子有徳。宜継之」然後死。超胡雖有武無学。性愚而人進物、好悪無別悉容。然無民信。矧明佞立法官、貢絹百条、奴婢千人。賄民、与各金銀十貫。民喩於利、選超胡、以為知政事。超胡任矧明丞政事。


十二、丙虎国を九年治む。丙虎病す。丙虎死を悟りて丞政事矧明(シンメイ)を召して曰はく「我、将に死なんとす。一子、徳あり。宜しくこれを継ぐべし」と。然る後死す。超胡、武ありといえども学なし。性、愚かにして人、物をすすめれば、好悪別なく悉く容る。然れば民、信なし。矧明、立法官に佞り、絹百条、奴婢千人を貢ぎ。民に(まいない)し、各々金銀十貫を与ふ。民、利に(さと)り、超胡を選び、以って知政事となす。超胡、矧明を丞政事に任ず。


十二、丙虎は九年間国を治め、病をえた。彼はその死を悟って、丞政事(知政事の補佐官)である矧明を呼んでいった「私は、もう死にそうである。我が子には徳がある。私の子が知政事を継ぐのがよい」と。そうして丙虎は死んだ。(丙虎の子である)超胡は武勇はあっても学がなかった。性格は愚か者で人がなにか物を進めると、その善悪もそっちのけで何でもかんでも受けいれてしまう。そういう性なので、民は誰も彼を信頼していなかった。矧明は立法官たちにこびへつらって絹百条、奴隷千人を貢いだ。また民にはわいろとして、金銀それぞれ十貫を送った。民は、超胡をえらぶことが利益があるとみて、彼を選出し、知政事としてしまった。超胡は矧明を丞政事に任命した。


十三、超胡好武。毎昼赴狩、毎夜召群臣、催宴。群臣或者貢或者讒而白所我欲。知政事悉容之。故民何意無誠。上民相誹、中民相争、下民相簒。


十三、超胡、武を好む。昼ごと狩に赴き、夜ごと群臣を召し、宴を催す。群臣、或は貢ぎ或は(そし)りて我が欲するところを(まを)す。知政事悉くこれ容る。故に民は何づれも意に誠なし。上民相(そし)り、中民相争ひ、下民相(うば)ふ。


十三、超胡は、武を好んだ。毎日昼は狩を行い、毎晩群臣を集めて宴を開いていた。群臣はあるものは(わいろを)貢いで、ある者は人の悪口をいって、政治を自分の思い通りにしようと知政事に建白した。

知政事は、こうした願いを良い悪い関係なくすべて聞き入れた。そのため、国民はだれも心に誠実さを失った。上民は互いに悪口を言い合い、中民は互いに喧嘩をし、下民は互いに奪い合うようになった。


十四、超胡治国三年、丞政事建白知政事。曰「父君、滅糟瀞。華太不過扶之。然華太治地広於貴内。請正之」

知政事容之、以千軍攻華太。臨卑、江辺為華太封土。両国応貴内而俱攻華太。

超胡治国四年病。知政事願継戦、上将縁呉譲知政事。


十四、超胡国を治むること三年、丞政事、知政事に建白す。曰はく「父君、糟瀞を滅ぼす。華太、これを(たす)けたるに過ぎず。然るに華太、貴内より広き地を治む。請う之を正せよ」と

知政事はこれを容れ、千軍を以て華太を攻む。臨卑、江辺、華太の封土たり。両国は貴内に応じて俱に華太を攻む。

超胡国を治むること四年にして病す。知政事継戦を願ひ、上将縁呉(ヱンゴ)に知政事を譲る。


十四、超胡が国を治めて三年。丞政事が、知政事に建白した。その内容は「あなたの父君(丙虎)は、糟瀞を滅ぼしました。華太はこれを助けたにすぎません。しかし、華太はこの戦いで貴内よりも広い領土を手に入れております。これを正しましょう」というものであった。

知政事はこれを受け入れ、千の軍勢で華太を攻めた。臨卑、江辺は華太の属国となっていた。両国は貴内の要請に応じてともに華太を攻めた。

翌年、超胡は病気になった。彼は、華太との戦争の継続をのぞんで、上将(司令官)の縁呉に知政事の位を譲った。


十二、

「喩於利」:論語からの引用。


十三、

「故民何意無誠」:大学からの引用

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