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大乱記上  作者: 両亭
楼蘭土伝
33/37

楼蘭土・吾利羅条:第八節~第十節

八、楼蘭土王吾蘭那思討戎。戎謂「藪氏」藪氏小躯。其言如呻。住叢中。屡侵蠟土掠。吾蘭那命将燬叢。藪氏滅。


八、楼蘭土王、吾蘭那戎を討たんと思ふ。戎、藪氏と謂ふ。藪氏、小躯なり。其の言呻くがごとし。叢中に住む。屡々(しばしば)蠟土を侵して(うば)ふ。吾蘭那、将に命じて叢を(やきつく)さしむ。藪氏、滅ぶ。


八、楼蘭土王吾蘭那は、蛮族を討伐しようと思った。その蛮族は藪氏とよばれた。小柄で、うめくような言葉を話す、草むらに住む人々であった。彼らは、しばしば蠟土に侵入してものを奪った。吾蘭那は将軍に命じて叢を焼き払わせた。これによって、藪氏は滅んだ。



九、藪氏悉燬。於灰中萌一芽。芽金而香芳。忽長結実。実如香蕉而外在果内在皮。王問覡。覡曰「樹金、表君平天下。果実逆理。誰叛乎」是以王知上将多武華反。


九、藪氏悉く燬さる。灰中より一芽萌ゆ。芽、金にして香、芳し。忽ち長じて実を結ぶ。実、香蕉の如くなれども外に果あり内に皮あり。王、(かんなぎ)に問ふ。覡曰はく「樹の金なる、君、天下平らぐるを表す。果実、理に逆ふ。誰ぞ(さから)はんや」と。ここをもって王、上将多武華の(さから)ふを知る。


九、藪氏(の土地)はことごとく焼き尽くされた。灰の中から芽が一本生えてきた。その芽は金色で香りは芳しかった。たちまち生長して実をつけた。その実は、バナナのようであったが、果実の方が外側、皮が内側にあった。王は覡にこれを尋ねた。覡は「樹木が金色なのはあなた様が天下を平定するということを表しているのでしょう。果実が世の中の道理(実が内、皮が外)と逆になっているのは、誰かがあなた様(が天下を平定するという道理)の逆らっているからではないでしょうか」と。そこで、王は、上将多武華が反逆した(吾利羅国の王になったこと)を知った。



十、吾蘭那命将攻吾利羅。吾利羅王多武華善戦、敗去宇保波都。多武華築砦於「武吾楼武吾楼」籠。


十、吾蘭那、将に命じて吾利羅を攻む。吾利羅王多武華善く戦ふも、敗れて宇保波都を去る。多武華、武吾楼武吾楼に砦を築きて籠る。


十、吾蘭那は、将軍に命じて吾利羅を攻めた。吾利羅王の多武華は善戦したが、敗れて宇保波の都を去った。多武華は武吾楼武吾楼にに砦を築いて、そこに籠った。

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