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楼蘭土・吾利羅条:(多武華)第五節
五、多武華向蠟土。中郎将不礼人曰「君今楼蘭土上将也。抑可足吾利羅王。君戻于楼蘭土、君只上将耳。若欲為王、宜進吾利羅」
以上将至宇保波都。吾利羅王武暮世追、自為王
五、多武華、蠟土に向ふ。中郎将、不礼人曰はく「君、今、楼蘭土の上将なり。抑も吾利羅王に足るべし。君楼蘭土に戻れば、君、只上将たるのみ。若し王たらんと欲さば、宜しく吾利羅むべし」と。
以て上将保波の都に至り。吾利羅王武暮世を追ひ、自づから王となす。
五、多武華は蠟土に向かった。中郎将の不礼人は「あなた様は、今は楼蘭土の上将です。しかしそもそも吾利羅(王の息子なのだから)王にふさわしい人間です。あなた様がこのまま楼蘭土に戻れば、あなた様はただの上将なだけでしょう。しかし、もし王となりたいと思えば、(いま戻っている途中の楼蘭土ではなく)吾利羅国に進むべきでしょう」と。
そうして上将は宇保波の都に行って、吾利羅王の武暮世を追放し、自らが王となった。




