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大乱記上  作者: 両亭
楼蘭土伝
26/37

松尾条:(江根雄)第二節~第四節

二、江根元子「江根雄」大勇。一人狩千獣。民無餓者。以民、為江根雄王。


二、江根元の子、江根雄(ゴウコンユウ)、大勇あり。一人にして千獣を狩る。民餓えたる者なし。以て民、江根雄を王となす。


二、江根元の子、江根雄は大変勇敢であった。一人で千の獣を狩る。そのため、民に飢えるものはいなかった。そうして民は江根雄を王とした。




三、江根雄二年、王観外海道先島。欲之征。以伐大樹、倒之。以為橋渡島。於南楼在美人。名謂「土巌」王娶之。二子生。則「江根凝」「江根喰」王在南楼十五年。夢。曰「若爾戻故郷、平天下」而江根雄伴妻、二子。然大樹既朽、不能渡。江根雄以棕櫚造舟。江根雄、二子能渡海、土厳因孕、不能渡没海。然後子「喜嶺堡」耳浮上。


三、江根雄二年、王、外海道の先の島を観る。これを征さんと欲す。以て大樹を()り、これを倒す。以て橋となし、島を渡る。南楼に美人あり。名を土巌(ドゲン)と謂ふ。王これを娶る。二子生まる。則ち江根凝(ゴウコンギ)江根喰(ゴウコンショク)なり。王南楼に十五年あり。(ゆめみ)す。曰はく「若し爾、故郷に戻らば、天下平らかなり」と。而して江根雄、妻、二子を伴ふ。然れども大樹既に朽ち、渡る能わず。江根雄、棕櫚を以て舟を造る。江根雄、二子、能く海を渡るも、土厳(みごも)りたるによりて、渡あたわずして海に没す。然る後、子喜嶺堡(キレイハウ)のみ浮上す。


三、江根雄の治世二年、王は外海道の先の島を見、これを征服しようと思った。そして大樹を切り倒して橋にして、(向こう側の)島に渡った。(渡った先の)南楼には、美人がいた。名前を土巌といった。王はこれを妻とした。そして、二子が生まれた。名は、江根凝、江根喰という。江根雄は南楼に十五年いた。あるとき、夢をみた。夢で彼は「もしあなたが故郷に戻ったのであれば天下を平定するであろう」gと言われた。そうして江根雄は妻と二人の子を伴って帰ろうと下。しかし、大樹は既に朽ち果てて向こうに渡ることはできなかった。江根雄は、棕櫚を使って小舟を作った。江根雄と二人の子供は向こう岸に渡ることができた。しかし、土巌は身ごもっていたので(その重みで)向こう岸に渡ることができず沈んでしまった。その後、(生まれてきた)子供の喜嶺堡だけが浮いてきた。




四、江根雄至「松岡城」、都。江根喰優文劣武。故江根雄任丞相江根喰。江根凝秀武後文。故江根雄任上将江根凝。喜嶺堡優文秀武。然因父王悪母死、厭季子。以為質喜嶺堡於「麻利国」


四、江根、松岡城(ショウコウジョウ)に至り、都す。江根喰は文に優れ武に劣る。故に江根雄、江根喰を丞相に任ず。江根凝、武に秀で文に後る。故に江根雄、江根凝を上将に任ず。喜嶺堡、文に優れ武に秀でる。然れど父王、母の死を(にく)むによりて、季子(すゑご)を厭ふ。以て喜嶺堡を麻利国の()となす。


四、江根雄は松岡城に戻り、そこに都をおいた。江根喰は学問に優れ、武勇は劣っていた。ゆえに江根雄は江根喰を丞相に任命した。江根凝は武勇は秀でていたが、学問は後回しになっていた。ゆえに江根雄は江根凝を上将に任命した。喜嶺堡は学問に優れていて、武勇にも秀でていた。しかし、父王は(彼の重みで)母が死んだのを嫌って、末っ子を避けていた。それで、喜嶺堡を麻利国の人質として送ってしまった。



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