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大乱記上  作者: 両亭
楼蘭土伝
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第四節~第五節

四、若古本子「吾蘭那」知父死。降舞槐山至武吾楼武吾楼。吾蘭那募兵。人、不知戦、不知食何。故人大飢。吾蘭那曰「黒猩々能食香蕉、況人乎」以採香蕉而与民之。民食之。爾後楼蘭土民常食香蕉。吾蘭那都於蠟土、建楼蘭土国。


四、若古本の子、吾蘭那(ゴランナ)、父の死を知る。舞槐山を降りて武吾楼武吾楼に至る。吾蘭那、兵を募る。人、戦ふを知らず、何を食るかも知らず。故に人、大いに飢う。吾蘭那曰はく「黒猩々すら能く食蕉を食す、況んや人をや」と。以て香蕉を採りて民にこれを与ふ。民、これを食す。爾後、楼蘭土の民、常に香蕉を食す。吾蘭那は蠟土に都し、楼蘭土国を建つ。


四、若古本の子、吾蘭那は、父の死を知った。舞槐の山を降りて武吾楼武吾楼に到達した。吾蘭那は兵を募った。しかし人は戦い方を知らなかった。それどころか何を食べるべきかも知らず、そのために大いに飢えていた。吾蘭那は「ゴリラですらバナナを食べられる。どうして人が食べられないことがあろうか」といって、バナナを採って民に与えた。民はこれを食べた。それ以降楼蘭土の民はバナナを主食とした。吾蘭那は蠟土の地に都をおき、楼蘭土国を建国した。



五、武梵暮因謀弑佐蛮那呪。其体砕四於矢疵。

四体各為魃、熱砂、雷、蝗。之曰楼蘭土四大禍。


五、武梵暮、佐蛮那を誅さんと謀りたるによりて呪はる。其の体は矢疵(やきず)より四分かる。

四体、各々(ひでり)、熱砂、雷、(いなご)となる。これ、楼蘭土の四大禍と曰ふ。


五、武梵暮は、佐蛮那を殺そうとした罪で呪われた。その体は、若古本から負わされた傷から四つに分裂した。その体はそれぞれ干ばつ、熱砂、雷、蝗となった。これは、楼蘭土の四つ大きな災害といわれている。



四、

蠟土:楼蘭土の首都。国分神が降臨して、その美しさに驚き瑠坂と名付けたので、それ以降は瑠坂と呼ばれる。


五、

蝗:蝗が大量発生し、農作物を食い尽くすこと。蝗害。

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