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大乱記上  作者: 両亭
楼蘭土伝
23/37

第二節~第三節

二、佐蛮那子「若古本」誓討父仇。誘武梵暮狩。武梵暮追鹿時、若古本射武梵暮。矢中腕。武梵暮去舞槐、至宇保波都。「武暮世」領宇保波。武暮世波神而武梵暮弟。武暮世見兄曰「嗚呼兄。曷負腕傷。何至地果都」地震神応曰「弟乎、請救吾。吾讐統大地神子。応至於此」波神応曰「然。爾宜用黒猩々。与香蕉則彼従爾」武梵暮採香蕉而与。


二、佐蛮那の子、若古本(ジャクコホン)、父の仇を討たんと誓ふ。武梵暮を狩に誘ふ。武梵暮鹿を追ひたる時、若古本、武梵暮を射る。矢、腕に中る。武梵暮、舞槐を去りて、宇保波(ウホハ)の都に至る。武暮世(ブボセイ)、宇保波を()る。武暮世、波の神にして武梵暮の弟なり。武暮世、兄を見て曰はく「嗚呼、兄。(なん)ぞ腕に傷負ひたる。何ぞ地の果の都に至らんや」と。地震神応へて曰はく「弟や、請ふ吾を救へ。吾、大地を統べる神の子に(むく)いられたり。応に此に至るべし」と。波神応へて曰はく「然り。爾、宜しく黒猩々を用ゆべし。香蕉を与へれば則ち彼は爾に従はん」と。武梵暮、香蕉を採りて与ふ。


二、佐蛮那の子、若古本は、父の仇を討とうと誓った。そうして武梵暮を狩に誘った。武梵暮は鹿を追っているとき、若古本は武梵暮を射抜いた。矢は、(それて)腕に当たった。武梵暮は舞槐の山を下りて、宇保波という都に逃れた。武暮世がこの地を支配していた。武暮世は波の神で武梵暮の弟であった。武暮世は兄を見て「ああ兄さんよ。どうして腕に傷なんて負っている。どうしてこんな地の果ての都に着たのか」と言った。地震の神は「弟よ。私を救ってくれ。大地を統べる神の息子が私に復讐をしたのだ。彼はきっとここにも来るに違いない」と答えた。波の神は「そうだったのか。あなたはゴリラを使うのがよいろしい。バナナを与えれば、彼らは従うはずだ」と答えた。武梵暮はバナナを採って与えた。




三、若古本盟「江根元」江根元者松尾勇士。

若古本攻武梵暮于吾利羅東方「我礼」舞槐神始扶若古本。神吐息襲武梵暮。武梵暮為砂不能瞻、将逃。是於武梵暮捧神香蕉。神霊憐之而掃目於黒猩々。黒猩々登舞槐山。神驚放香蕉。香蕉遍降于我礼。若古本追武梵暮時、因踏香蕉、斃。


三、若古本、江根元(ゴウコンゲン)(ちかひ)す。江根元は、松尾の勇士なり。

若古本武梵暮を吾利羅東方の我礼(ガレイ)に攻む。舞槐の神、始め若古本を扶く。神の吐息、武梵暮を襲ふ。武梵暮砂が為、()る能わず、将に逃れんとす。ここにおいて武梵暮、香蕉を神に捧ぐ。神霊、これを(あはれ)みて黒猩々の目より(はら)ふ。黒猩々舞槐の山を登る。神、驚きて香蕉を放つ。香蕉遍く我礼に降る。若古本、武梵暮追ひたる時、香蕉を踏むに因りて、斃る。


三、若古本は、江根元と同盟を結んだ。江根元は松尾の勇者である。

悪古本は武梵暮を吾利羅の東方にある我礼という土地で攻めた。舞槐の神々は最初は若古本を助けた。そうして神の吐息が武梵暮(の軍勢)を襲った。武梵暮は砂のせいで前を見ることができなかった。そのため退却しようとした。このとき、武梵暮はバナナを神々にささげた。神霊は、武梵暮を憐れんでゴリラの目から砂を取り除いた。そうするとゴリラたちは(捧げもののバナナの香りに誘われて)舞槐の山を登った。神々はこれに驚いて、バナナを投げ捨てた。バナナは、我礼の土地に満遍なく降り注いだ。若古本は武梵暮を追っているときに、このバナナを踏んでしまい、滑って死んでしまった。


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