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大乱記上  作者: 両亭
九馬伝
20/37

安氐降倭条:第四節~五節

四、天遠尊出落国、向倭地。関在于疆、曰落関。天中尊臨弟於関。領武王曰「若不得入。若若入則討若」天遠尊踏地。忽地大動。衛士何懼之服天遠尊。天中尊亦恐懼而服天遠尊。曰「孤不過只禦関者。非王器」以譲領武王。天中尊落国国造祖也。


四、天遠尊、落国を出で、倭地に向かふ。疆に関あり、曰く落関(おちがせき)と。天中尊、関において弟に臨む。領武王曰はく「若入るを得ず。若し若、入れば則ち若を討つ」と。天遠尊、地を踏む。忽ち地大いに動く。衛士(もりひと)、何づれもこれを懼れ天遠尊に服す。天中尊、()た恐懼して天遠尊に服す。曰はく「孤は只、関を禦ぐ者に過ぎず。王の器にあらず」と。以て領武王を譲る。天中尊、落国国造の祖なり。


四、天遠尊は、落国を出て、倭地に向かった。国境に関所があり、落関といった。天中尊は関所せ、弟に会った。領武王は「お前は入ってはならない。もし入ってくればお前を討ち取る」といった。天遠尊は、地を踏みならした。そうするとたちまち大地が揺れた。衛士はみな恐れおののいて降伏した。天中尊もまた恐れおののいて、降伏した。天中尊は「私は、ただ関所の管理人にすぎません。王の器ではありません」といって、領武王の地位を天遠尊に譲った。天中尊は、落国国造の祖先である。



五、天遠尊狩猪、至於倭都。天遠尊献猪而謁兄曰「臣為君臣、又譲領武王。請認之位」天近尊曰「若為臣、認之。而爾官、不認之。若相応者、夫大厩令哉」天遠尊聞之唱曰「瀞珠、瀞珠、吾在海」然忽床為海而天近尊溺。領政王請曰「嗚呼弟。認若位。請助吾」天遠尊応曰「爾不義。不徳而難赫。非王器。爾譲吾領政王、吾助爾。」以天近尊譲位。天遠尊一領文武于倭地、称王。天近尊鵰族祖也。


五、天遠尊、猪を狩り、倭都に至る。天遠尊、猪を献じて兄に謁して曰はく「臣、君の臣とならん、又、領武王譲らる。請ふこの位を認めよ」と。天近尊、曰はく「若を臣となすは、これを認む。而れども爾の官、これを認めず。若に相応きは、()大厩令(おほうまやのかみ)かな」と。天遠尊これを聞きて唱へて曰はく「瀞珠、瀞珠、吾海にあり」と。然れば忽ち床は海となりて天近尊、溺る。領政王、請ひて曰はく「嗚呼弟。若の位を認む。請ふ吾を助けよ」と。天遠尊、応へて曰はく「爾は不義なり。不徳にして(ゆる)し難し。王の器にあらず。爾、吾に領政王を譲らば、吾爾を助けん。」と。以て天近尊、位を譲る。天遠尊、一つに文武を領き、王と称す。天近尊、(クマトリ)族の祖なり。


五、天遠尊は猪を狩り、(これを手土産に)倭都に至った。天遠尊は、猪を献上して兄に謁見して「私めは、あなたの家来となります。また、兄から領武王の位を譲られました。この地位を認めてください」と言った。天近尊は「お前が家来となるのは、認めよう。しかし領武王の地位を認めよというのは、これは認められない。お前にふさわしい官職としたら、馬小屋の管理人であろうよ」と言った。天遠尊はこれを聞くと、「瀞珠、瀞珠、吾海にあり」と唱えた。するとたちまち床は海になって天近尊はおぼれてしまった。領政王は「ああ弟よ!お前の位を認めよう。私を助けてくれ」と頼んだ。天遠尊は「お前は、道理にかなった行いをしなかった。徳もないし、許すことはできない。王の器ではない。お前が私に領政王の位を譲れば、私はお前を助けよう」と。そうして天近尊は位を譲った。天遠尊は、文武を一つにまとめて、王といった。天近尊は鵰族の先祖である。



五、

鵰族:倭地周辺に住む異民族。しばしば朝衛(朝廷の警護をする兵)に取り立てられた。

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