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雨をたとえる

作者: 祁答院 刻

ながながしい午後に降る雨は

まるで古代中国のきみがかった霧

いくつかの村々を神妙にかかえこんで

あらゆる建築をパゴダに見せてくる


こぼれおちるように降る雨は

まるで美の洞窟のしめらかなシャワー

贅沢な荒削りのしずくがみるみる影をつくり

かざす指さえ絵になるふしぎ


カラフルにもみあう雑踏で降る雨は

まるで古ぼけた駅ビルのさまざまな表情

靴屋のゴムのきゅんとするにおい

安いレストランのトマトパスタの色

ガラガラの百均の傘売り場

よく踏み固められたすべての床


今日のわたしに降る雨は

ひどく無愛想でしかし栄養のあるくだもの

どこまで食べて どこから捨てようか

アイデアの畑がすこしうるおう

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