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第二話 美濃マムシ斎藤道三

 斎藤道三は権謀術数の権化のような男で、通説では油売りから身を起こして美濃一国を手に入れたと語られてきました。しかし最近の研究では、道三の父・新左衛門尉との親子二代での国取りであったと考えられています。

 俺は赤塚の戦いでは活躍は出来なかった。だが、

 その後も信長様の馬廻衆として勤めている。

 そして、1556年4月20日。

 

「信長様、美濃の斎藤道三殿が」


 と、内藤勝介が報告した。


「息子の義龍と長良川で合戦になり申した!」

 

 斎藤道三は信長様の正室の帰蝶の父親であった。

 つまり織田家の同盟的な立場だ。


「急げ、者ども、しゅうと殿に加勢するぞ」


 信長様は兵を率いて殿軍として出向いたものの、

 合戦には間に合わず、


「斎藤道三殿、お討ち死に!」


 との知らせが、大良口の陣に入る。

 義龍の軍は1万5000。

 対する道三は2700。圧倒的な戦力差だ。


「舅殿は家中の者に図られたのだな」


 と、信長様は言葉を漏らした。

 道三は戦国の世で下剋上を体現した梟雄だが、

 信長様が言うには、


「家中に多くの敵を作っていたのだ」


 家中の反道三派の策略で、

 息子の義龍と対立が激化して、その挙句、


「親子相克の戦いに引きずり込まれたのだな」


 その時、物見の兵が報告した。

 

「義龍は、ここへも兵を差し向けて来ます」


 その後、義龍軍が大良の河原に殺到して、

 激戦が始まる。ここで、


「我こそは、森可成なり!」


 織田軍の豪傑である可成が、

 一騎討ちで敵将と渡りあったが脚を斬られ退く。

 この戦況に、


殿しんがりは、この信長が引き受ける!」


 と、全軍を退かせてから、信長様は俺を呼び、


「腕利きの鉄砲撃ちを集めろ」


 と、命じた。

 こうして信長様は一艘の船で川に残り、

 俺と鉄砲隊を、その船に乗せて号令を発する。


「鉄砲隊、放て!」


 正確な狙撃が、


 バババーン。


 次々と敵を撃ち抜いた。

 この銃撃に義龍軍は渡河を諦めたようだ。

 そして、


「では、引き上げるぞ」

 

 と、信長様の船は悠然と退却する。

 群雄割拠の戦国時代、下剋上を体現した一人である斎藤道三も晩年は家臣団の思惑に振り回され、息子・義龍との骨肉の争いの末に討死しました。権力の魔力は人を狂わせ、悲劇的な最期を呼び寄せるのかもしれません。

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