13 追記:勇者からのリクエスト
『リリーナへ(追記)
ごめん、魔王城に向かってる途中で、急に思い付いた。ずっと考えてたけど、帰って一番に食べたいのは、やっぱり朝メシかも!
あの、ほら!リリーナのばあちゃんから秘伝の、木苺ジャムをめちゃくちゃ塗りたくったやつ。あれ食べたい。朝行ったら食べれるかな?怒られそう〜……。
……リリーナ、あのさ。
もし、俺が、帰らなかったら。リリーナに頼みたいことがあるんだ。二つ。いや、帰るけどさ!でも、魔王と戦うって、それぐらい重たいよなとふと思って。
一個目。俺の相棒。
リリーナに呆れられたけど、昔買ってからずっと使ってる俺の剣。もし、巡り巡ってリリーナの所に行くことがあったら、リリーナに持って欲しいんだ。まあ、握れないとは思うけど、それでもいいんだ。
何を言ってるかわからないと思うけど…俺のことを、何度も守ってくれたから。あいつ、リリーナのことを、守ってくれると思う。
あと、ほんと申し訳ないんですが。
すごくちゃんと砥いでやってほしいです。
具体的に言うと、角度は15°〜20°ぐらいに傾けて、寝かせすぎず、立てすぎず。ちょっとだけ傾けて、「お前今日機嫌悪いの?」とか話し掛けながらだと最高。まあ剣だから返事とかないんだけど。料理に声掛けるのと同じ理論じゃないかと、俺的にはそんな感じでリリーナを説得してみる。
まあ、手入れとかは、分かんなかったら誰かに聞いてくれ。
あと、出来るだけ連れ歩けよな!血ばっか吸わせるんじゃなくて、あちこちの美味いもんとか空気とか見せてやれよ!俺もよくやって各地で変人勇者扱いされてるんだから、お前もやれよな!
それから、二つ目。これがすごい大事。
リリーナ、絶対、幸せになれよ。早々いないだろうけど、俺よりいい男を見つけてくれ。
それで、俺の所に来た時に、そいつを殴らせてくれれば、俺はそれでいい。何があったって、俺は、リリーナが幸せなら、世界一幸せになれるから!
まあ、そうはならないように、魔王、倒してくるんだけどな!いや、待って。今思ったけど…………魔王が俺よりいい男だったらどうしよ。よし、絶対殺す。今のうちに殺す。
………まあ、俺よりいい男ってこともないだろ!
じゃあ、またな。約束、絶対忘れるなよ!
ちょっと世界を救いに。行ってきます!
アルム』
ありがとうございました。
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ネタバレ設定メモを活動報告に載せてあります。もしご興味あれば、朝ごはんのお供にでも、ちらっと覗いてやってください〜。