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Taboo


 そもそも禁忌って何だ?人を生き返せる事自体が、様々な観点からも禁忌じゃないか…。とボソボソと小声で云う。何もかもが噛み合っていない。もどかしさが感じられる。此方こちらの考えと彼方あちらの考えが一致しない…。確かに何処ぞかの狂人からの手紙なのだから、考えが有るのかさえ解りはしない…。


 「れってぇぇぇぇぇぇぇ。」

 通行人にお構いも無しに、解りやすく髪をむしり、星月は叫ぶと、もう良い。知らないもーん。と頬を膨らませる。


 【大体、あたしには何も関係無いじゃないか…。いや…。あるかも知れないんだよなぁ…。でも彼奴あいつは死んでいるしなぁ。もしかして…。彼奴あいつも蘇っていたりして…。ンな事あるかぁぁぁ…。呆けぇって独りノリツッコミしてみたり…。まぁ。兎も角だ。あの手紙には何らかしらのMessageがありそうなんだよなぁ。】と星月の脳内は言葉が溢れる。


 駅前の時計塔が時刻を告げた。


 「んあ?もうこんな時間?」

 星月は時計塔を見上げる。何時いつしか辺りはとばりが降りていた。


 「えぇぇぇぇ。家まで遠いんだよ…。距離がなぁ…。独りで歩くのやだな…。独りだと寂しいし…。誰か迎えに来てくれないかなぁ…。」


 星月の独り言は、一陣の風に掻き消された。その風に合わせ、カタカタカタ。と音が産まれる。んぁ?星月は音のする方向へと視軸をずらした。


 「へぇ。こんな洒落しゃれた店、いつの間に出来たんだ?」


 綺麗な西洋風のRestaurantが其処には在った。カタカタカタと音を立てているのはRestaurantの屋根に飾ってある風見鶏。風見鶏は風が吹く度にクルクルと回り、その向きを変えている。


 「あぁ。なるほろ、なるほろ。そうゆう事ね…。アレは黄泉の国の場所を示してたのか…。どれどれ…。」


 スマホを取り出し地図を開く。拡大しては縮小しながらも、指を10回、動かす。


「大体、この辺りかな…。」

 地図を拡大していく。


 「ビンゴぉぉぉぉ。んで、次は逆にして…。」

 また拡大しては縮小しながらも、指を9回、動かした。


 「なるほろねぇ。湯田は此処で産まれたのか…。倉敷産婦人科ね。」


 続けて星月は、電話帳を開く。


 「あぁ。この前、調べてもらったやつ。そうそう。井戸やら洞窟やら…。この場所にもあるだろ?」


 地図を送り、確認を求める。


 「だろ?だろだろ?どうやら此処が黄泉の国らしい。死者で溢れ返る死者の国なんだってさ。」


 

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