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作者: サヨリの刺身

 とある都市の歴史博物館、展示物の前で男女が話している。


「これ見てみろよ、羞恥心が無いってすごいよな」


「本当に信じられない!」


 二人が昼食を取ろうと外に出ると、通りの向こうから警官とそれに追われた男が走ってくる。何事かと身構えていたところ警官が大声で呼びかける。


「露出魔だ!そこのお方、捕まえるのに協力してください!」


 良い所を見せようと男性が低いタックルをぶちかますと、警官と二人で取り押さえる。女性はと言えば両目を閉じて、嫌悪感を露わにした表情。


「こら、大人しくしろ。この変態め」

 

 地面に押し付けられているのは、年の頃二十程で、整った容姿の好青年。衣服にしても靴から上着に至るまで、中々良い着こなし。ひどく憤慨した表情で彼が叫ぶ。


「止めてくれ、僕が何をしたって言うんだ!」


 警官も負けじと叫び返す。


「うるさい!サングラスも耳当てもしてないだろ!髪まで生やしやがって、正気か?」


 眼と耳に何かしらを身に着け、髪の毛を一本残らず剃った野次馬が取り囲む中、パトカーが到着した。

 

 パトカーに押しこまれながら、男が呟いた。


「こんなことならタイムマシンなんて作るんじゃなかった」


 ――208ⅹ年7月20日水曜日のニュースをお送りします。本日昼頃、▽▽市○○町で目、耳を露出し、髪を生やした男が現行犯逮捕されました。男は、自分のいた時代では問題無かったなどと口述しており――

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― 新着の感想 ―
[一言] えぇ……そういうこと……!? 未来の世界は何故こんなことになってしまったのでしょう。目と耳はまだなんとかなりそうですが、もうひとつのハードルはなかなか厳しいですね。 面白かったです。 サヨリ…
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