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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
13章 記憶を探す
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勝手に動くペン

ペンを握り、紙の上に文字が書かれていく。最初はぎこちない線が乱れていましたが、次第に滑らかな筆致で文字が形成されていった。


しかし、妙だ、文字はどこの文字なのか分からない。文字の大きさも並びも一定じゃない。


「これは一体何なんだろう?」とエレナはそれをみながらいってきた。


そして書き上げた。


「もしかしてこれ……………ちょっと、遠くから見てみようか」と自分はエレナにいう。


「え、なにがあるの?」とエレナは自分に問いかけてくる。


自分の考えが正しければ、これは文字を使った絵ではないか。


書かれた紙を立てかけて二人で少し離れて振り返る。


するとそこには文字で描かれたエレナの姿絵があった。


二人は驚きを隠せない表情でその絵を見つめた。文字で描かれたエレナの姿絵は、忠実に再現されており、リアリティを持っていました。


「これは…本当に凄い!」とエレナが興奮気味に言った。


「私の姿がこんなにも精密に描かれているなんて、信じられないわ!」


自分も驚きながらも喜びを感じた。「確かに、文字で描かれた絵とは思えないくらい詳細ですね。これはまさに魔法のような力です。」


気が付くとペンは手元になかった。「あれ?どこ行った?」


すると、ペンはこの小屋に置いてあった本を勝手に開いていた。


そして開いた本の表面をなぞるかのようにぴょんぴょん飛び跳ねていた。


しばらくするとペンが飛び跳ねてこちらに近寄ってきた。


最初と違って自分を掴んでほしそうに飛び跳ねていた。


「今度は、私がやる。」そう言ってエレナがそのペンを掴む。


すると、紙に一文だけ書いて止まった。


「?これだけ?」とエレナと自分は、先ほどまでと違って短い一文だけで止まったので拍子抜けした。


しかし、エレナはその一文をみて興奮した様子で自分に話してくる。


「このペン!挨拶してきた。!」


そこには自分たちの読める文字で「こんにちは」と書かれていた。


自分とエレナはペンが書いた挨拶に驚いた。


ペンが自分たちとコミュニケーションを取ろうとしているのかもしれない。


自分はエレナと一緒にペンに向かって挨拶を返した。


その後、自分たちはペンとのコミュニケーションを試みた。


ペンに質問をしたり、指示を出してみたりしたが、ペンは振る舞いや反応で答えてくれるような様子はなかった。


ただ、時折興奮したように飛び跳ねたり、紙や本のページをなぞったりすることがあった。


エレナと自分は、このペンが持つ特別な力や意図について考えながら、さまざまな実験や試行錯誤を重ねた。



しかし、まだその真相や本当の目的は分からないままだった。


この小屋に置かれた自分の荷物には、他にも魔法のような効果を持つ不思議なアイテムがあるんだろうか?。


それがどのように機能するのか、また使い方や限界なども不明瞭なままだった。


自分たちは、このペンを収穫として、他のアイテムについての調査は後日行う事として今日の処は打ち切る事にした。


「ねえ、このペンに名前を付けようよ」とエレナは提案してきた。


おおっと、実はそれが狙いか?自分が気に入ったものを名前をつけて半強制的に自分のものにしようと、そういう魂胆だったのか。


でも、まあ、いいか。それで納得してくれるなら名前の1つや2つつけさせてあげよう。


「そうだね、いいアイデアだね。何か思い浮かんだ名前はある?」と自分はエレナに尋ねた。


エレナは考え込んでから、「このペン、青色がとても美しいから、青い海をイメージする『アクア』とかどうかな?」と提案した。


「いい名前だね。それにしようかな?」と自分は頷いた。

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