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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
13章 記憶を探す
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自分に似た姿をした誰か

自分は目を覚ますと、周りにはクララやエレナ、アンナ、ハンスにジョセフがいた。


彼らの心配そうな表情を見て、自分が倒れたことを思い出した。


「大丈夫ですか、メルロさん?」クララが心配そうに尋ねた。


自分は少し動揺しながらも頷いた。「すみません、みなさんにご心配をおかけしました。」


アンナは優しく言った。「メルロ、無理しないでね。大切なのはあなたの健康よ。」


いや、無理をしちゃいけないのは分かるけど、アイツはそんなのお構いなしなの。


「…それは…ハチに言って貰えますか?」と自分では制御できないんだと抗議した。


エレナが言う。「ハチはうれしくて堪らないのよね、一日中待って、メルロさんに握ってもらえることが、ハチにとっての願いだからね。その要求に応えるのが、ハチを持つ者の責任でもあるんじゃない?」


ハチは嬉しいかも知れないけど、自分は全然うれしくないですよ。


所有者の責任?その責任は貴方にあげてもいいんですよ、エレナ。あなた、ケンちゃんって呼んで慕っていたでしょ。そう思っていたら油断した。


クララは「でも、よかったぁ。」とエロいオーラを直撃させてきた。


トウサンジュニアは瞬く間に元気を取り戻し、自分は鼻血を流して、また気を失った。そしてまた夢をみた。



「どうしたんだい。また、もどってきて。」と自分の姿をした誰かが話しかけてきた。


「?あなたは誰ですか?」と問いかけてみた。


「私は私だよ。この体の元持ち主だよ。」と答えてきた。


「持ち主?じゃあ、さっきの夢は自分の過去だったのかな?」とつぶやいた。


夢の中の人物は微笑みながら自分に話しかけた。


「違うよ。その夢はこの体の過去の一部を映し出したんだ。つまり、私の記憶であって君じゃない。」


「え、じゃあ、ハチとか四角い板とかは自分の荷物じゃないの?」と自分に似た誰かに問いかけた。


「そうだよ。それは私の荷物であって、君のじゃない。」と答えてきた。


「じゃあ、僕の荷物や、過去の自分はどこにあるのさ。」と不満をぶつけた。そこで目が覚めた。



「え!な、なに!?」と驚くエレナの顔が目の前にあった。


自分は周囲を見回しました。それは夢だったのか、現実だったのか、混乱していた。


「メルロさん、大丈夫ですか?何か夢でも見ましたか?」エレナが心配そうに尋ねた。


自分は深呼吸してから言葉を紡いだ。


「ええ、夢を見ました。自分の過去の一部を思い出したような気がしますが、詳細はわかりません。」


クララが優しく自分の頭を胸に抱いた。クララの胸の感触を顔で味わう自分。


「メルロさん。大丈夫ですか!よかったぁ。また倒れてびっくりしましたよぉ。」とエロいオーラと同時に胸を直撃させてきた。


あれ、嘘、そこにいたんですかクララさん。でもその胸、僕にとっては完全に異端ですよ。クララさん。


いえ、旨い事言ったつもりはないんですけど、流石に3回目はないだろうと完全に油断しましたね僕。


自分は鼻血を吹き出して、また気を失った。「ほらぁ!また!」とエレナがクララを叱る声が遠くに聞こえた。


「ちょっとさぁ、戻ってくるの早くない?。こっちも心の準備がいるんだからさぁ」と自分の姿をした誰かが困惑した顔で不満をぶつけてきた。


「…すみません。僕も訳が分からないです。」自分は自分の姿とした何かに誤った。

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