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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
13章 記憶を探す
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過去の記憶

メルロは意思を持った剣「ハチ」を振るっていた。


畑仕事が終わり、ハチは待ってましたとばかりに主人の手に自分を握らせ、主人の気持ちもお構いなしに震わせ続けた。


ハチを握っている主人はいつも通り想像以上の激しさに絶叫してた。


ヒュンヒュンヒュンヒュン ヒュンヒュンヒュン ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン


「ああああぁぁぁぁぁぁああああぁぁああ!」


そして、いつものように足腰が立たなくなるまでハチとの剣舞は続いた。


「メルロさん今日もお疲れ様です。」とクララはエロいオーラを浴びせてくる。


その途端、メルロはその場で正座し自分のトウサンジュニアが落ち着くまで立ち上がれなくなる。


そして目の前が白くなる。


ハチから要求された剣舞は足に負担が掛かる。


その上でクララからのエロいオーラの直撃を受けた為、下半身に血を持っていかれすぎてメルロは貧血を起こして倒れ意識を失う。


「あれッ…」


クララは驚き慌ててメルロの倒れた様子に気が付いた。


「メルロさん!大丈夫ですか!?」彼女はメルロの近くに駆け寄り、他の人たちにも助けを求めた。


エレナやアンナも驚きの表情でメルロの元に駆け寄り、彼を支えながら様子を見た。


クララは慌てて水を持ってきてメルロに飲ませようとしましたが、彼はまだ意識を取り戻していなかった。


ハンスは心配そうに言った。


「何が起こったんだ?メルロ、無理をしすぎたのか?」


クララは頭を抱えながら答えた。


「わかりません…メルロさんいつも剣舞をしているときに強い負担を感じることがあるようです。でも、今日はいつも以上に激しかったし…」


アンナは冷静になり、周囲に指示を出した。


「水を持ってきて、彼を涼しい場所に移動させましょう。」


みんな協力してメルロを適切な場所に移動させ、応急処置を施した。


メルロが意識を取り戻すまでの間、アンナやエレナは看護の為の準備をした。


クララは配そうに彼の様子を見守った。


メルロは夢をみていた。


「………お前は今日から……の家の子になるんだよ。」自分の母親と思われる女性からそう告げられた。


しばらくして綺麗な着物をきた女性が迎えに来た。


そして手を引かれ、その女性の屋敷へ連れられて行った。


母親と思われる女性と父親と思われる男性は手を振って見送っていた。


屋敷は武家屋敷だった。


「……さん。今日からこの方が、あなたの父上です。」先ほどの女性は着替えを済ませてそう言ってきた。


女性は自分を丁寧に「さん」付けで呼び、女性が新しい母親になるのだと説明された。


父上とは食事の時は一緒だったが、それ以外は、女性に読み書きと剣の使い方のいろはを教えられた。


武士の跡取りとして研鑽の日々を送っていたが、ふと生みの親を思い出していた。


この毎日に何の不満もなかった。


母上は厳しかったが、それはあくまでも躾の為であり、跡取りとしての作法を身に着ける必要がある事は自分も理解していた。


しかし、生みの両親の顔が見たくなって武家屋敷を抜け出して生まれた家にむかった。


だが、予想とは違った反応が返ってきた。


父と母だった二人は困惑した顔で早く家に帰るように伝えてきた。


泣きそうな自分は武家屋敷に戻ると母上が待っていた。そして平手打ちを受けた。

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