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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
12章 女主人の伝説
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毒蛇バリバリ伝説④

「するとね、狼がそこいたんだよ。狼は、こちらが気が付いた事を確認すると、すこし後ろに下がって振り向くという行為を繰り返したんだ。なんだか、後をついてこいって言われているような気がして二人で後をついていったんだ。すると段々見覚えのある光景が広がっていってね。ついには山小屋が見えるところまで辿り着けたんだ。自分たちが山小屋の方へ歩き出した様子をみた狼は森の中に帰っていったよ。フリッカはその狼に礼を叫んでた。『オオカミさん!ありがとう!』ってね。自分も真似して礼を叫んでいたよ。」


マーガレットは思わずため息をついて言った。「フリッカの冒険は本当に不思議で素晴らしいものですね。彼女の周りにはいつも驚きや奇跡が起こるんですね。」


アンナも感動しながら「狼に導かれて山小屋に辿り着くなんて、まるでおとぎ話のような出来事です。フリッカは本当に特別な存在なんですね。」と言った。


クララは心から感謝の気持ちを込めて「自然や動物たちとの交流を通じて、フリッカは幸せと感謝の気持ちを学んでいったんですね。私たちも彼女のように、自然とのつながりを大切にして生活していきたいと思います。」と感想をのべた。


エレナは優しい笑顔で言いました。「フリッカの冒険は本当に素晴らしいものです。彼女の内面の成長と共に、私たちの心も豊かになっていくような気がします。」


ハンスは4人の感想を聞きながら満足そうに微笑みました。


「でもね、この話には続きがあるんだよ。フリッカは山の中に一面に広がる花畑のような場所を見つけてね、そこが好きで、よくそこに通っている事が多かったんだ。ある日、いつもなら帰ってくる時間にフリッカが戻ってこないから探しに行った時も、その花畑のような場所でうたたねしてたようなんだ。遠くからそれを見つけたけど、ただ、その日は妙な違和感を感じてね。フリッカの傍に何かがいるなと近づいてみると、あの時の狼が寝ているフリッカに寄り添うように座ってたんだ。狼は自分を見つけると、すぐさま森に帰っていくんだ。以来、その場所で狼がフリッカの様子をみている光景をみかけるようになったんだ。狼はフリッカに付き従うという事もなく、かといって襲い掛かる様子もなかったよ。」


マーガレットは目を丸くした。「まさか、狼がフリッカのそばにいたなんて!それって、どうしてなんですか?」


アンナも不思議そうに「狼がフリッカを見守っているのは、何か特別な縁があるからですか?」と尋ねた。


クララは感慨深げに「自然界には私たちが理解できないようなつながりや力があるのですね。狼がフリッカに寄り添うように座っている姿は、まるで守護の存在のように思えます。」言った。


エレナも考え込んだ表情で言った。「もしかして、フリッカが自然とのつながりを深めることで、動物たちとの交信ができるようになったのかもしれません。それならば、彼女の冒険はますます奇跡的なものになっていきますね。」


ハンスは微笑みながら続けた。「そうなんだよ。自分も、フリッカと自然との結びつきには、まさに奇跡的なものを強く感じていたよ。」


ハンスは再び話を続けました。「さあ、ここまではどうだったかな、皆。フリッカの山小屋での話もあともう少しで終わりだよ。続きを聞くのはいかがかな?」


4人は興味津々で頷き、ハンスの続きを聞く準備と整えた。


彼女らはフリッカの冒険がどのような結末を迎えるのか、心待ちにしていた。


「あれは今思い出しても冷や汗ものだったんだが、二人で山菜取りに出かけていた時だ、手分けして山菜を取っていたんだが、森の中でフリッカの悲鳴が響いたんだ。」


マーガレットは心配そうに尋ねた。「フリッカが悲鳴を上げた理由は何だったの?何か危険なことが起きたの?」


ハンスは頷いて答えた。「その時は自分も驚いたんだ。フリッカが悲鳴を上げた場所に駆けつけると、そこにはあの熊がうずくまっていて、フリッカは前に座って泣いていたんだ。」


マーガレットは驚きを隠せなかった。「まさか、熊がフリッカの前に現れたなんて!彼女は大丈夫だったのですか?」


ハンスは安心した表情で答えた。「幸いにも、熊はフリッカに襲い掛かることはなかったんだ。自分が来た時にはもう息絶えていたんだ。」


アンナも心配そうに尋ねた。「熊がもう息絶えていたってなにがあんったでしょうか?。」


ハンスは再び頷いて答えた。「急いでフリッカの傍に行って無事を確かめた。本当に幸いでちょっと尻餅をついた程度だったようなんだ。なにがあったのか聞き出そうとしたけどフリッカは自分の手を払って熊に抱き着いてこう泣き叫んだ。」


「『(PД`q。)ウワーン。シショー!』ってね。」と少し面白く無さげに言うハンス。


エレナは「シショー…、って師匠って事ですか?」顔を険しくしながら首をかしげる。


「どうやらそうらしい…。その時は自分もちょっと傷ついてしまったよ。フリッカに師匠と呼ばれるなら自分だと思っていたからね。」と答えるハンスに皆は先ほどの面白くなさそうな顔の理由が分かった。


「クマが師匠って…一体、どういう事なんですが?」とクララは尋ねる。


「その事については、ちょっと話が長くなるんだが、フリッカはどうやら自分にも内緒にしてた事があったようだ。」とハンスは話を続けた。


「フリッカは、二人でクマに最初に遭遇した後、森に遊びに入っては、クマの糞や足跡を辿ってクマを追跡してたようなんだ。ときどき居場所を突き止めてはタックルをかましていたらしい。」


「それは危険すぎます!フリッカはクマに襲われなかったのですか?」と、クララは驚きと心配を込めて尋ねた。


ハンスは頷きながら答えました。「フリッカは何度か遭遇しても、しばらくはクマに襲われたことはなかったようだ。むしろ、クマの方が逃げていたようだよ。フリッカに襲われるってね。」


「でも、それは本当に危険よね。クマは野生動物で、予測不能だから。フリッカが無事だったのは本当に幸運だったわ。」マーガレットが心配そうに言いました。


「だが、何度か遭遇するうちに、とうとうクマが牙をむいたようなんだな。」


アンナはびっくりして言った。「そんな、まずいじゃないですか!。一体その時、フリッカはどうしてたんですか?」


「どうやらその牙を向いてきた時っていうのが、クマが捕まえたサケをフリッカが横取りしようとした時なんだ。」とハンスが淡々と言った。


マーガレット・アンナ・クララ・エレナ「(; ゜△゜)なんでッ!!!??」


「クマがサケを食べる姿が非常に旨そうに見えたらしい。なので、一匹くらいって思ってたらしい。おちゃめだよな。」とハンスが笑った。


マーガレット「おかしいですよ?」


アンナ「おちゃめってレベルを超えてますよ?」


クララ「そこまでいったら完全に嫌がらせじゃないですか?」


エレナ「それはクマさんだって怒りますよ?」


4人の抗議をスルーしてハンスは続ける。


「フリッカの話では、クマは両腕を大きく振り回した。」


マーガレット「あぶないー!」


「クマの猛攻を躱したフリッカは両腕を構える!。」


アンナ「え、戦う気なの!?」


「クマも両腕を構えて牽制の正突きは放ってくる!。」


クララ「えッ………!?」


「クマは時折軽快なステップを踏んでフリッカを挑発してくるんだそうだ!」


エレナ「いやいや、もうそれヒトが入ってない?」


「どうも、その日からフリッカはクマとの奪い合いから拳闘を学んでいたようなんだ。」


マーガレット・アンナ・クララ・エレナ「いやいやいやいやいやいやいや!」


マーガレット「それは流石に作りすぎですよ。」


「そうかい。?」


アンナ「大げさどころか突拍子がなさ過ぎてあきれてしまいますよ。」


「そうかな。?」


クララ「何歩か譲って『両腕を振り回す』一撃まではありそうな話ですけど、軽快なステップで挑発ってあり得ませんよ。」


「そうだよな!」


エレナ「いくらなんでもクマが拳闘って信じる人いませんって」


「自分もそう思ったんだ。『そうか、なら、吸収したものを見せてくれ』って頼んだら、それはもう見事なシャドウを見せてくれたよ。その後で彼女は自分に教えてくれたよ。フリッカはそのクマに『ぽんすけ』と名付けたそうだ。」


マーガレット・アンナ・クララ・エレナ「…………まだ言ってる。」


「マーガレット、君はつい最近、フリッカが「ぽんすけ」から学んだ技術を目の前で見たはずだよ。」


マーガレット「わ、私?」


「打倒パン泥棒を目指してフリッカが鍛えなおしていた時に見せた拳のコンビネーションだよ。最初は訛っていたがな、やっぱり体は憶えていたんだな。」


マーガレット「あ、あれはハンスさんが教えたんじゃ?」


「自分の拳闘スタイルはこの辺の人には見せたことがない。」


「……………………」マーガレットは驚きを隠せず、言葉に詰まりました。

ぽんすけ は以下をモデルとしました。


https://www.youtube.com/watch?v=73DjuPMt4PE


https://www.youtube.com/watch?v=mCugp0ghImY

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