毒蛇バリバリ伝説②
「ああ、いや!でも、槍を持って一人で猪に突撃するわけじゃないぞ?、まずワイヤーを使った罠を仕掛けるんだ。これも自分が教えた事なんだけどね。罠にかかったら長い棒の先にワイヤーで作った輪っかを使って、猪の脚を更にひっかけて動けないように固定していくんだ。それから槍でとどめを刺す。」ハンスは狩りの工程を説明した。
マーガレット「い、いや、そうだとしても」
アンナ「猪を…」
クララ「一人で狩れるって…」
エレナ「そして捌ける…」
「まあ、練習すれば君達でもできなくはないが、それはあくまで大人の話だ。その当時彼女はまだ寄宿舎学校にもいってなかったからな。」
フリッカの学習能力と行動力に4人は唖然としていた。
「信じられないって顔をしているな?、だがこれはまだまだ入り口に過ぎない。まあ、それでも時には失敗もあるものだ。ある時、自分とフリッカが二人で狩りをしていた時だ。フリッカがハチの巣を踏んずけてしまってなぁ。ハチに襲われて森に逃げたんだけど迷ってしまってね一晩野営したことがあったんだ。その時に蛇を馳走したんだ。」
「あ、以前フレデリカが言ってた事ね?」とアンナは以前フレデリカが初めて蛇をたべたという話を思い出していた。
クララ・エレナ「うんうん。」
「初めこそ焼いた蛇の姿に怯んでいたけど一口食べたら、いたく気に入ったらしくてね。以来、森に遊びに行っては帰りにうさぎや蛇を獲物として持って帰ってきていた。」
「か、狩りの獲物として不思議はないけど…」とエレナ。
「う、ウサギも食べちゃうんだ。」とアンナ。
「愛でるとかじゃなくて…。」と絶句するクララ。
「だがな、生き物の命に対する感謝は忘れていなかったぞ。しかし、蛇を狩る時は大分手慣れていたな。しっぽを掴んだと同時に回るんだ。そして回しながら脚で蛇の頭を踏みつけ首をナイフで切る。」とハンスが説明する。
アンナ「さ、流石」
クララ「蛇食女」
「まあ、そんな彼女も森で目いっぱい遊んでると体の成長と共に腹が減るんだろう。帰りに持ってくる狩りの獲物も少しずつ増えていったんだ。」
「だから獲物を入れる袋いっぱいして引きずって帰ってときは、また、欲張ったなぁと苦笑いしていたんだよ。その時、彼女は満面の笑顔で大喜びしてこう話したんだ。」
###################以下、回想シーン###################
「ハンスー!、ハンスー!!、さっきね!森ですごいの見つけたの!」
「(ノ゜0゜)ノ こおんなに大きい蛇がいたの!!、蛇パーティができるよw!!」
彼女は小さい体を必至に背伸びしながらどのくらい大きかったかハンスに聞かせた。
ハンスは、大げさに表現する、その可愛らしい姿に思わず笑ってしまったが、すこし気になった。
彼女は嘘をつく子じゃない。本当にそんな蛇がいるなら注意させなければとと思って彼女に忠告した。
「今度、見かけてもあまり近づいちゃいけないよ。その蛇を狩るにしても、もう少し大人になってからだな。」
ハンスはまき割りの途中で休憩し、水を飲みながら言った。
「ヾ(´Д`ええーー!今じゃダメ!?」と抗議の声を上げるフリッカ。
ハンスは「うん。駄目だ。」と首を振る。
「ヽ(´Д`;≡;´Д`)ノで、でもぉーーー。」と地団太を踏むフリッカ。
「でもでもなんでも駄目だ。」と念を押して水を飲むハンス。
「(ー_ーゞ これ、さっき取ってきちゃった。」と袋を差し出してきた。
「!?ブふぅぅぅぅ!!?」ハンスは吹き出した。
###################以上、回想シーン###################
「驚いたよ。フリッカの言っていた通りの大きさの蛇が1匹だけ、本当に袋の中で絶命していたんだ。袋がいっぱいに見えたのは、蛇が大きすぎたんだ。まず、森にそんな大きさの蛇がいた事に驚いたが、その蛇を一人でやったという事に驚いたよ。」と興奮気味に話すハンス。
マーガレット「そんな大きさ蛇がいたなんて…」
エレナ「一体、どうやって狩ったの?」
「彼女はその蛇をみつけた後、槍を持って木に登り、その蛇の真上まできたら、狙いを定めて飛び降りて槍を突き刺して仕留めたらしい。」
アンナ「そ、それってもう…」
クララ「ハンスさんの手から離れてるんじゃ…」
「ああ、悔しいが、蛇を狩る事に関しては、彼女の方が上だ。」と言って、続ける。
エレナ「へ、蛇は、どうしたんですか?」
ハンスは嬉しそうに「もちろん食ったさ。食べ応えあったんだけどね。食べきれなくて残りは埋めたんだ。」
「………どうだったかな、皆。………しかし、これでもまだ序の口なんだよ。」
マーガレット、アンナ、クララ、エレナ「まだあるの!!!???」
ハンスは微笑みながら頷いた。見方によれば病んだような笑みだった。