毒蛇(フレデリカ)の成長過程
仮面の居酒屋の評判が再び広まり、街の人々の間で「あの酒場に行けば、どエロイ仮面の淑女に会えるかもしれない」という噂が広まった。
人々はその噂を聞き、興味津々で酒場を訪れるようになった。彼らは普段の喧騒から解放され、仮面を被りながら、仮想の姿となって楽しむことができた。
そしてアンナ、クララ、エレナのメイド三人も晴れて客として楽しむことができるようになった。
彼女たちも仮面を被り、自分たちも「仮面の居酒屋を手伝う」と役割から解放され、心地よいひとときを楽しむことができた。
仮面の居酒屋の客足が安定してきたからだ。
「仮面の居酒屋のお客の入りも心配なくなってきた。ジェームズさんも口を閉ざしてくれているし、順調順調。でも、ここで気を抜くわけにもいかないわ。つぎの『毒蛇鑑賞会』のイベントを考えるよ!。」とエレナはアンナとクララに呼びかけた。
「前回の会合では毒蛇の成長過程をテーマにした展示って話だったよね?」とアンナが答える。
「毒蛇の生息地に関する講演会も議題に上がってましたね。」と酒のつまみをつまみながらクララも答える。
「…今考えると同時開催は難しいかも知れないな。でもまずは話を聞こう。」とエレナは一口酒を飲みながら言った。
「誰に?」とアンナ
「それは勿論ハンスさんだよ。小さいころの毒蛇の話をいっぱい持ってそうだし、マーガレットさんがいる時に話すっていってくれていたじゃない。」とエレナが言う。
「ああ、そうでしたね。そんな事いってました。私もそれ、興味あります。」とクララが目を輝かせて言った。
「私も興味がある。ついに聞けるのね!小さいころのかわいいフリッカちゃんの話が。」とアンナが軽くはしゃいでいった。
「よし、じゃあ明日、ハンスさんにお願いしてみよう。」
翌日、エレナは早速ハンスに話を切り出した。
彼は仮面の居酒屋の活動を応援してくれており、毒蛇鑑賞会の話を聞いて喜んで会員になってくれていた。
「ハンスさん、お願いがあります。毒蛇鑑賞会のイベントで、毒蛇の成長過程をテーマにした展示を予定してるんです。でも、私達、小さいころの毒蛇を知らないので取材したいんです。間近で見ていたハンスさんの視点で小さいころの毒蛇の話をしていただけませんか?」とエレナは熱心に頼んだ。
ハンスさんは微笑みながら頷いた。「もちろん、いいよ。フリッカがどんな子だったか教えてあげるよ。」
エレナは安堵の表情を浮かべながら、ハンスさんに感謝の意を伝えた。
「本当にありがとうございます、ハンスさん。私たちは彼女の成長に興味津々ですし、お客様にも楽しんでいただけることでしょう。」
ハンスも笑顔で答えた。
「私も展示会を楽しみにしてるよ。フリッカの成長は本当に素晴らしいからね。じゃあ、今日の夕食後、マーガレットを交えて話をしようか。」
「やったあ!ありがとうございます。よし、今日もお仕事がんばるぞう!」とエレナは後で聞いていたアンナ、クララに呼びかける。
アンナ・クララ「「おおッ!!」」
喜びの表情で語らいながら去っていく三人を見ながらハンスは不敵な笑みを浮かべていた。
エレナ、アンナ、クララの三人は興奮しながら、夕食後にハンスとマーガレットのもとへ向かった。
実はマーガレットも仮面の居酒屋のメンバーとして、様々なイベントの企画や運営をサポートしてくれている頼もしい存在だった。
夕食の後、彼らは居間でくつろぎながら話をすることにした。
ハンスは眩しい笑顔で言った。「さて、フリッカの話だね。彼女はとても可愛らしい子でしたよ。」
「楽しみだわぁ、ハンスさんが知っていて私が知らないフリッカの一面を知ることができるのねぇ。」とマーガレットは嬉しそうな顔で言った。
「ついに聞けるんですね!ハンスさんに『私の太陽』と呼ばれた子フリッカの物語が!」アンナは興奮を抑えられない感じで話した。
「そうではなく『この地に舞い降りた太陽そのもの』ですよ。私もこの時を楽しみにしてました!」とクララもはしゃいでいた。
「ハンスさん!早く早く!!」とエレナも目を輝かせて足をパタ付かせながら言った。
するとハンスは少しずつ真顔になり、少し顎を引いて顔に陰を落とす。
マーガレット・アンナ・クララ・エレナ「……………?」
その様子を見て4人ははしゃぐのをやめた。
ハンスは次第に口の両端を持ち上げ異様な笑みを浮かべながら笑い始めた。
「……………クククククククク…ついに話せる時が来たんだな。私と御屋形様しか知りえない話が!」
その様子に4人は息をのんだ。
ハンスは視線を4人に向けて語り掛けた。
「…………ようこそ、貴方の知らないフリッカの世界へ!!………………」
マーガレット・アンナ・クララ・エレナ「!?」
4人はこれから一体何が始まるのか、聞いてはいけない事を聞いてしまったんじゃないかと不安になった。