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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
11章 意思を持った剣
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魅惑のオーラを纏う女性

女は恋をするときれいになる。


失恋すると魅力的になる。


真偽はの程は置いといてそういう話自体はアンナ、エレナ、もちろんフレデリカも知ってはいた。


だが、エロくなるというのは聞いたことがなかった。


しかも、実際に目の前にいるという事実には三人ともノーガードだった。


無論、はじめての経験だった。


アンナとエレナは酒場の男達からよく、こう聞かされていた。


「あの娘はきっと脱ぐとエロい」「あの娘は脱ぐとどエロいらしい」


しかし、今は「脱ぐまえからエロい」という状態に深化している。


いつの間にそうなったのかとよくよく観察してみるが、やっぱり普段と変わらない。


変わらないはずなのに仕草がエロい。


彼女の声は、甘くて柔らかい、唇が、まつ毛が、瞳が、彼女の全身からは、強烈なエロティシズムが漂っていた。


「なんか、どきどきしてきた!」とアンナ


「もう、どうしよう!手が震えるわ!」とエレナ


「おかしいよ?。…同性だっていうのに…」とフレデリカ


と三人とも動揺を隠しきれない。


もしかしたらクララには元々そういう素質があったのかも知れない。


同性であってもこの状態なのだ。


このオーラを異性が受けたらどうなってしまうのだろう?


それぞれ、ハンスとメルロに視線を向けた。


ハンスにはメルロの様子が分かった。


小声で「メルロ、どうした?落ち着きがないぞ。」とハンスが言う。


小声で「アニキ、か、彼女、どうしたんですか?、いつもと違って見えるんですけど。」


その話声を聞いたアンナ、クララ、フレデリカは、クララのオーラの影響を少しでも減らそうと、クララと一番離れているハンスとメルロの傍に椅子をずらし、二人の話を聞いた。


その間、クララはジョセフとマーガレットと談笑していた。ジョセフとマーガレットはまるで孫ができたかのようにクララをチヤホヤしていた。


小声で「お前、…心当たりないのか?」とハンスはメルロに尋ねる。


メルロが入ってくる前と後では状況が違っていたので、メルロが原因である事に疑いの余地はなかった。


小声で「いえ?、特にいつもと変わらなかったと思うんですけど。でも、今はなんだか違いますよね?、一体何があったんだろう?」と全く心当たりがない素振りのメルロ。


小声で「今日なんか彼女と話したか?」とハンス


小声で「はい。エレナさんが暴れていて、被害を少しでも小さくしようと思って、近くにいたクララさんを連れて避難してました。」本当は被害を長引かせるため、キーマンとなるクララを連れまわしていた。


小声で「その時はごめん。」とエレナがあまりに自然で素直に謝ってくるのでメルロも「えっ?」と当惑する。


小声で「というか、皆さんも気付いてるんですね。」とメルロは、自分も含めて、皆の視線がクララに集中している様子を見て言った。


小声で「気付かない方がおかしいのよ。」とアンナ。


小声で「クララを連れて避難した時、なんか変わったことはなかったか?」とハンスは尋ねる。


小声で「いや、変わったというか、普段と違うというか…エレナに見つからないようにしてたので、何となく緊張感があったかな?という位で………うーん。」とメルロはクララのオーラに圧倒されて説明が途切れてしまった。


小声で「どうした?」とハンスが言う。


小声で「…なんか、…トウサンジュニアが落ち着いてくれないんです。」とメルロは困惑した顔をする。


それを聞いたアンナとエレナはテーブルの下に顔を向ける。


小声で「ちょちょちょちょちょちょちょっと、やめてください。」下半身の状況を隠そうとする。


小声で「あれ?。どうしたの?」とアンナは顔を上げ、メルロの様子を確認した。


小声で「いつも、見せつけるように堂々としてたじゃない?」とエレナはテーブルの下から、メルロに声を掛けた。


小声で「いや、そうなんですけど、そうだったんですけど…トウサンジュニアの元気な姿を見られるのが急に恥ずかしくなってきちゃって。………今思うと、これまで自分は、なんて事をしてしまったんだろうかと?」とメルロは両手で顔を隠し、天を仰いで羞恥に悶えた。。


小声で「あー。↑」気付いたかとアンナ苦笑いした。


小声で「気付かなければ、苦しまずに済んだものを………」とエレナは未だにテーブルの下から顔を上げずにメルロの腰回りに声を掛けた。


小声で「メルロさん。」とフレデリカはメルロの手を取る。


小声で「…はい?」と神妙な顔つきをするフレデリカに意表をつかれる。


小声で「ついに貴方は『パン好きのお兄さん』を卒業する時がきたのね?…」とフレデリカは感動して涙ぐんだ。


小声で「……なんか……たまに聞きますね。それ。」とメルロは答えた。


小声で「あぁー。↓」とアンナはフレデリカの苦労を思い出し気遣う視線を送る。


小声で「長かったもんねぇ………」とエレナはテーブルの下で、パン泥棒と蛇食女スネークイーターの攻防を思い出していた。※1


小声で「でも『パン好きのお兄さん』は、私も子供たちがそう呼んでいるのをたまに聞いてたわ。」とアンナも思い出していた。


小声で「ジェームズさんの案らしいよ?子供の内から『泥棒』を賛美させる訳にはいかないからって。」とエレナはテーブルの下で解説する。


小声で「なるほど。きめ細かい心配りね。」とアンナとは納得した。


「みなさん、どうかしました?」とクララが不意を突いてくる。


「「「「「はい!?」」」」」皆は意表を突かれて返事をする。(ゴチッ!とエレナはテーブルに頭をぶつけた。)


「はやく食べないと片付きませんよぉ?」とクララが声を掛けてくる。


今もまた、甘くて柔らかい最大風圧のオーラの影響を受け、食事どころではなくなっていた。


「あーえっと今日はみんな食欲がわかないの。だから今日はもう片付けましょうか。」とフレデリカが言う。


「そうですか、わかりました。お片付けしましょう?」とクララが呼びかける。


それを見てアンナ、エレナ、フレデリカも立ち上がり、片付けようとするが、メルロとハンスが動こうとしない事に気が付く。


フレデリカ「?」

アンナ「ん?」

エレナ「どうしたの?」


と声をかけると二人は顔を赤くして言った。


メルロ「…いやぁ、ちょっと…」


ハンス「…うん。立てないんだ…」


アンナ、エレナ、フレデリカ「……………………」


三人は同時にテーブルの下に顔を向けた。


メルロ「ちょちょちょちょちょちょちょっと、やめてください!。」

ハンス「ちょちょちょちょちょちょちょっと、やめてくれ!。」

※1

迷える子羊 ~ ジャーナリストの卵 が一連のパン泥棒VS蛇食女スネークイーターのお話です。


回想風に読み返す時のBGMは

イントロがある Bill Conti - The Final Bell (Rocky) のリピートか


THE FINAL BELL 1 hour

https://www.youtube.com/watch?v=fuRKea6KSsU


がお薦めです。


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