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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
11章 意思を持った剣
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ハンスの本気

フレデリカはエレナを押さえつけていたが、体力が限界に近かった。


このままでは屋敷内で殺〇事件が起きてしまう。もうダメ…。


すると遠くから立ち上るオーラを放ったハンスがゆっくり歩いてくるのが見えた。


「ひっ!」ハンスとは長い付き合いのフレデリカでも初めて見る表情に凍り付きそうになった。


ハンスのオーラは、圧倒的な力を持っていた。フレデリカは息を飲んで、エレナを押さえつける手を緩めた。


「フレデリカ、離れろ。」ハンスは静かに言った。


フレデリカは言われるがままにエレナから離れ、後ろに下がった。


ゴツンっ ハンスは暴れるエレナの頭に拳骨を食らわせた。


「いったーい!!(×o×;)」エレナは頭を押さえた。


そのままハンスは片手で襟首をつかんで自分の目線の高さまでエレナを持ち上げた。


「…同僚を〇すとはどういう事だ。冗談でも口にすることじゃない。」とハンスはいう。


「…だってっ…だってぇ…」とジタバタするエレナにハンスは言う。


「『だって』?『だって』?…なにかな?言ってみな。」そう言ってエレナを卸す。


「あのは私のものなのにぃ!」泣きながら言うエレナ。


「なにぃ?違うだろ。アレはメルロの持ち物だ。無理やり自分のモノにしたいだけだろ!」とハンスは正論をぶつける。


「そうよ!悪い!?」と支離滅裂な事を口にするエレナ。


「悪いね!大いに悪いね!この場から消えていなくなってほしいくらいだ!」と言い切るハンス


その言葉に三人とも息をのむ。ハンスの本気度が伝わってくる。


「あの剣をめぐって騒いでる事はしっていたさ。いつものじゃれ合いだから、俺は放っておいてもいいと思っていたんだがな、さっきジョセフとマーガレットが俺のところにやってきてお願いされたんだ、『エレナがメルロを〇すって言ってる止めてやってくれ』って二人は本気で心配してたんだぞ。」と指をさしながらエレナに向かっていった。


アンナは「…ハンスさんそのくらいで」と言いかけたが、ハンスが被せてくる。


「アンナ、君はどう思う?君たちメイド3人とフレデリカを加えたこの4人の中でも一番年上だ!同僚を〇すだなんて小さな子供が駄々をこねるよりも質の悪い行動をとっている。恥ずかしくないか?」


「フレデリカ、君はどうだ!彼女は君の姉さんのエレオノーラと同い年だぞ?こんなお姉さん恥ずかしくないか?」


「残念だよ、俺は君の同僚である事を光栄に思っていたよ。背丈がなくたって、子供っぽくたって、それが君の魅力なんだって思ってる。子供のように駄々をこねる姿も俺は好きだよ。だが、それだけじゃない。君は我が家で一番聡明なんだ。そんな君の同僚である事が俺の自慢なんだ。頼む、過去形にさせないでくれ。まだチャンスがあるなら、言うべき事を言ってくれ。」


「…ごめんなさい…」とエレナは他の二人にも聞こえるように言った。


「…よかった。ありがとう。」そういって、ハンスはエレナと握手して軽く抱いた。


アンナ、そして、フレデリカとも握手をした。


そして足早に仕事場へ戻っていくハンスの姿にアンナとフレデリカはメルロの気持ちがわかったような気がした。


アンナ・フレデリカ「「さすがアニキ」」

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