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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
11章 意思を持った剣
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離脱

フレデリカは「お、落ち着いて、あなたがこんな姿のままだとあなたが大好きな『ハチ』も悲しむわ!!」とどうにかエレナに新しい名前を受け入れさせようと必死に押さえつけつつ説得を試みる。


「エレナ、あなたが『ハチ』をどんなに慕っていても、『ハチ』は持ち主のメルロが好きなの!あなたはこういう事で躓いてはいけない!。あなたはあなたで前に進むべきなのよ!お願い、目を覚まして!私の『かわいい魔王様』!!」とアンナも泣きながら説得を続けた。


「よし、あいつを〇そう。」とピタリと動きを止めて静かに言う魔王様エレナ


アンナ・フレデリカ「「えっ」」


「ケンちゃんと一緒にアイツを私たちのウェディングケーキにしてやるのよ!。だから離せーー!!」エレナは危険な言葉を吐いて再び暴れだした。


アンナ「それを聞いたら!」


フレデリカ「ますます離せないでしょ!!」


アンナとフレデリカはふたりで必死に抑え続けた。



メルロのところにも「おおお!!私にメルロを〇させろぉぉ!!。」というエレナの咆哮が聞こえてきた。


なにぃ!?。どういう事だ?、矛先が自分に戻っている?


メルロは再び様子を伺う。


いま、二人で押さえつけているようだが、まずい。フレデリカは長時間の拘束で大分体力を失っているんじゃないのか?


アンナは下半身を抑えに掛かっているようだが、フレデリカが力尽きたら自由になった上半身で攻撃されてしまうじゃないか!ばかやろう!少しは考えろ!


なぜだ?、計画は完璧だったはずだ!、…傲慢がほころびを生むというのか。


このままでは時間の問題かも知れない。一旦ここを離れるのが得策か。



「クララさん。このままでは危険です(自分が)。ここは別れましょう。では!」と走り去ろうとするメルロの手を掴みなおしてクララが引き留める。


メルロ「!?」


「待ってください。私、まだ答えを聞いてません。傷付いてほしくないってどういう事なんですか?」と手を引っ張りメルロの行動を妨げるクララ。


なにを言ってるんだこの緊急事態に!?あの中に三人がそろってしまっては自分の計画が破綻する、だから連れてきたにすぎない。


だが、風向きが変わってしまった今となってはクララを連れまわしても意味がない。


早く離脱しなければならないのに………焦るな自分……クララを落ち着かせて手を放してもらうんだ。


メルロは進行方向へ進もうとする力を緩めてクララを落ち着かせるため、まっすぐ見つめて自分の手を握るクララの手にもう一つの手を載せた。


「クララさん…。」


「えっ、は、はい。」突然、抵抗感がなくなってまっすぐ見つめてくるメルロに驚くクララ。


「(自分が)無事ならまた会いましょう。では!」と隙をついて手を離させたメルロは一秒でも早くここから離れるために駆け出した。


「………」クララは呆けた様子でメルロが去った方角を見つめていた。


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