表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
11章 意思を持った剣
75/315

やっと会えたね☆彡

疲れ果てたフレデリカはメイド達に屋敷の一室に連れられて介抱されていた。


そして他の皆もその一室に集まっていた。


「結局、あれっ…なんなの」とメルロとハンスに声をかけるフレデリカ。


メルロ「剣です。」

ハンス「剣だ。」


「それはわかります。……そうじゃなくて、なんで勝手に動いたり、人の体を勝手に動かしたりするんですかって聞いてるんです。」っと息も絶え絶えにフレデリカが尋ねた。


メルロは「それがわからなくって困ってるんですってぇ。」といった。


彼の脇にはその問題の剣がメルロに体を預けるかのように寄りかかっていた。そして鞘を軸に左右に少し揺れていた。


「…なんでそれを持ってきてるの」とアンナは屋敷の主人を介抱しながら言った。


「いや、勝手についてきたんです。」と返答するメルロ。


ハンスは「やっぱりあの荷物は、全部メルロのもののようだったよ。四角い板があっただろう?、メルロがいじっていたら急に光りだして…それでもメルロが触り続けていたら、メルロの絵姿があったんだよ。他にも男の子の絵姿もあったが、メルロの絵姿があったのは皆が見ているから間違いないよ。」とメイドに介抱されている主人に報告した。


フレデリカは驚きの表情を浮かべた。「光ったって…?それって、魔法のようなものですか?」


「よくわからないが、そうかもしれない。何せ姿絵が出てくる前に別の絵が浮かんでいて、その絵に指で触れるようなんだよ。指の動きに合わせて動くんだけど、絵自体が動くだけじゃなく、絵の中にある模様も動くんだからね。あんなの聞いたこともなかったし、初めて見たよ。」とジョセフが代わりに報告した。


ジョセフの言葉に他の皆も頷いていた。


「…持ち主であるメルロは何か憶えていないの?」とフレデリカはメルロに尋ねた。


「四角い板は見覚えがあるような気がするだけで、結局なにもわかりません。それにこの板はもうピクリとも動かなくなってしまいました。」とメルロ


「その剣は?」と屋敷の主人。


「知りません。」とメルロ


…バタンッ…


メルロに寄り掛かっていた剣は急に倒れてカチカチ震えていた。


「……メルロさん。あなた!自分の持ち物に対する愛情ってものがないのぉ!」と声を大きくするエレナに皆唖然とした。


「…ああもう…こんなにショックを受けて…可哀そうに…」とエレナは倒れた剣を抱き寄せてなでた。


マーガレットはどういうことなのかとエレナに尋ねた。


「もう、みんな想像力なさすぎるよ。クララがこの剣を見つけた後、ハンスさんとメルロさんが外にでてきていたでしょう?その後、震えだしていきなりメルロさんに飛び掛かっていったじゃない。その後も何度もメルロさんに突撃していたけど…アレって例えるならこうなのよ。」


「『…や、やっと会えたよご主人さまーーーー!! ご主人様ッご主人様ッご主人様ッご主人様ッご主人様ッ♪』ってね」と笑顔で話すエレナ


その場に居合わせた面々は天井を見ながら、エレナの言葉とその時の光景を重ね合わせた。


そう思うと何だか可愛らしく、微笑ましい光景に思えた。


「だと言うのにメルロさん。あなたって人は、飼い主としての自覚がなさすぎじゃないんですか!」と怒り出すエレナに、皆は賛同まなざしをメルロに向けた。


「えっ、ぼ、僕が悪いんですか?」と戸惑うメルロ


「じゃあ、さっきまでのこの部屋でのやり取りは『ご主人様ッご主人様ッご主人様ッご主人様っ…………ご、ご主人様ひどいよぉ……』という感じでしょうか」とクララが言い、みんなが爆笑した。


「……それで、どういうことなの?」とフレデリカが聞いた。


「この、完全に意思を持ってて、メルロさんを慕ってるんですよ。」とエレナが言った。


「そんな馬鹿な…」とメルロが言いかけたが、剣がまたカチカチと震えているのがわかったため、メルロは言葉を飲んだ。


「剣は、何かを知っているように見えますね。メルロが何者なのかを知る重要な情報かもしれないわね。」とフレデリカはみんなに言った。


「ええ、その通りです。手が空いた時にでもその剣について調べてみましょう。」とハンスが言った。


「私たちも手伝います」とアンナが言った。


「私たちも、できることがあれば手伝います」とマーガレットが言った。


「私は力にはなれませんが、なにか手伝える事があれば言ってください」とジョセフが言った。


「ありがとうございます」とフレデリカが言った。


アンナは「しかし、厄介な問題になってきましたね。こんなの教会の人達に見られたら、異端審問にかけられていまいますよ。」といった。


「イタンシンモンってなんです?」とメルロ


「教会の教えに反する教えを持つ異端という疑いを受けた者を裁くことよ。一度そういう疑いを掛けられたら周りにいる人たちも拷問されるわ。」とアンナは答える。


「そ、そんな蛇食女スネークイーターよりもひどい拷問をされるんですか?いやですよ。そんなの!」と驚愕するメルロ


「いや、ゆってない。蛇食女スネークイーターと比較してない。でも、もっとひどいと思う。」とアンナ


「ええぇぇぇ…」と憔悴するメルロ


ジョセフ「これは……」という問いかけに対し


ハンスは「うん。…秘密にするしかないな。…=3」と溜息を漏らす。


「とにかく、今は休むことにします。剣についての情報が入ったら、また集まって話し合いましょう。教会に知られないように、街では剣について会話しない事ですね。」とフレデリカはいった。


「ケンちゃんって可愛いねぇ。こんなにもご主人様を慕ってるなんて、あなたって忠誠心高いのねぇ」とエレナはニコニコ顔で撫でていた。


しかし、油断した。撫でていた手が勝手に動いて剣を掴んでいた。


「「「「あっ」」」」


皆は態勢を低くしたり、物陰に隠れたりした。


エレナの体は、ゆっくりすらりと剣を鞘から抜いた。


「あ、あれぇぇ?」ヒュンヒュンヒュン


「あれぇぇぇ!?」ヒュンヒュンヒュン


「あれあれあれあれぇぇ?」ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン


ハンスは「エレナ!外行け!外!」と怒鳴った。


「ご、ごめんなさぁい…」とエレナは外へ駆け出した。


しばらくして外では華麗な剣の演舞を披露するメイドがいた。


メイドは最初から最後まで「あれぇぇ?」としか言わなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします! 小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ