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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
10章 街の事件簿
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一本足の正体

「…あれは昨日見たあの棒だ。動いていたんだ」と緊張しながらハンスが言った。


「…でも、誰がこんなことをするんだろう?」とメルロが疑問に思った。


すると棒が震えだし、皆が驚愕した。


しかし、一瞬でメルロの腹に棒が突っ込んできた。


メルロは悲鳴をあげ、倒れそうになった。


皆が慌てて駆け寄るが、その後も棒はメルロの腹をめがけて突撃していた。


メルロは両手の手のひらを向けて腹を守った。


ハンスと他の人々は、棒を押さえつけようとしても、それは無駄でした。


棒はどうやら人の手に触れることを避けるように動いているようだった。


そして、メルロが両手で棒を捕まえた瞬間、一瞬止まり、棒は2つに分かれた。


「あれ、あれれれ!??」メルロの体は勝手に片方の棒を地面に突き刺し、もう片方の棒を振り回し始めた。


メルロが振り回している棒は夕日を受けキラキラ輝いていた。


時々構えるような恰好で一瞬止まる時があり、その正体を皆は確認した。


棒だと思っていたものは細身の剣だった。


其のあともメルロの体は勝手に剣を振り回していた。


「だっ誰か助けてぇぇ!」メルロは悲鳴を上げるも剣を振り回し続けた。


しかし、傍から見ると剣を振り回しているのか、剣に振り回されているのか分からない状態だったが、目にも止まらないものすごい速さで振り回していた。


振り回される剣は危険なので誰も近づけなかった。


しばらくするとメルロはもう一本の棒を取り、剣をその中に収めた。


もう一本の棒は鞘だった。


メルロはそこでようやく解放され、手を離したが、ヘロヘロだった。


棒は勝手にそこに立っていた。


するとエレナは棒の上から袋を被せて言った。


「よし、今よ!!」


エレナの勇気ある行動にアンナとクララも棒を押さえつけようと飛び掛かった。


エレナは袋の口を縛りつけ「ようしこれで安心」と一息ついた。


他の人々も安心した表情を浮かべた。


しかし、棒はそのあともぴょんぴょん飛び跳ねていた。


皆は困惑し、この棒の正体が何なのか理解できなかった。


ハンスとジョセフは棒を捕まえ、納屋の二階に閉じ込めて下に降りてきた。


上からドンドンと棒が扉に突撃している音が聞こえてきた。


アンナは「エレナ、よくやったわエライ!」とほめた。


クララは「ちょうどいい袋をよく見つけてきてくれたわね」とほめた。


エレナは「うん。メルロの荷物に細長い袋があったでしょ。アレだ!って閃いてもってきたのよ。いやぁわたしってお手柄よね!」


マーガレット「え、あ、あれ?」


ジョセフ「うん?ちょうどいい袋?」


と何かに気が付きそうな時、エレナの後ろで棒がぴょんぴょん飛び跳ねていた。


クララ「あッ!?」


アンナ「アレッ!?なんで?」


「あッ!アイツ!いつの間に!?」とハンスは叫びながら再び棒を捕まえた。


そしてもう一度納屋の二階へ閉じ込めようとしたとき、ハンスとジョセフが気が付いた。


「もしかして、ここに空いている穴から脱出したのか?」とハンスとジョセフは他の木箱等でその穴をぐように置き換え、棒を閉じ込めた。


ドンドンと棒が扉に突撃する音が聞こえてきた。


「……なあ、気が付いたんだが、もしかしてアレって、なくなったとか言われていたメルロの荷物なんじゃないのか?」とジョセフが口にする。


「「「「…あッ!?」」」」っとマーガレット、アンナ、クララ、エレナは声を上げた。


「?荷物?って何のことですか?」とメルロは疲れ果てて涙目で尋ねた。

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