立ち向かう道
ジェームズは考え込んでいた。
フレデリカは領主であり、信頼できる人物だ。
だが、蛇食女という事実を知る以上、教会本部に報告しなければならい。
そうなれば聖騎士団が派遣されるかも知れない。
主を守るため、領民と聖騎士団が衝突する事が予想される。
どうすればいいのか、ジェームズは苦悩していた。
「ジェームズ、どうしたんだい?」と、ハンスが尋ねた。
「ハンス、蛇食女の正体がわかった以上、教会本部に報告しなければなりません。。しかもそれが、私たちの領主であるフレデリカさんです。」
「だが、フレデリカは信頼できる人物だろう?」
「そうですが、それでも蛇食女という事実を知ってしまった以上、沈黙するわけにはいきません。そして、それが聖騎士団に伝わってしまえば、この街は混乱をきわめるでしょう。」
「確かに、それは避けたいな。だが、どうすればいいんだい?」
「わかりません。本部に報告するべきかどうかも、悩ましいところです。」
二人は黙り込んでしまった。どうすればいいのか、思案しながら時が過ぎていく。
アンナが「ジェームズさん、フレデリカ様を守るためにも、私たちが一緒に力を合わせて立ち向かいましょう」と言った。
「そうですそうです、私たちが一緒に頑張ろう」とクララが続けた。
「フレデリカ様を守るために、私たちも力を貸します」とエレナも言った。
ジェームズは、彼女たちの言葉に感動した。彼女たちは、ただの使用人という立場ではなく、フレデリカを本当の家族のように思っているのだと感じた。
「ありがとう、皆さん。でも、私は教会側の人間です。教会本部に報告したら聖騎士団がくるかもしれません。危険です……」とジェームズは言った。
「でも、私たちはフレデリカ様を守るために、何があっても立ち向かいます」とアンナが言った。
「そうだ、私たちはフレデリカ様のために、命をかけても守ります」とクララが続けた。
「私たちにはフレデリカ様が大切な家族です。だから、必ず守り抜きます。」
その言葉にハンス、ジョセフ、マーガレットは心を打たれた。
エレナはジェームズが口を閉ざしてくれればあとはメルロだけだと提案する
ジェームズはしばらく黙り込んでいたが、エレナの提案に頷いた。
「分かりました。フレデリカさんの正体については、私たちだけで話し合いましょう。しかし、メルロさんには別の仕事をしてもらおうかと思います」と言った。
「別の仕事?」とアンナが訝しげに尋ねた。
「そうです。実は、私たちはこの街で発生した怪事件について調査をしている身です。子供たちが失踪しているという噂もその一つです。その調査にあなた方の協力が必要です」とジェームズが説明した。
「怪事件?何のことですか?」とクララが興味津々に聞いた。
「この街で、数日前から続く不審な事件が発生しているのです。何者かが人々を襲っているという噂があります。他には夜、一本足の物の怪が街を徘徊しているという噂も…。私たちはその調査をしており、真相を解明しようとしているところです」とジェームズが答えた。
「それは怖い……。でも、私たちに何かできることがあるのであれば、力になりたいです。」とアンナが力強く言った。
「……私も、何かお手伝いできることがあれば」とフレデリカも小さく言った。
「そうですね。私たちにできることがあれば、協力させてください、メルロに関してはガンガン使ってやってください。」とクララも同意した。
「じゃあ、メルロには、この街にある教会に行って、聖職者たちから情報を集めてきてもらいましょう。彼らはこの街のことをよく知っているはずです。オラオラ、ちゃっちゃと働けこの裏切者が!。」とエレナが提案した。
「わかりました。わかりました!。…やってみますから…トーサンジュニアをいじめるのはやめて…なにかが生まれそう!」
こうして、ジェームズたちはフレデリカの正体についての秘密を守りつつ、街の怪事件を解決するために行動を始めた。しかし、彼らが知ることになる真実とは、想像を絶するものだったのだ。