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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
9章 蛇食女防衛網
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伏兵現る

ジェームズはメルロを教会に呼び出した。


「メルロさん、急な呼び出しでもうしわけありません。しかし、お話があるのです。」


メルロは少し緊張した表情で、ジェームズに耳を傾けた。


「実は、教会本部の決定で蛇食女スネークイーターの正体について情報を集めているんです。最近、ある情報を手に入れたのですが、それがとても重要なヒントになるかもしれないのです。」


「本当ですか?それはどんな情報ですか?」メルロは興味津々の様子で聞いた。


「この地域で最近、子供たちが失踪しているそうです。それも、いつも蛇食女スネークイーターの目撃情報がある場所で起こっているのだそうです。」


メルロは驚いた表情を浮かべた。


「子供たちが失踪しているって、本当ですか?それは、とても危険な状況ですね。」


「そうだ。だからこそ、私たちはこの事件を解決しなければならないのです。でも、私だけでは手が足りない。もし、あなたが手伝っていただけたなら、一緒に解決することができるかもしれません。」


メルロは考え込むような表情を浮かべたが、やがて頷いた。


「分かりました。僕も手伝います。子供たちを助けるために、必要なことは何でもします。」


ジェームズは安堵した表情を浮かべた。


「ありがとう、メルロさん。それじゃ、一緒に調査を始めよう。子供たちの行方をつかんで、蛇食女スネークイーターの正体を突き止めるのです。」


「ではさっそく蛇食女スネークイーターの本拠地へ行きましょう。」とメルロは促した。


「はっ?本拠地?」とジェームズが驚く。


「はい。こういうときって、何て言うんでしたっけ?、あ、そうそう、『悪事のしっぽを掴んだ!』ですかね。さあ、いきましょう!?」


メルロはジェームズが止めるもの聞かずに駆け出した。


それをジェームズが追いかける。



メルロが帰ってきたと同時に、屋敷の人々は彼の様子に気づいた。


女主人のフレデリカは、彼がすこし険しい顔をしている為、何か心配事を抱えているように見えた。


「メルロ、どうしたの?」と彼女は尋ねた。


メルロはジェームズが追い付いていなかった事に今更気付く。


まずはジェームズを待ってから本題に入る事にしたメルロは


「ああ、いや、何でもないんです。ただ、今日はちょっと疲れただけで。」


「そう。でも、もし何かあったら、私たちに相談してね。」


そう言って、フレデリカは優しい笑顔を浮かべた。


しかし、メイドたちはメルロの返答に不満げな顔を見せた。アンナが言った。


「でも、メルロさん、今日は夕食の準備に手伝ってくれなかったですよね。私たちは一生懸命働いているんですから、あなたも協力して欲しいんです。」


クララとエレナも同じように、不満を表明した。


農夫のジョセフとその妻マーガレットも、メルロが手伝わなかったことについて意見を言い合った。


「あの、でも、彼は今日は別の用事があったんじゃないかな?」


と、男性従業員のハンスが言った。


「そうかもしれないけど、でも、せめて一言くらい言ってくれればよかったのに。」と、アンナが呟いた。


屋敷の人々は、それぞれの意見を言い合ったが、メルロは深く謝罪することはなかった。


彼が抱える悩みは、彼自身にしかわからなかったのだ。今はそれどころじゃない。もっと大事なことがあるのだと。



「メルロさん、待ちなさい、落ち着き……ゲホゲホ」メルロを追いかけフラフラになったジェームズが入ってきた。


「ジェームズ?またなのか!?」とハンスはジェームズに駆け寄る。


ジョセフやマーガレットも何事かと駆け寄る。唖然とするフレデリカ。


そしてジェームズが屋敷にたどり着いた事を確認したメルロは、この時が来たとばかりに声を張り上げてこういった。


「フレデリカさん。いえ、蛇食女スネークイーター、あなたの悪事は今なんとかの下にさらされるのです。子供たちをさらっていったい何をしようというのですか?」


「「「「「「……は!?」」」」」」


「メルロさん、…だから、待ちなさい、はあはあ、落ち着きなさいと……ゲホゲホ」


「とぼけても無駄ですよ!?、教会でジェームズさんに聞いたんです。最近、子供たちが失踪していると、そしていつも蛇食女スネークイーター、あなたの目撃情報がある場所で起こっていると!!。」


「子供たちに一体なにしようとしてるんですか!?ってまさか、僕のチ●●だけじゃ足りなくてそんな小さい子のチ●●まで奪おうって言うんで」


アンナ、クララ、エレナ「「「お前はぁ!? よくもぉ!!」」」


計画を台無しにされたメイド3人は、メルロが言い終わる前に、攻撃を仕掛けた。


アンナは後ろからメルロを羽交い絞めにして、クララはメルロの脚をつかみ、エレナは体重を乗せてメルロの腹に拳を叩き込んだ。


続いてメルロを仰向けに床に寝かせ、アンナとクララが恥ずかしがるメルロの片足を掴んで股を開かせ、エレナはどこからか持ってきた皮のベルトを鞭にしてメルロのトーサンジュニアをシバキ倒した。


「やめて、やめて、トーサンジュニアが死んじゃう。やめてぇ!」さっきまで威勢の良かったメルロは悲鳴を上げた。


「フレデリカさん。あなたが、蛇食女スネークイーターとは……。一体どういう事なのですか?……」ハンスの介抱で落ち着きを取り戻したジェームズが問いかけた。


「違います。!」とアンナ


「すべてメルロの勘違いです!。」とクララ


「こいつめ、こいつめ!」と鞭うちするエレナ


「やめて、やめて、トーサンジュニアが起きちゃう。やめてぇ!」メルロは悲鳴を上げた。


「勘違い……。そうですか。では教会前に杭を打ったのは別人という事ですな。それはそれでよかったです。」とジェームズがほっと一息ついた矢先


「すみません。……それは私です。」といたたまれなくなったフレデリカが落ちた。


「そんな」「フレデリカ様」「…ご主人様」アンナ、クララ、エレナは手を止めて様子をみた。


「フレデリカさん、どうして教会前に杭を打ったんですか?」とジェームズが尋ねました。


「………何度もパン泥棒を逃がされてとても悔しかったんです。杭を打った後、正直ざまみろって思ってましたけど、今はとても反省してます。」申し訳ございませんでしたと暗い顔で懺悔するフレデリカ


しばらくしてから、エレナはフレデリカに寄り添ってこう言った。


「…ご主人様。この際だからハッキリに言おう?。杭を打ってざまみろって思った時のことを思い出すとどんな感じ?」


「……スカッとしたぁ…………」とおだやかな笑顔でフレデリカは呟いた。


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