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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
9章 蛇食女防衛網
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自己正当化と後悔の狭間で

その日は雨が降りそうなくらい厚い雲に覆われていたが、雨が降っている様子はみられず、遠くで雷がなっている音が聞こえていた。


時間が経つにつれ、雷は屋敷の方に少しずつ近づいているようだった。


エレナはアンナ、クララと共にフレデリカを連れて、誰にも話を聞かれないよう注意しながら書斎に集まっていた。


フレデリカに心構えを作ってもらう為に、教会が蛇食女スネークイーターに徹底抗戦を仕掛ける動きがある事を伝える事にしていたのだ。


エレナは、アンナ、クララ、そしてフレデリカに向かって言った。


「教会本部は、蛇食女スネークイーターに徹底抗戦を仕掛けるつもりがあるようです。ってことは、蛇食女スネークイーターの行動の何かが、教会本部に脅威を感じさせたからだろうね。その原因について整理しておきたいの。」


アンナが答えた。


「教会の側によると、蛇食女スネークイーターが教会の前に杭を立ててパン泥棒を縛り上げたことについて、蛇食女スネークイーターから教会に対する挑戦状だと判断されているみたいなんだよ。」


そこで、エレナはフレデリカに向かって、1つだけ確認しておきたかったことがあると言った。


「フレデリカ、蛇食女スネークイーター=あなたが教会の前に杭を立ててパン泥棒を縛り上げたのはなぜなの?」


フレデリカは驚愕し、困惑しながら慌てて早口で言い訳を始めた。


「なんでっ!なんでっ!なんでっ!なんでそんな大事に?!、いやいや違うの、あの人たち私が後ちょっとでパン泥棒を捕まえられそうな時に規則だからって邪魔をしたのよ!。とっても悔しかったけど、言われたとおりに面倒くさい手続きしたのに、やっと捕まえられると思ったらパン泥棒がなかったの。あの人は?って信者の男の人に聞いたら『もう逃げました』って言うの!。ひどいと思わない!?。それに1回や2回じゃなくて3回も4回もあったのよ!?。泥棒が逃げ込んだら、代わりに捕まえておくでしょふつう!?。あれ絶対わざとよ!?」


エレナはフレデリカの両手をつかみ、混乱している小さい子を落ち着かせ、優しくたしなめるような仕草でこう言った。


「……ご主人様!。……正直に言おう?。教会の前に杭を立てた時、どう思ったの?」


「……ざまみろって思った……」エレナをまっすぐ見ながらフレデリカは本音を言った。


雷が近くに落ちたが皆動じなかった。


アンナとクララは驚きの表情を浮かべながら、フレデリカの返答を聞いて沈黙した。


エレナは少し時間を置いて、静かに口を開いた。


「それはそれは……なるほど、喧嘩は売っちゃったわけですねぇ。」


エレナの言葉に、フレデリカは目を見開き、その場にしゃがみこんで泣き始めた。


「私……私は……何もできない……自分の考えが正しいと思っていたけど、今思えば……愚かでした。もう、やめて……私はもう、教会に関わらないでいたい……」


フレデリカの悲痛な声に、アンナやクララも慰めようと近くに寄り添った。


エレナはしばらく沈黙し、みんなの気持ちを受け止めながら、やさしく言葉をかけた。


「フレデリカ、あなたが間違っていたということではありません。ただ、誤った考え方をしてしまった事があったということです。」


「それでも、あなたは私たちの大切なご主人様です。今日は嫌な事を忘れてゆっくり寝ましょ?。そして今度ゆっくりみんなで考えましょ。大丈夫、お姉ちゃんに任せなさい。」


エレナの言葉に、フレデリカはうなずきながら、泣き止んでいった。


「…………うん。…わかった。」


アンナ、クララ((………かっこいい!………))


だが、元凶はエレナがつくって広めたチラシである。しかし、そのことには全く気が付かずに話を進めていた。



「フレデリカの真意が聞けてこれでスッキリしたわ。」エレナは天井を見上げながらアンナ、クララに話しかけた。


フレデリカが去った後、アンナ、クララ、エレナは今後どうするか相談していた。


アンナが口を開いた。「もし教会側が言う『徹底抗戦』が本格的になったら、私たちはどうすればいいの?」と不安そうに尋ねた。


クララが頷いて言った。「そうだね。私たちは蛇食女スネークイーターを守るけど。でも、フレデリカも私たちも戦いは望んでない。」


エレナが考え込んでから言った。


「ひとまずは『毒蛇鑑賞会』がある限り、蛇食女スネークイーターの正体が漏れる恐れは大分低くなったわ。」


「会員にはそれとなく遠回しに『問題が起こったら会は解散。マビノギオン偽典は読めなくなるかもよん?』って軽く脅してるけど、みんなアレの虜になってるから心配ないね。」


「もし、問題が起こったとしても、それに対処する為の資金も集まってきたし、街の人たちには隠ぺいするより事情を話したほうが、協力を得られやすくなったと思うの。」


「マビノギオン偽典については本当にすごいです。さすがです、魔王様エレナ!!一生ついていきます。」とクララは賛美する。


「私もわたしも!!」とアンナ。こうして3人の絆はより深った。


エレナは続ける。


「後は、会員の中の協力者達イヌが情報を集めてくれるので、教会側がどういう手段にでるのか情報を待ちましょう。」


「私は「マビノギオン(ブタ)偽典の信者達(ドモ)」を飽きさせなようにマビノギオン偽典の新刊を2,3冊だすわ。」


アンナ、クララ「「やったぁ!!ぷるみえ~る先生っがんばってぇ!」」


マビノギオン偽典は男性向けにつくったものだが、女性達にも好評だった。アンナ、クララもマビノギオン偽典の信徒になっていた。


マビノギオン偽典を書く時のエレナのペンネームが「ぷるみえ~る」だった。


だが、思わぬ伏兵がいることを4人はまだ知らなった。

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