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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
8章 教会
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教会からの協力要請

その日、アンナはジェームズに呼ばれて街の教会を訪れておりました。


アンナはメイドとして屋敷で働く前に教会で仕事をしてました。


アンナとジェームズはその頃からの知り合いでした。


アンナはジェームズから教会の協力要請について相談を受けておりました。


「先日、街に配られた『パン泥棒と蛇食女(スネークイーター)』のチラシですが、教会本部での分析の結果、蛇食女(スネークイーター)から教会に対する挑戦状だという驚くべき事実が明らかになりました。」


「蛇食女(スネークイーター)からの挑戦状について、教会側は徹底抗戦の構えで迎えうつ準備をしています。」


「その1つとして蛇食女(スネークイーター)の正体がまだ不明であるため、探ることになりました。」


「ですが、見ての通り私は教会側の人間です。教会側の人間が蛇食女(スネークイーター)の正体を探っている事を知られたら蛇食女(スネークイーター)は即座に教会側を攻撃するでしょう。」


「しかし、一般市民が蛇食女(スネークイーター)の正体に興味を持つ事はなんら不思議はないと思っています。」


「アンナさん。ご協力いただけませんでしょうか?。」


「アンナさんは、以前、この教会で働いていただいてましたが、今は一般市民として暮らしておりますので、アンナさん蛇食女(スネークイーター)の正体について探っていても、蛇食女(スネークイーター)には気付かれないのではないかと、教会側は思ってます。」


彼女は唖然としていた。


アンナの心の中(…………えええっ。知らないの?)


アンナは街の酒場で多くの人々が蛇食女(スネークイーター)の正体がフレデリカであることを知っており、ジェームズがそれを知らないことに驚きました。


蛇食女(スネークイーター)という呼称に限って言えば、フレデリカが屋敷で捕まえた蛇を食べてしまった事が発端でした。

酒の席での話題になり、酔った勢いで蛇食女(スネークイーター)と呼ばれたのが事の始まりでした。


そして、エレナが面白おかしく新聞記事風のチラシを作って屋台に配らせた事で、パン泥棒のライバルは蛇食女(スネークイーター)という事が定着してましたが、蛇食女(スネークイーター)と呼ばれるまでの件を知らない人々にとっては謎の怪人でした。

ただし、泥棒騒ぎに居合わせた人達には、その時の追手はフレデリカ一同であるという認識があった為、チラシに書いている蛇食女(スネークイーター)はフレデリカではないかと考えられていました。

しかし、他の街では当のフレデリカ本人が否定していた関係で蛇食女(スネークイーター)はフレデリカではないという認識が広がりつつありました。


酒場の常連でもなく、泥棒騒ぎに居合わせていないのであれば知らないのも無理ないが、酒場の常連でありながら、泥棒騒ぎにも居合わせたジェームズにその認識がないのはアンナにとって意外でした。


しかし、彼女はその事実を口に出すわけにはいきませんでした。


「そうですね。私も蛇食女(スネークイーター)の正体については全く情報を持っていないと思います。でも、何か情報が入ったらすぐにジェームズさんに連絡しましょう。」


アンナは内心では、街の酒場以外でも多くの人々がフレデリカを疑っていることを知っていましたが、それをジェームズに伝えるわけにはいきませんでした。


アンナは教会側がどのように行動するつもりなのかジェームズから情報を収集する事に決めました。


アンナはジェームズに質問を投げかけました。


「教会側は具体的にどのような行動をとるつもりですか?」


「正体が不明な蛇食女(スネークイーター)の捜索を進めることと、彼女が何を企んでいるのかを調べることです。」


「それは大変そうですね。」


「そうですね。でも、教会のためには必要なことです。アンナさんもご協力いただけますか?」


「もちろんです。どのようにお力になればいいですか?」


「私たちは蛇食女(スネークイーター)が教会に攻撃を仕掛けてくる前に、彼女の正体を探し出し、防御策を立てる必要があります。街の酒場でしたら、何か情報を得られるかもしれません。」


「了解しました。私も全力で協力させていただきます。」


アンナは教会に協力する振りをすることを決め、蛇食女(スネークイーター)の正体を隠すために行動することにしました。



アンナは急ぎ屋敷へ帰宅し、クララやエレナに相談しました。


まずはチラシを作ったエレナを折檻しながら問い詰めました。


アンナ「なんで教会に挑戦状なんてだしたの!?」


エレナ「知らない知らない!そんなの出してない!!」


アンナ「ほんとにぃい!?」


エレナ「ほんとほんと!!」


アンナは最近思った事がありました。

街でよく見かけるボニーやメルロ以上に、エレナは「いたずらの天才」なんじゃないかと。


そもそも最近起こった

『パン泥棒VS蛇食女(スネークイーター)(勝者:蛇食女(スネークイーター))』も元はと言えば

『パン泥棒VS蛇食女(スネークイーター)(勝者:パン泥棒)』のチラシを配った事が原因ではないかと疑っていたからでした。


そしてアンナもクララも忘れているが、蛇食女(スネークイーター)を広めた真犯人(ホンボシ)はエレナでした。


アンナはエレナが言うことを信じるわけにはいかないと思いましたが、今はそのことは置いておくことにしました。


アンナ「クララ、私たちは蛇食女(スネークイーター)の正体を知っているわ。教会が彼女を捕まえるために私たちに協力を求めてきたの。でも、私たちは彼女を守らないといけない。」


クララは驚いたようにアンナを見ました。


クララ「でも、アンナは教会に協力することになっているでしょう?」


アンナ「そう、でも彼女は私たちのご主人様よ。そして私たちは蛇食女(スネークイーター)の正体を知っている。彼女を守るために、私たちは教会に協力する振りをしなければならない。」


クララはしばらく考え込んだ後、うなずきました。


クララ「わかった。私たちは蛇食女(スネークイーター)を守るために行動するわ。」


アンナはクララに感謝しながら、彼女たちと一緒に蛇食女(スネークイーター)を守るために行動することを決めました。

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