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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
8章 教会
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議事録

するとジェームズが息も絶え絶えにメルロに声をかけて入ってきた。


「待ちなさい、落ち着きなさい」というが、ジェームズの方が落ち着いてない。


しかし、すでに体力を使い果たしたらしく仰向けに倒れこむ。


「ジェームズ!大丈夫か?」


ハンスはジェームズを介抱する為、客室へ連れていく


みんなも驚いて立ち上がっていた。


フレデリカは食堂のひろいスペースを指さしてメルロに「そこへ座りなさい。」としかりつけた。



他のメイド3人はフレデリカの後ろでフレデリカを囲むように立って様子を見ていた。


「…………一体どういう事なの?、説明して。」


メルロは語る。


「ヨハンからジェームズに呼ばれているって聞いてジェームズのところに行ったんです。そしたらすごく心配されて………一体なにがあったのか聞いたんです。」


「そしたらこの議事録を渡されたんです。」


「議事録?」その場にいた女性全員が怪訝そうな顔をする。


「教会本部の会議の議事録だそうです。そこに書いてある内容を読んだらいてもたってもいられなくなって………」と泣きそうな顔を見せるメルロに皆困惑した。


メルロがそんな顔をするのを見るのは皆はじめてだった。


「…………なにが書いてあったの?」とフレデリカはトーンを下げて声をかける。


そこへちょうどハンスも戻ってきて静かに様子を見守っていた。


「フランシスコ司祭の話では『蛇食女スネークイーターは男性の機能を物理的に奪う』って書いてました。」


「…えっ?」「…ええ……?」「…へっ?」「えっえっへっ?」女性陣は皆混乱した。


「要するにこれってチ●●のことですよねぇ!」と泣きそうな顔をしながら裏声でメルロは訴える。



「(んんんんんん?)……………それがどうして私が食べたという事に繋がるの?」ゆっくり慎重に話すフレデリカ。


「フランシスコ司祭がその結論を出す前に、有識者として呼ばれたガスという人が、チラシ隠されたメッセージを解読したそうです。」とうなだれながら話すメルロ


「このチラシはウチの街にある広告制作会社がつくったものですよね。」とメルロはチラシを床に置いた。



フレデリカの後ろでは3人がパントマイムで会話していた。


(え?、私?。確かにチラシは私のだ。)


(一体)(なんの)


((メッセージを隠したの?))


(いや…隠してない隠してない)



「ガスって人によると蛇食女スネークイーターから教会へのメッセージなんだそうです。」メルロは弱弱しく答える。



(一体)(なんの)


((メッセージを送ったの?))


(いや…送ってない送ってない)



メルロは悲しげに続ける「……メッセージはこうだと解説されてます…。」


「『『パン泥棒の大事なパンは食ってやった。』股間がしぼんでいるのがその証拠です。蛇食女スネークイーターが好物の蛇を食べるようにそうし』」


「食べてない!食べてない!食べてない!食べてない!」フレデリカは食い気味に否定した。


「…………えっ??」と見上げるメルロ


「食べてない!…………なんでそうなるの?……もう」あきれて上を見上げるフレデリカ。


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