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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
8章 教会
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「信仰を奪う」とは

「しかし、フランシスコ司祭がどうしたんだ?顔色が悪いように見えるぞ」と別の司祭が言った。


「本当だ。気になるな」と別の人も加わった。


すると、フランシスコ司祭が言った。「いや、大丈夫だ。ただ疲れているだけだよ」と強がるように答えた。


しかし、一人の司祭が疑問を投げかけた。「でも、何か心配事でもあるのか?」


フランシスコ司祭はしばらく考え込んでから、「いや、別に」と答えたが、どこか落ち着かない様子だった。


そしてフランシスコは「やはり自分一人で抱えるにはあまりに負担がおおきい。私はもしかしたら蛇食女スネークイーターがどのようにして信仰を奪うのか気付いてしまったかもしれない。」と話しました。


フランシスコの言葉に、皆が困惑していたところ、彼はチラシのイラストに注目していたことを明かしました。


そして、イラストに描かれているパン泥棒の股間にふくらみがないことを指摘し、「これが回答なのだ」と断言しました。


この発言に、皆が驚きを隠せませんでした。


何が言いたいのか全く分からないという人もいましたが、フランシスコは続けて「蛇食女スネークイーターは男性の機能を物理的に奪うのだろう」と話しました。


その言葉を聞いた司祭たちからは、戸惑いの声が上がりました。


「それはどういうことですか?」と問いかける者もいましたが、フランシスコは深く考え込んでいる様子で、口を開きませんでした。



ガスは、静かに考え込んでいました。


そして、フランシスコが言ったことに同意しながら、自分も同じように気づいてしまったことを告白しました。


「そうだな。私もフランシスコと同じように、あのチラシのイラストを見たときに、何かおかしいと思ったんだ。でも、それが具体的に何を意味するのかは、先ほどはわからなかった。でも、フランシスコの話を聞いて、ようやく気付いたよ」


そして、ガスは続けました。「私たちが信仰心を持っているもの、それは男性だけにあるものなんだ。女性にはないものを、物理的に奪うということは、まさに信仰を奪うことになるんだ」


「そうだな」と一人の司祭が頷きながら言いました。


「我々は女人禁制ではない教会も持っているが、基本は女人禁制の教会だ。そして、男性だけにある唯一絶対のものを、物理的に奪われたら、それこそが信仰を奪われることになるんだ!。」


皆が頷きながら、その重大な事実を受け止めました。


「皆さん、今更ながらパン泥棒の騒ぎで気付いたことがあります。パン泥棒は、泥棒の身でありながら街の人々に愛されていたことです。泥棒が愛されるというのは、普通はあり得ないことですが、私は知っています。泥棒でありながら愛される存在というのは義賊と呼ばれる存在であり、貧しい者たちの味方です。パン泥棒も貧しい人々のためにパンを盗んだことが理由で愛されていたのだと今になって気付きました。ですが、このイラストを見る限り、彼はすでに信仰を奪われているようです。くっ……命は助かっているようですが、うっ………これは許せない!!。彼のためにも、私はたとえ一人でも徹底抗戦を宣言したいと思っています!!。」と、ガスは皆に涙ながらに言い放ちました。


皆がガスの言葉に賛同する様子が伺えた。


「そうだな、貧しい人たちの為にパンを盗んだことは立派だけど、それが信仰心を奪われる原因になってしまったんだ。」


「私も同感だ。彼の為にも、徹底抗戦を宣言しよう!。」


「確かに、蛇食女スネークイーターには断固とした態度をとる必要がある!。」


「そうだな、彼の命は助かったけど、彼が今後どうなってしまうか分からない。私たちが行動しなければならない!。」


皆がガスの提案に賛同し、徹底抗戦を宣言することを決めた。

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