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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
8章 教会
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揺れる有識者会議

教会本部では、エレナのチラシの内容について様々な意見が出されていた。


ある司祭は「このような暴力的な事件を取り上げることは、教会の平和的な理念に反するのではないか」と懸念を表明していた。


しかし、別の司祭は「このような事件が起こっている現実を伝えることが、教会が直面しなければならない現実を直視することにつながる」と主張していた。


さらに、別の司祭は「このような事件を起こす人々に対しては、教会が慈悲深く接することが大切である。彼らには、私たちが神の愛に満ちた人生を送る方法を教えてあげる必要がある」と述べていた。



教会本部での会議中に、長期合宿に参加していたガスが顔を出しました。


ガスは過去に聖職者の職に就いていた経験があり、パン泥棒の事件現場にも居合わせたという話を司祭達が聞いていたため、有識者として会議に呼ばれていました。


「失礼します。私もその事件について何かお力になれることがあれば」とガスが言いました。


司祭たちはガスの言葉に驚き、一瞬言葉を失いました。


しかし、すぐに彼の協力を求めることに決定し、彼に事件の情報を提供しました。


ガスは事件の関連情報を熟読し、自分が目撃したことや聞いたことを思い出しながら、司祭たちと情報交換を行いました。


ガスの貴重な証言と情報提供によって、事件の真相がより明らかになることが期待されました。



ガスは静かに、しかし決意を込めて話しました。


「申し上げにくいのですが、大変な事態に陥っている事がわかってきました。教会の前に杭が打たれていた事には意味がありそうです。」


「被害者であるパン泥棒にヒントがあると思われます。チラシのイラストでは、パン泥棒の股間が膨らんでいない。」


「代わりに被害者の口に大きなデニッシュが突っ込まれている。これが意味するのは、次のターゲットに予告しているのだと思われます。」


「よ、予告とはいったい…………どのような…………」とある司祭は問いかけました。


ガスは頷き答えます。


「『パン泥棒の大事なパンは食ってやった。』股間がしぼんでいるのがその証拠です。蛇食女スネークイーターが好物の蛇を食べるようにそうしたのでしょう。」


「『大事なモノを奪われたさみしがりのパン泥棒には代わりに大きなデニッシュを食わせてやった。』これは説明するまでもないでしょう。」


「『次にこうなるのはお前たちの番だ!!』っというメッセージです。」



会議はガスの発言で一瞬沈黙が流れた後、ますます大騒ぎになっていった。


司祭のフランシスコは皆に鎮まるように語り、震えながらガスに問いかけた。


「つ、次のターゲットとは一体誰だというのですか?」


低くしかし鋭い目線でガスが言い放つ

「……わかりませんか?………教会そのものですよ。」


「「「「「「「「なんだってぇ-----!?」」」」」」」」


ガスの言葉に、会議室にいた全員が凍り付き驚愕した。


参加者たちはエレナのチラシが教会の敵を想定していたことを思い出し、混乱が広がっていた。


あるものは興奮して口走った「な、なぜ?。我々が一体なにをしたというのだ=3=3」


その中で、ガスだけは冷静な態度を崩さず、「何をしたかと言えば、してしまったのかもしれません。」


「それは自分がいたパン泥棒討伐事件の時ではないかと疑ってます。その時、教会は彼女の邪魔をしたからではないでしょうか。」と答えた。


すると、会議室にいた人々の中から、以下のような声が上がった。


「でも、その時の追手は地元の領主であって、蛇食女スネークイーターではないから、ガスさんの言うことは筋違いじゃないですか?」


「そうだよね。私もその意見に同意するよ。」


「でも、でも、パン泥棒事件で教会が邪魔をしたというのは事実じゃないか?」


「それに、このチラシには何かしらのメッセージが込められていると思うんだ。」


皆が意見を出し合う中、混乱が広がっていく様子が伺えた。



ガスは静かに、しかし自信を持って話を続けました。


「確かに、地元の領主がその事件に関与していたという情報があることは聞いていました。しかし、それは間違いもしくはブラフかも知れません。なぜなら、領主様本人がその事件にかかわっていないと否定されていたからです。私自身がその領主様に直接聞いた情報なので間違いはありません。」


べつの一人がガスの意見に同意しました。「あー。どうやら『間違いもしくはブラフかも知れない』という情報は確度が高いと思われます。その領主様と懇意にしている商会からも同じように否定されていたというお話を伺っております。」


ガスの言葉に会議室は静まり返り、その後、議論が再開されました。



その内の一人が笑いながら言いました。「まあまあ、冷静に考えましょうよ。もし蛇食女の邪魔をしたとしても、我々の何が奪われるっていうんですか?大事なものって何ですか?教会の宝物でもありますか?」



ガスは笑い飛ばそうとする人に向かって、「もうお気づきの方もいらっしゃるんじゃないのでしょうか。我々の大事なものとは『信仰』そのものです。」と答えました。



ガスは熱くなり、力強く言い放ちました。


「つまり!!。ここに隠されているメッセージとは!!、『お前たちの信仰を奪ってやる!』という蛇食女スネークイーターから教会に対する挑戦状なのです!!!』」


「「「「「「「「なんだってぇ-----!?」」」」」」」」 今日2回目である。


聴衆の中には、ガスの言葉に共感する人もいましたが、まだまだ納得できない人もいました。


すると、ガスは静かになると、一人ひとりの目を見つめながら話を続けました。


「私たちは、信仰によって結ばれているのです。それを脅かされることは、私たちにとって何よりも大切なことです。だからこそ、このメッセージを真剣に受け止め、蛇食女スネークイーターを倒すために行動しなければならないのです!」

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