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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
7章 激突
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ミスト(2)

話は戻り、その日の様子をフレデリカの視点で追っていこう。


朝、霧の中、フレデリカはメルロの姿を見かける。


いつも通り股間を膨らませて街へ向かう姿を見つけたフレデリカは無言で慎重にメルロの後を追いかける。


しかし、勘のいいメルロは何かに気づいたようで、捕まりそうになる直前にあたりを見回して逃げていく。


その後、メルロは街の人々と会話しながら、『蛇食女スネークイーター』について何かしらを話している様子をフレデリカは遠くから見ていた。


「………『蛇食女スネークイーター』は意外と気が短いんだよ。」とメルロが話す。


「最近、パン泥棒を成敗しようとしているらしいから、メルロは気を付けろ」と誰かが言った。


「まあ。その時はジャスパーの墓で祈りをささげるふりして避けるんだ。大丈夫さ」とメルロが答えた。


フレデリカはそっと耳を澄ませながら、メルロの後を追い続けた。

 メルロ 罪+4



霧が晴れない中、顔は見えないがメルロのシルエットが確認できた。


メルロは街で出会った子供たちに対して


「聞いたか、あの『蛇食女スネークイーター』っていう女がいるだろう。なんでも、最近パン泥棒を成敗するために街中を闊歩しているとか言われているんだぜ。」


「あの女は蛇を操っているんだ。大きな蛇を一匹連れていて、街を探しているんだとさ。」


「ほんとうはあの蛇が本当の力を発揮した時、この街は滅びるんだよ。だから、会ったらすぐに逃げた方がいいぜ」と、虚言を吹き込んでいた。


子供たちは怖がったふりをしてメルロとの会話を楽しんでいた。


フレデリカはその光景を遠くから見ていた。


彼女は怒りを堪えながら、その場にいる子供たちを見守っていた。


彼女は何かを口にすることなく、ただメルロの言葉を耳にしながら、腹の底で怒りを募らせていった。

 メルロ 罪+5



メルロは子供たちを見送ってから、ジェームズ牧師と出会った。


ジェームズは「聞いたところによると、『蛇食女スネークイーター』とあなたが近々決着をつけるという噂が流れているそうですね」と言った。


メルロは自信満々に答えた。「そう?。自分は楽勝さ。」と言い、胸を張った。


ジェームズは「でも何にせよ、仲直りするように。」と進言し、二人でお菓子を食べるようにと渡された。


フレデリカは二人のやりとりのシルエットを見て、そして会話を聞いていた。


ジェームズと別れた後、メルロはお菓子を手に持ちながら「これをどうしようかな」とつぶやいた。


すると、近くを通りかかった街の人が「それ、おいしいんだよな」と言った。


メルロは「まあいいや」と言ってお菓子を開け、一口食べた。


その後、メルロはお菓子を全部食べてしまい、証拠を隠滅した。


その様子をフレデリカは見ていたが、何も言わずに黙っていた。

 メルロ 罪+6



メルロがお菓子を全部食べた後、何かに気づいたような表情を浮かべ、急いでその場から立ち去っていった。


フレデリカは気づかれずに先回りし、噴水のある広場に向かった。


急いで向かう先で街のパン屋の店主とぶつかってしまった。


パン屋の店主は軒先に品物を並べようとしてフレデリカにぶつかってしまい大きなデニッシュを落としてしまった。


「ご、ごめんなさい!!」フレデリカはデニッシュを拾ってもったまま先へと急いだ。


広場に着くと、そこには誰もいなかった。


霧が濃く、視界がきかない中、フレデリカはメルロの居場所を探していた。


しかし、足元の悪さに気を取られていた矢先、滑ってしまい、噴水の水たまりに落ちてしまった。


「うわっ……」


冷たい水が全身に染み渡り、フレデリカは動けなくなってしまった。


一瞬の油断で、自分がどうしているかもわからなくなってしまった。


水たまりの中で浮かんでいると、彼女は落ち着きを取り戻した。


「私は一体何をしているんだろう……」


フレデリカは自問自答し、考え込んでいた。


自分がどこに向かっているのか、何を目的にしているのか、何を信じているのか。


考えているうちに、フレデリカは少しずつ冷静さを取り戻していった。

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