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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
4章 駆け抜ける泥棒
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楽園

【ジェームズ】(アンナ、クララ、エレナに向かって土下座する)

申し訳ありません!申し訳ありません!本当に申し訳ありません!


【アンナ】(ジェームズの様子に驚愕し、戸惑っている)

牧師さん!?何があったの?一体何を謝っているの?


【クララ】(アンナの言葉に同意しながら、ジェームズを心配そうに見つめる)

そうよ、何があったの?大丈夫?


【エレナ】(ジェームズを見ながら、冷静に問いかける)

何か傷つけるようなことをしたの?


【ジョン】(近くにいたジョンがジェームズを見つめながら、疑問を口にする)

ジェームズ、何があったんだ?


【マイク】(ジョンの言葉に続き、心配そうにジェームズを見つめる)

そうだよ、何があったんだ?


【ヨハン】(他のメンバーと同様に、ジェームズを見つめる)

何か助けになれることがあるなら言ってくれ。


【クラウス】(静かに見守りながら、心配そうにジェームズを見つめる)



ジェームズはアンナ達に対して、「メルロさんがあのような行動をとったのはきっと自分のせいだと思っている。詳しくは言えないが、申し訳なく思っている。本当に申し訳ありません。」と言い、土下座したまま懺悔を続けた。


アンナ達とジョン達はジェームズの突然の態度に驚き、何が起こったのか理解できずにいた。

ジェームズの言葉に深い意味があることを感じ、彼が何かを隠していることに気づいた。


その時、メルロが逃げ出したとの知らせが伝わる。

観戦者たちは再び沸き立った。

メルロが一度捕まったと思われたが、隙を見て包囲網を脱出したようだ。

彼は全速力で街の中央に向かって走っており、人々は驚愕しながら彼を追いかける。

フレデリカや彼の協力者たちも追っているが、メルロはそのまま逃げ切ることができるだろうか。


アンナはジェームズの手を取り、彼の肩を優しく抱き寄せながら、彼を励ます。


「大丈夫よ、牧師さん。あなたには何か理由があるんでしょう。私たちはあなたを信じています」と彼女は言います。


ジョンも彼女に同調しました。「そうだよ、ジェームズ。私たちはあなたを信じてる。どうしても話せないなら、話さなくてもいい。でも、あなたが今してくれたことはとても勇気あることだよ」とジョンは言います。



アンナはジェームズを連れて、メルロが近づいてくる路上に立った。


アンナはジェームズの手を取り、そっと肩を抱いた。「きっと大丈夫よ、あんなにいい笑顔をしているんだもの」と優しく囁いた。


※2

ジェームズは天使のような輝きを放つメルロを見つめ、その美しさに目を奪われた。

彼の顔には笑顔が浮かんでおり勝利を確信し、自信に満ち溢れていた。そして、周囲の人々も祝福の笑顔を見せ、彼は穏やかな気持ちでいた。

その姿を見たジェームズは、「おお、神よ!!」と口走った。


彼は自分が見たものに驚嘆し、神々しいものに接しているような錯覚を覚えた。

教会を訪れたものは皆悩みを抱え苦悩している表情しか記憶になかった。

しかし、この笑顔達はどうだ。

今この瞬間、この場所がこの地に生まれた楽園なのではないか。


道の両脇に並んでメルロとハイタッチをしていく人々の姿を見て、ジョン達、アンナ達、ジェームズも笑顔になりながら両脇の行列に続いてメルロとハイタッチをし、駆け抜けていくメルロの後を追いかけていく。道をあけていく人々もそれを見て大きな笑顔を浮かべていた。


しかし、フレデリカ達はそれを見ても笑ってられなかった。

彼女達はメルロが向かう先が女人禁制の教会であることを知っていたため、急いで追いかけていた。


フレデリカ達は道をかき分けながら必死に追いかけていたが、すでに遅れをとっていた。


メルロは教会の敷地内に駈け込み、追いかけるフレデリカ達は入り口で門番をしている教徒達に止められました。


「すみません、あの男を追っています!彼を捕まえなければなりません!」とフレデリカが訴えると、門番は厳しく言いました。

「教会の敷地内は女人禁制です。入ることはできません。」

「教会内での暴力行為は禁止されています。もし彼を捕まえたいなら、正式な手続きを踏んでから行ってください。」


その時、教会内からメルロが両こぶしを突き上げ、満面の笑顔で天を仰いで勝利の喜びを全身で表し飛び跳ねていました。

その姿にフレデリカは悔しさに震え、天に向かって叫びました。


「誰か、あのパン泥棒をつかまえてぇ!こんなことで逃がすわけにはいかないんだから!」

※2 ここから先のBGMは The Final Bell (ROCKY2) イメージしてます。

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