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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
4章 駆け抜ける泥棒
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祭りの理由

ジェームズが店の外に目線を送ると、遠くの方でフレデリカが何かを叫んでいる様子が見えました。

ジョンたちの話を聞きながら、その方を見ると、メルロが走っているのが見えました。

フレデリカはメルロに向かって「ズボンのポケットにパンをしまうのはよしなさい!」と叫んでいました。


周りの人々は、それぞれ彼らを応援してました。ジョンたちも、興味津々な表情をしていました。


店の前の路上にも徐々に人がでてきて二人の行方を見守ってました。



アンナ「まあ、メルロとフレデリカの追いかけっこは街の人々の日常を沸かす出来事になってるよね。」


クララ「そうそう、今日はほかの協力者も居て、大規模な捕り物になってるんだよ。今日は絶対に街から逃がさないって言ってた。」


エレナ「みんなお祭りすきだよねぇ。でも、なんかさぁ。あの二人の関係、どこかでみたような気がするんだけど。」


ジョン「ああ、そういえば。確かに。」


マイク「あ!。ボニーとコキーユの関係と同等である事に気づいたわ。」


ヨハン「まあ、そう言われるとなんとなくそうだな。」



メルロがフレデリカの協力者たちに囲まれて追い込まれている様子が、遠くから見ることができました。

周りの観戦者たちは熱狂的に応援し、歓声とともにメルロを包み込んでいました。


メルロは必死で逃げようとしましたが、周りにはすでに協力者たちが待ち構えていました。

メルロは足をすくわれて転び、協力者たちに取り囲まれてしまいました。


その様子に観戦者たちは大いに沸き立ち、中には「パン泥棒」とのからかいや罵声を浴びせる者もいました。


メルロは必死で抵抗しましたが、協力者たちの数が多すぎてかなわず、ついに捕まってしまいました。


その後、街の人々はメルロとフレデリカの追いかけっこが終わったことに安堵するもの、残念だと溜息を漏らすもの様々な反応がきこえてきました。


街中が盛り上がる中、ジョン、マイク、ヨハン、クラウスはその様子を見ながら、疑問を口にしました。「でも、なぜ股間を膨らませたままで街中を駆け回っているのか」と。


アンナ、クララ、エレナはそれに答えるかのように会話を続けます。


アンナ:メルロは記憶喪失で、手掛かりを探すために朝しか時間がないのね。昼間は仕事があるから。


クララ:そうみたいね。股間の膨らみも自分の一部だと思ってるから、収まるのを待てないんだって。


エレナ:でも、フレデリカに怒られてるのも理解してるってことね。なんか複雑だわ。


アンナ:そうだね。でも、なんか街で出会った偉い人に、立ちはだかる障害に負けないようにってアドバイスをもらったんだって。


クララ:それって誰だろうね。気になるなぁ。


エレナ:フレデリカは障害であると同時に恩人でもあるから、傷つけるわけにもいかないってことか。それで逃げてるんだろうね。

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