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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
3章 頼もしい女主人
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蘇る野生

フレデリカは、かつてハンスの山小屋に行ったことがあると言い出しました。その時の思い出を話し始めました。


「あの時は本当に素晴らしい経験でしたわ。ハンスと一緒に山の中を歩いて、自然の中で過ごすことができたのですから。ハンスはとても優しい人で、私たちは本当に楽しい時間を過ごしました。あの時のことは今でも鮮明に覚えていますわ」


アンナ、クララ、エレナ、そしてマーガレットは興味津々で聞き入っていました。フレデリカが語る山小屋での思い出に、彼女たちは夢中になっていたのです。



「私が初めて山籠もりに同行したのは、ハンスが狩りに行くためだったんです。私は当時、狩猟に興味があったので、彼について行くことにしました。でも、実際に獲物を見てしまったら、私は衝撃を受けましたね」とフレデリカは微笑んで続けた。


「でも、ハンスは私に狩りの楽しさを教えてくれました。獲物を追いかける過程や、狙いを定める瞬間、そして獲物を倒す瞬間にかけての集中力というものを教えてくれたんです。それ以来、私は狩りが好きになり、ハンスに感謝しています」とフレデリカは語り終えた。


アンナは「フレデリカ様が狩りをしていたとは思わなかったですね。」と驚きの表情を浮かべた。


クララは「私も狩りに興味がありますが、実際に獲物を見てしまったら、きっと私もフレデリカ様と同じような気持ちになってしまいそうです。」と話した。


エレナは「ハンス様は本当に多才ですね。狩りも上手で、料理もおいしい。私も何か一つでも役に立つことができるようになりたいです。」と語った。


マーガレットは「フレデリカ様が狩りが好きだなんて、新しい一面を知ることができました。」と微笑んで話した。



ある日、3人のメイドたちが、洗濯物を干している最中に、エレナは突然大きな蛇が現れたと叫び声をあげながら、屋敷に駆け込んできました。


アンナ「どうしたの、急に走ってきたわね」


クララ「お化けでも見たのかしら?」


エレナ「いや、屋敷の外に大きな蛇がいたのよ!」


アンナ「大きな蛇!?」


クララ「どうするの?」


エレナ「ハンス様に言って退治してもらわなくちゃ!」


そんな中、フレデリカが現れました。


フレデリカ「どうしたの、騒がしいわね」


アンナ「大蛇が出たのよ!」


フレデリカ「おお、おいしそうな蛇ね」


クララ「何言ってるのよ、フレデリカ様!?」


エレナ「あんな蛇、食べるなんて怖いわ!」


フレデリカは、周りが驚愕する中、自分の言い間違いだと誤魔化すように笑いました。


フレデリカ「冗談よ、冗談。私は食べないわよ」



しかし、蛇から目を逸らさないフレデリカをいぶかしむ3人のメイド


「あの、フレデリカ様…。あの蛇、おいしそうとか言わないでくださいよね…」と、クララがフレデリカを心配そうに見つめながら言いました。


「ええ、あの大蛇、危ないですよ!でも、フレデリカ様は平気そうに見ているし、まさか…」と、エレナもクララと同じように不安そうな表情を浮かべながら言いました。


「そうですよね、私たちが怖がっているのに、フレデリカ様はどこか得意げに見ているし…」と、アンナも心配そうに言いました。


フレデリカは三人のメイドの心配そうな表情を見て、自分がおかしいと気づきました。「あ、そうですね、すみません。でも、私は蛇を食べたことがあるので、おいしそうと思ってしまいました。でも、もちろん今はそんなことはしませんよ」と、フレデリカは誤魔化すように言いました。


「あ、そうだったんですか…。でも、やっぱり大蛇は怖いですよね」と、エレナが言いました。


「そうですよね、私たちも大蛇には怖さを感じます。フレデリカ様はすごいですね」と、クララもエレナに同意しながら言いました。


「あの、フレデリカ様、蛇を食べるって、どういう味なんですか?」と、アンナがフレデリカに尋ねました。


フレデリカはアンナの質問に答えるため、蛇の食べ方や味わいについて詳しく話し始めました。3人のメイドは、恐怖心を抱きつつも、フレデリカの話に興味津々で聞き入っていきました。



フレデリカは、「でも、蛇って意外とおいしいのよ。ハンスと私が狩りに行った時、山で迷子になったんだけど、その時に蛇を食べたことがあるわ。ハンスが調理してくれたのよ。皮をむいて、背骨を抜いて、煮て、それからフライパンで焼いて。ほら、こんなに美味しそうでしょう?」と言いながら、蛇を手に取ってみせました。


その様子に、3人のメイドは唖然としていました。

さもなんでもないかのように蛇を手に取ってみせて離そうとしないフレデリカ。

フレデリカが食べた蛇の姿を思い浮かべ、恐怖と不快感が込み上げてきました。しかし、フレデリカは自分の話を楽しそうに続けていました。「あのときは、本当にお腹が空いていたから、蛇を食べることにしたの。でも、意外にも美味しかったわ。皆さんも、機会があれば、蛇を食べてみてはいかが?」と、ニッコリと笑いました。


3人のメイドは、フレデリカの話に驚きと恐怖を感じながらも、彼女が言うとおりにしてみることにしました。しかし、彼女たちは、蛇を食べることができるだろうかと不安になっていました。


話を聞いていた3人のメイドたちは、驚きの表情でフレデリカを見つめていた。その後、エレナが言葉を切り出した。


「でも、フレデリカ様、蛇って毒があるじゃないですか。食べるのは危険じゃないですか?」


フレデリカはにっこりと微笑みながら、答えた。


「そうですね、確かに毒を持っている種類もありますが、私が食べたのは無害な種類の蛇でした。それに、山で迷ったときは食べ物も水もなく、死ぬか生きるかの瀬戸際でした。そのとき、ハンスが蛇を捕まえてくれて、私たちは命をつなぐためにそれを食べたのです」


アンナたちは、フレデリカの話を聞いているうちに、徐々に驚きから感心へと変わっていった。フレデリカは、本当に驚くべき女性だと彼女たちは感じたのだった。



そこへハンス以外の男性従業員、ジョセフ、メルロ、ピーターがやってくる。


アンナ:「すみません、皆さん、蛇を食べたことがある方はいますか?」


ジョセフ:「俺はないな。」


ピーター:「俺もないですね。」


メルロ:「蛇って何か分かりません。」


クララ:「でも、フレデリカさんはハンスさんと一緒に食べたことがあるって言ってましたよ。」


男性従業員達:「えっ!?」「マジで!?」


エレナ:「はい、フレデリカさんが言っていました。」


アンナ:「でも、蛇って食べられるものなんですか?」


ピーター:「いや、それってちょっと…。」


メルロ:「そうですよね、普通は食べないですよね。」


ジョセフ:「俺も蛇を食べるとか考えられないな。」


フレデリカ:「…(押し黙る)」


クララ:「あ、でも、私たちが食べたことのあるお魚やお肉も、蛇と同じように生き物だってことですよね。」(焦り)


男性従業員達:「違うだろう!」「生き物といってもそこまでだろう。」


エレナ:「あ、あの、それぞれの文化や国によって、食べるものが違うっていうこともありますよね。」(焦り)


男性従業員達:「それはそうだけど…」「でも蛇って…。」


フレデリカ:「す、すみません…。私が言ってしまったことで、みんな不快な気持ちにさせてしまって…。」(震え)


アンナ:「いえいえ、フレデリカ様に非はありません。ただ、私たちにとってはちょっと驚きの事実でしたから、戸惑ってしまっただけです。」(焦り)


クララ:「はい、私たちもただ興味本位で聞いてしまっただけでした。ごめんなさい。」


エレナ:「私も、失礼しました。」


男性従業員達:「…(まだ納得できない様子)」

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