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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
21章 エミリア襲来
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セレナからのお説教

エミリアは街を散歩していた。


風が心地良く吹き抜ける中、彼女はのんびりと歩を進めていた。


街角では人々がにぎやかに交流し、笑顔があふれていた。


エミリアもその雰囲気に包まれながら、周囲を観察していた。


「あ、あのカフェにでも立ち寄ってみようかしら?」


エミリアはふと思い立ち、近くにあるカフェに足を向けた。


店内に入ると、温かな雰囲気とおいしい香りが漂っていた。


テーブルに座り、メニューを眺めながらエミリアは微笑んだ。


「何を頼もうかな。甘いものが食べたくなっちゃったわ。」


しばらく考えた後、エミリアはウェイトレスに注文を伝えた。


「すみません、チョコレートケーキとカフェラテをお願いします。」


ウェイトレスは笑顔で頷き、注文を受け付けた。


しばらくして、美しいチョコレートケーキと香ばしいカフェラテが運ばれてきた。


エミリアは幸せそうにケーキの一口を頬張り、満足そうに目を細めた。


「美味しいわ~。この街のカフェはいつも素敵なお菓子を提供してくれるわね。」


エミリアはのんびりと時間を過ごしながら、街の景色を楽しんだ。


彼女にとっては、穏やかで幸せなひとときだった。


エミリアがケーキを楽しんでいる最中、突然左耳のイヤホンからミッシェルからの連絡が入った。


エミリアは驚いてイヤホンから聞こえるミッシェルの声に耳を傾けた。


「エミリア、聞こえてるかい?」


「ミッシェル?どうしたの?」


エミリアは少し緊張した様子で尋ねた。


「急な連絡でごめんね。実は、リーダーからお説教が入りました。『いつまで遊んでるの?、早く戻ってらっしゃい!。』ってさ」


エミリアはミッシェルの言葉に驚きながらも、微笑みを浮かべた。


「そうなの?セレナがそんなことを言ったのね。えー。でも、週に一度はチャンと『宇宙海賊の雇われ船長』やってるよ?。なにが不満なの?。」


ミッシェルは苦笑しながら答えた。


「それはわかってるけど、セレナはもっと真剣に仕事に取り組むようにと言っているんだよ。最近、エミリアの関心が他のことに向いているのを感じてるみたいだし、…まだあのターゲットの処に入り浸っているのかな?。」


エミリアは少し考え込みながら、口元を抑えて笑った。


「そっちは単なるリフレッシュだから、ちゃんと週一で会いに行くだけにしてますぅ。まあまあ、セレナも心配性だからね。私は怪盗:猫尻団キャッツ・バットであることに変わりはないし、片手間の『宇宙海賊の雇われ船長』だってちゃんと任務も果たしているわ。でもね、新たな冒険や興味深い場所を探索するのも大事なんだから、セレナにもそれを理解してほしいわ。」


ミッシェルはエミリアの言葉に納得しながら、少しため息をついた。


「わかってるよ、エミリア。でもセレナはエミリアのことを心配しているんだから、少しでも心配を取り除いてあげたほうがいいよ。」


「…ほんとに心配してるのかな。本当に本当に心配してるんだったらさ、『雇われ船長』の制服、あれ何とかならない?。宇宙海賊なんだから無重力の中でひらひらのミニスカートってありえないわー。あれって、絶対男性客ねらってるよね。」


ミッシェルはエミリアの提案に笑いながら答えた。


「確かに、あの制服はちょっと問題ありますね(笑)。謎のA●監督:「すぎやまきょういち」センセーでもあるセレナの新たな挑戦なんだと思うよ。この辺の発想力はやっぱり君たち一族の血筋が成せる技なのかも知れないね?。」


エミリアはミッシェルとの会話を楽しみながら、冗談めかして答えた。


「なによー。ウチの一族になにか問題でもあるような言い方じゃない?。」


「wあれ?、問題がないとでも言うのかな?。でも、世間から見るとやっぱり君たち一族はちょっと変なんだよ。」


ミッシェルはエミリアの返事に笑いながら答えた。


「なにおー!?。」


「自覚がないのかなw?。ホラ、君のお父上から教わったって言う『日本(ジャポニカ)の童謡』だってちょっとおかしいもの。」


「そんな事ありませんー。」


エミリアは子供の様に反論した。


「そうw?。じゃあ、いくよ?。『もーもたろさん、桃太郎さん。』♪。」


「あーハイハイ♪。『今年(こっとし)もトゥギャザー♪、日々談合(ヒビダンゴウ)♪』」


「ほらーw、もうオカシイよw?」


ミッシェルの指摘にエミリアは反論する。


「えー?、そんな事ないよ。こっちの方が正しいもん。」


「…何を根拠にそんな自信があるんだろうね。いい?、日本(ジャポニカ)の童謡だよ?。子供にトゥギャザーってわかんないって。日々談合(ヒビダンゴウ)だってオトナの事情だよね?。オリ●ピックでも近いのかな?。」


ミッシェルの丁寧な指摘に対してエミリアは棘のある言い方で反論した。


「そんな事ありませんー。ワタシは騙されませんー。第一『桃太郎さん』ってなに?=3。『桃』ってw、『桃尻』の事w?、やっぱりミッシェルってドスケベよね、いやらしい、ワタシをひっかけようとしたってそうは行きませんからねーw。」


「……じゃ、なんだっていうの?」


意外な処に噛みつく事にミッシェルは、エミリアが持っている答えが気になった。


「正しくは『ホモ太郎さん』ですぅ?。ワタシ騙されませんー。」


「初っ端から親に騙されてんぞ!!」


ミッシェルは叫んだ。


「えッ…いや…そんな事ないもん。歌詞をド忘れしてセレナに歌って聞かせた時だってセレナは『合ってる』って言ってくれたしぃ!。セレナは感動に震えていたわ!。」


「それ絶対、騙されてるから!!。笑いを堪えて震えてたんだよ!きっと!。」


「そ、……そんなこと……ないもん……。」


ミッシェルの指摘にエミリアは弱々しく返答する。


「……ちなみに続きは?」


「!…『セクシ●ル~♪バイオレン~♪』」


「ゼンッゼンッ違うわ!?、もう童謡じゃねーし!?。」


エミリアは口を尖らせて反論する。


「……でも、セレナは大喜びしてくれたよ!?。」


「そりゃもう大笑いしただろうよ!。かわいい姪のアホな姿に笑いが止まらなかっただろうよ!。その大学教授の言う事をホイホイ信じるのを辞めよう?。君たち一族はそういうとこだぞ?。」


エミリアはミッシェルの指摘に顔を赤く染めて言い返した。


「わかった、わかりました!。もう=3、そんなに怒んなくたっていいでしょ!。でも、どうしよう。ソフィアにも同じ歌詞を教えてるのよねー。」


ミッシェルは少し困ったような笑顔を浮かべながら、エミリアに対して言葉を続けた。


「まあ、君たち姉妹の関係は特別だからね。笑いと楽しさがあるだけでも幸せなことだよ。ただ、セレナが心配しているのも事実だから、少しでも心配を解消してあげるといいよ。」


エミリアは考え込んだ後、少し真剣な表情で答えた。


「そうね、セレナの気持ちも大切だし、少しは真剣に受け止めてあげる必要があるわね。セレナが私に求めているもの、それを考えてみるわ。」


ミッシェルはエミリアの言葉に満足そうな表情を浮かべ、応援するように言った。


「そうさ、エミリア。セレナもきっと喜ぶよ。君ならきっと素敵な答えを見つけられるさ。」


エミリアは少し勇気づけられたような表情で頷いた。


「ありがとう、ミッシェル。私、セレナが心配していることにしっかりと向き合ってみるわ。」


二人は笑顔で会話を続けた。

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