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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
21章 エミリア襲来
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障害物競走

※1 運動会でよく使われるBGM の中から好きな曲を選んで聞きながら読み進めますとメルロと給仕の気分が味わえるかも知れません。


  https://www.youtube.com/watch?v=7dNr-JDbNwI

そして同時にスタートの姿勢を取った瞬間、店の中から皿が割れる音が鳴り響いた。


ガッチャーン!!


※1


それを合図にメルロと給仕は駆け出した。


駆け出した先の道は、二人にとって決してやさしくはない。


道を横切る人達が、二人にとっては次々現れる障害物となった。


現れる人々は様々だった。


左右に横切る人の間をタイミングよくすり抜ける。


建設用の木材を運ぶ人が目の前を横切る。タイミングよく横になっている木材の下をスライディングですり抜ける。


スライディングの勢いを殺さず立ち上がり再び駆け出す。


荷馬車が横切った場合は馬車の所々に足をかけて荷台に駆け上り、反対側の荷台の端から飛び降りる。


その後も建設用の木材を持った人達が、左右から横切ろうする。その手前をダッキングの連続で次々躱す。


腰を落としたお年寄りの群れはハードルを飛び越えるように次々躱し、時には飛び込み前転で躱して行った。


「うおおおおお!!?、流石『パン泥棒』!、ここへ来てレベルを上げたな?」


「スッゲェ!?、すげぇ!?、アイツすげぇよ!?」


ヨハンとマイクはメルロの運動神経に驚きと賞賛の声を上げた。


そして給仕もまた、同じルートを辿ってメルロを追いかけていた。


そしてスカートがめくれて提灯パンツが見えるのも構わず、給仕はお年寄りの群れをシライ3で次々躱して行った。


※2


ヨハン・マイク・メルロ「「「えええ?、何?あれ!?、チョーカッコいい!?」」」


「クッ!」


向こうの方が技術も体力も上だと確信したメルロは、次の角を直角に曲がって貧民街の入り組んだ路地に逃げ込もうと考えた。


しかし、反対側の壁を蹴って曲がろうとした瞬間を狙われた。


「ぐふぅ…………!!!」


腰のあたりにタックルを食らい、砂埃を上げて二人仲良く転がった。


そして近くにあった青果店の柱にメルロは額をぶつけて止まった。


「……っ痛ウウウウウウ!。」


メルロは片手を額当てて痛みに悶えた。


気が付くと給仕はメルロの後ろに回っていた。


そしてメルロの片手を後ろ手に回し、関節を極めていた。


両足はメルロの両足に絡んでいた。


仲良く地面に横たわりながら、給仕は笑顔でメルロに話しかけた。


「お久しぶりね!、貴方に会うなんて、偶然ね!?」


「!……意図的でしょ!!?」


メルロは堪らず反論する。


「いやあ、もう…、あれから何年たったのかしら?。」


「……一週間しか経ってませんよね!!?」


「すこしはワタシもオトナになったでしょ!?」


「……うるせぇくそババァ。」


メルロは悔しさのあまりに思いつく限りの悪態を付いた。


「………………」


「………………」


「オトナになったでしょう~♪」


給仕は笑顔のままナニカの歌に合わせて極めていた関節をゴリゴリ鳴らした。


「ギャアァァァァァ!?、ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!そのフレーズもやめて!?」

※2 シライ3 ってこんな感じです。


   https://www.youtube.com/watch?v=YJ2pDZVYZ1Q

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