逃げるしか方法がない
メルロは一人でいる間に、給仕との出会いを思い出し、彼女の特徴について考えていた。
「顔立ちはいい、スタイルもいいけど、全く心が躍らない。むしろ、恐怖と嫌悪が先に来る。なんなんだあの女は。」
彼は給仕の不気味な雰囲気に戸惑いを覚えながらも、思い出した。
「顔立ちと言えば、誰かの面影があるような……誰だろう?」
そして、思いついた人物の名前を呟きました。
「あ、ソフィアさんだ。給仕の雰囲気が、ソフィアさんと似ているような気がする。」
メルロはソフィアさんの存在を思い出した。
「……もし、ソフィアさんが『共にオトナの時間を過ごしたい。』って言ってくれたらこんなに嬉しい事はないのに……。くそ、無理やり外れくじを押し付けられているようにしか思えない。…神様のバカ!」
そう言ってメルロは隠し持っていた酒を浴びるように飲んで寝た。
そしてメルロは夢の中で『メルロの姿をした誰か』と再会し、今回の事を報告した。
◇
「……という事なんだ。どうにかしてよナニカえもん!!。」
メルロは『メルロの姿をした誰か』に縋りついた。
「……ひとを身長と胸囲の長さが一緒の機械仕掛けの青だぬきと一緒にしないでくれるかな?。」
ドラ●もんと一緒にされた『メルロの姿をした誰か』は少し期限が悪そうだった。
「お望みなら『機械仕掛けのオレ●ジ』でも『YES!ユアマジ●スティ』でもなんとでも呼ぶから何とかしてよーー。ナニカえもん!!。」
メルロはおおげさに泣きわめいた。
「……よくそのタイトル名がでて、そこに繋げてくるよね。…最近じゃ見かけることだって少ないのに。」
『メルロの姿をした誰か』は少しだけ関心した。
そしてすこし考えてからメルロに話しかけた。
「……悪い事は言わない。出会ってしまったら全力で逃げなさい。」
『メルロの姿をした誰か』はそう助言した。
「え、全力で逃げたら逃げ切れる?」
『メルロの姿をした誰か』は首を横に振りながら答える。
「……結局捕まるかも。」
「それじゃ意味ないじゃない?。他に方法はないの~!?。ナニカえもん!!?」
「……君が自分の体の記憶をフル活用できるなら、決して負ける事は無いんだけどね。今は無理だよ、諦めて逃げ切れるかどうかに掛けなさい。」
「そんな~~。」
メルロは頼みの綱と考えていた『ナニカえもん』でもいいアイデアが出せない事に絶望を感じていた。
「……フェイントを掛けつつ逃げる方法を1つ教えてあげるから、今日はそれで勘弁してね。」
こうしてメルロは夢の中で『メルロの姿をした誰か』にクラウチングスタートの方法を教えてもらった。
◇
そしてまた、一週間が経過した。
メルロは仮面居酒屋に向かう途中でヨハンとマイクに出会った。
「おい、メルロ!無事だったのか!?。」
「皆心配してたよ!。」
ヨハンとマイクが元気よく声をかけた。