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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
21章 エミリア襲来
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再び帰還した被害者

翌朝、メルロが帰ってきて部屋に戻っていく様子をエレナが見かけた。


エレナは起きてきたアンナやフレデリカ達にすぐその事を報告した。


エレナ達はメルロの処に向かい、まるで数日帰ってこなかったトウサン(猫)の時のようにメルロの帰還を喜び、彼の無事を確認することができたことに安堵した。


しかし、メルロ自身は闇の中での出来事について記憶がないとの事だった。


先週と同じようにどこか上の空の様子だった。


フレデリカはメルロの話を聞きながら、事件の真相を解明するための方針を考えました。


「メルロ、解放された時の事は憶えてるの?」


メルロは頭を抱えながら思い出した。


「次に気づいたら部屋にいました…。ただ、どのようにたどり着いたのか、誰に会ったのかはわかりません…。部屋の扉を開いたら屋敷の前に居ました…。部屋から出た後で扉の方を振り返ると、扉はなくなっていました…。」


フレデリカはメルロの話を聞きながら深く考え込んだ。


「……暗闇に引きずり込まれた後、何も覚えていないというのも不思議ね。」


アンナも疑問を口にした。


「そうだ、メルロ、給仕の正体については何かわかったことはある?」


メルロは首をかしげながら答えた。


「申し訳ありません、私には何も分かりませんでした。気が付いた時はひとりでしたし……。」


エレナは冷静に状況を整理する。


「給仕はやっぱり猫尻団キャッツ・バットの一員なのかな?、でも、ハンスさんに聞いた話だと猫尻団キャッツ・バットって予告状と出すって話だったよね?。予告状って受け取ってないですよね?。」


フレデリカはエレナの指摘に頷きながら考えを巡らせた。


「確かに、猫尻団キャッツ・バットは予告状を出すことで知られています。しかし、前回も今回も予告状がなく、突然の出来事でした。給仕が猫尻団キャッツ・バットの一員である可能性は高いと思いますが、彼女らの行動パターンが変わっているようです。なぜ予告状を出さずに行動したのか、その理由が気になります。」


アンナは続けた。


「もしかしたら、給仕として現れたひとりが単独で行動しているのかもしれません。猫尻団キャッツ・バットの中でも特殊な役割を担っているのかもしれませんね。」


フレデリカは考え込んだ後、提案した。


「今日はもう襲ってこないだろうし。とにかくメルロはゆっくり休んで?」


「はい……。」


メルロは相変わらず気のない返事を返した。


フレデリカはメルロの状態を心配しながらも、彼にゆっくり休む時間を与えることにした。

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