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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
21章 エミリア襲来
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誘拐事件

マーガレットは目を見開いて話す。


「…誘拐!?」


ハンスはマーガレットに続いて3人に尋ねた。


「…一体誰に?」


「怪盗:猫尻団キャッツ・バットよ!!」


フレデリカは力強く答えた。


「……は?……なんで怪盗:猫尻団キャッツ・バットがメルロを誘拐するんだ?。と、いうか、なぜ怪盗:猫尻団キャッツ・バットだと分かったんだ?」


あまりの事でハンスも頭の回転がよくなかった。


ハンスの質問にフレデリカは興奮冷めやらぬ様子で答えた。


「だって!犯人が目の前にいたんだもの!それで私はよく知らないけど、ソフィアが怪盗:猫尻団キャッツ・バットの顔を憶えていたのよ!。だから怪盗:猫尻団キャッツ・バットに間違いないわ!!。」


「…う、うん。ちょっと情報を整理しようか。3人でそのメルロが誘拐されたところを目撃したんだな?、一体どこで見かけたんだ?。」


ハンスはフレデリカを落ち着かせるようにゆっくり尋ねた。


「街の端にある評判のカフェよ!。」


フレデリカは間を置かずに答えた。


ハンスはその後も自分のペースをキープするようにゆっくり尋ねる。


「…ふむ。どうして誘拐だと?。」


「え?、ええと…それは…。」


意表を突かれたフレデリカが答えに詰まる。


代わりにソフィアが答えた。


「メルロさんは必死に何かから逃げてたんです。」


「そう!、なんか叫び声をあげて必死に逃げてたのよ!。」


ソフィアに続けて間髪入れずにフレデリカが話す。


ほんと落ち着けって!。ハンスはいちいち目の前で食い気味で話すフレデリカに対し、心の中でそう思いながら続けて尋ねた。


「で、相手は何人だったんだ?。3人か?。確か猫尻団キャッツ・バットは3人組だったな。」


「ひとりだったわ!」


フレデリカは相変わらず間髪入れずに答えた。


「ひとり!?…どうやってメルロを攫ったんだ?」


ハンスは続けて尋ねた。


複数人だったら攫われたのは何となくわかる。


しかし、ひとりとなると話は別だったし、忘れてはいけない、メルロはフットワークの軽さに定評がある『パン泥棒』だ。


目の前にいる怪物:蛇食女スネークイーターでもない限りそうそう捕まるはずがない。ハンスはそう考えていた。


「あっ…えーと…それが、その…。」


急に答えに困りだすフレデリカに続き、ソフィアも答えに困っている様子だった。


「…なんと説明したらよいでしょうか。」


代わりにリリアンが答えた。


「メルロさんは犯人に捕まったとたん、犯人と共に煙のように消えてしまいました。」


ソフィアとフレデリカはリリアンの答えに同調した。


「そう!それです!」


「そう!、まさに煙のように消えてしまったのよ!ハンス!どうしよう!?。」


ハンスは口を半開きにして尋ねた。


「…3人とも、酔ってないよな?。」


「「「!!…酔ってません!!」」」


「……う~~~~ん。」


ハンスは片手で頭を抱えてうなった。


その様子をみてフレデリカはハンスに尋ねた。


「え?、なに!?、疑ってるの!?、今話した事は全部本当よ!!」


「いや、そうだったとして、しかるべき処に協力を要請するにしても、どう説明すれば理解してもらえるかわからんのよ?。『煙のように消えてしまった』となると、どこを捜索すればいいのか誰にもわからないよ。そうだろ!?」


ハンスは難しい顔でフレデリカに説明した。


フレデリカはハンスの言葉を理解しつつもその場にいる皆に尋ねた。


「あ…う…ん…結局…、どうしよう?。」


「「「「う~~~~ん………」」」」


マーガレットが提案した。


「本当に誘拐だったかどうか、今の話ではわかりませんよね?。1日待ってみましょうか?」


「えっ…いいのかな?。そんな悠長な事して…。」


ハンスは考え込んだ後、マーガレットの提案に同意した。


「確かに、今の話だけでは確証が得られないし、焦っても仕方がないかもしれないな。マーガレットの言う通り、1日待ってみよう。その間に何か手がかりが見つかるかもしれないし、メルロ自身が戻ってくるかもしれない。」


フレデリカやソフィア、リリアンは渋々同意し、ハンスの提案に従うことにした。


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