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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
20章 必殺!?仕置人
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翌朝の出来事

翌日、食堂では皆で朝食の準備が進められていた。


アンナ、クララ、エレナ、フレデリカの四人は暗い顔をしていた。


ジョセフやマーガレットは声をかけずに様子を見守っていた。


「…結局、アンナさんが最後でしたけど、どんな事をされたんですか?」クララはアンナに昨日の事を尋ねていた。


するとアンナは手を止め、青ざめてこう言った。


「それが、…わからないの。なにか、こう、いい匂い……とか、……『なま肉あったかい』的ななにかがあったように思えるのだけども…ウッ!…頭が…」


アンナは言葉を途中で切って頭を抱えました。周囲の人々が心配そうに彼女を見つめた。


エレナが心配そうに声をかけた。


「アンナ、大丈夫?どうしたの?」


アンナは苦しそうに言った。


「頭がクラクラしてきて…なにか思い出そうとしても、すぐに消えてしまうのよ。でも、あの匂いと温かさが頭に残っているの。なんだか胸が苦しい…」


フレデリカとクララの肩を優しく抱いた。


「落ち着いて、アンナ。無理をしないでいいの。少しずつ思い出せるかもしれないから、焦らずに時間をかけていこう。」


クララも優しく微笑みながら言った。


「そうよ、アンナ。私たちがいつもそばにいるから。一緒に乗り越えていきましょう。」


アンナは彼らの言葉に少しずつ落ち着きを取り戻し、頷いた。


「ありがとう、皆。私は頑張るよ。」


「あ、おはようございます!」


とメルロが元気よく朝の挨拶をして食堂に入ってきた。


ソフィアとリリアンはメルロに挨拶を返した。


リリアン「あ、おはようございます。」


ソフィア「おはようございます。今日は随分スッキリした爽やかなお顔をされてますね。すごくいいお顔をされてます。」


「あ、そうですか?、本当にそうだったら嬉しいです。今日はなんだか頭の中がスッキリしていていい気分なんです。ただ、昨日までなにかで悩んでいたはずなんですけど、なぜか今日はそれがなんだったのかサッパリ思い出せなくて、それだけがちょっとだけ心残りなんです。」


それを聞いたリリアンはこう返した。


「いいじゃないですか。嫌な気分になる位なら思い出さなくても。本当に今日はいいお顔をされてますよ。」


「そうです。リリアンの言う通りです。ステキですよ。」


ソフィアはリリアンに続けて微笑んだ。


「……そ、それはお義父とう様を喜ばせる為のミッションを遂行してもよろしいという事でありますでしょうか!!=3」


メルロはマクシムの「隙があればバンバン行け」という言葉を思い出してソフィアに尋ねた。


「う!?、そ、それは、ゴホンッ、メルロさんの努力次第で…、検討に値するかどうか判断させていただきます。」


ソフィアは相手をむやみに傷付けず、それらしい話をしてかわした。


「はッ!、粉骨砕身、努力させていただきます!」


まるで姫に忠誠を誓う騎士のようにソフィアとリリアンに誓いを立てるメルロ。


そして、メルロはフレデリカやメイド達にも挨拶をする。


「あ、フレデリカ様、皆さん。おはようございます。」


フレデリカ「ウッ、…お、おはよう」(戸惑い)


クララ「ゴクリ…おはようございます。」(緊張)


エレナ「…おはよう」(警戒)


アンナ「…あったかい……ウッ…なにかが…」(トラウマ)


「?、アンナさん…大丈夫ですか?」とメルロはアンナに近寄ろうとしたが、フレデリカに止められた。


「ア、アンナは大丈夫よ。…心配しないで、大丈夫。何かあっても私達でなんとかするから大丈夫。ちょっとだけそっとしておいてあげて。」


「?、そ、そうですか。」メルロはフレデリカの言葉に従った。


「皆、ただいま!」


ハンスが食堂に入ってきた。


「!アニキ!?、おかえりなさい!」


ジョセフやマーガレットもメルロに続いてハンスに声をかけた。


「まあ、おかえりなさいハンスさん。」


「おかえり、ハンス。一体いままでどこに行ってたんだい?」


「ああ、ちょっと昔の知り合いに呼び出されていたんだ。向こうでの用事が済んだ…とはいえないけど、とどまる意味もなくなったんで戻ってきたんだ。あと、これは皆にお土産なんだが」


そう言ってハンスは女性もののアクセサリーやお菓子、酒のつまみになりそうな名物等を土産としてテーブルに並べた。


「あ、メルロ、なにやら、最近いろいろな酒を試しているってヨハンに聞いたよ。だから、メルロ、こういう酒なんてどうだい?、酒精が強くて結構効くぞ?」


そういってハンスは酒精の強い酒をメルロに土産として渡そうとした。


「「「「ダメ!!」」」」


フレデリカと、メイドの三人はハンスから酒を取り上げ、メルロを説得に掛かった。


クララ「強いお酒はダメです、体壊しますよ!?」


エレナ「週一で好きな酒を一杯おごってあげるから」


アンナ「飲む時はお姉さん達と飲もう」


フレデリカ「これは節度ある大人のジョセフさんに飲んでいただきましょう!」


こうしてフレデリカと、メイドの三人はメルロの飲酒に対して飲みすぎないように警戒するようになった。


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