オシオキ⑧
「…ご理解いただけました?ご自身が無関係ではないって事を。いやあ、これはメルロも知らなかったんですね?。ただ、何か直感めいたものを感じていたようなんですね。だから貴方を避けてたようなんです。」
『メルロの姿をした誰か』はニッコリと微笑んでフレデリカに話した。
「い、いいいいたずら位、誰だってするでしょ!?」
フレデリカは苦し紛れに無茶苦茶な事を言った。自分でも無茶苦茶な事を言っている自覚はあった。
その言葉にエレナが反応した。
エレナ「…だからと言って酔いつぶれている自分の従業員にいたずらって」
クララ「…ありえないですよ。」
エレナ「ねえ?」
クララ「ねえ?」
エレナとクララは互いを見て同意した。
「!!!…………」
フレデリカは二人が話す正論に言葉も無かった。
お、おかしい。味方がいない。ひょっとして二人は自分達だけがオシオキを受けて終わりという事にさせたくないのでは?どうせなら関係者全員オシオキを受けてしまえと考えているのでは?
フレデリカの頭の中では様々な疑念が浮かんでいた。
「……クッ、どうするつもり!?」
フレデリカは『メルロの姿をした誰か』を睨んでいった。
「…クララさんと同じよう貴方の嫌いなものを食べていただこうと思います。」
『メルロの姿をした誰か』はそう言った。
「!!…まさか、口移し!?……」
「(゜言゜#)……やれるもんならやってみなさいよ!?」
フレデリカは口をカチカチさせてもし口移しをしようものなら噛みついてやるという意気込みで威嚇した。
「…いや、やはり権力者にはそれに相応しいものが与えられるべきです。」
『メルロの姿をした誰か』は静かに言った。
「……ふ、相応しいものって?」
フレデリカは『メルロの姿をした誰か』に尋ねた。
「…新鮮なもの直に直接、召し上がっていただこうと思います。」
そう言って『メルロの姿をした誰か』は樽から何かを出した。
それは『生きたままのタコ』だった。
「え?…ちょっとまっ
『メルロの姿をした誰か』はフレデリカが言い終わる前に『生きたままのタコ』を顔に乗せた。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
フレデリカは力の限り叫び、テーブルの上で「まな板に乗せた鯉」の様に暴れた。
フレデリカが一通り暴れて力尽きた後、『生きたままのタコ』は勝手に顔を離れていった。
フレデリカの顔はタコの墨で黒くなっていた。
「…おかわりもありますよー。」
そう言って『メルロの姿をした誰か』が樽から出したものは『生きたままのイカ』だった。
「…待って…そんなのワタシ聞いてな
『メルロの姿をした誰か』はフレデリカが言い終わる前に『生きたままのイカ』を顔に乗せた。
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
フレデリカは再び力の限り叫び、テーブルの上で暴れた。
アンナはその様子をみて青ざめていた。
「そんな?、あ、あのフレデリカが………成すすべもなく……」
その後、フレデリカは力尽きて気絶した。
「さあ、アンナさんお待たせしました。次は貴方の出番ですよ?」
『メルロの姿をした誰か』は明るい笑顔でアンナに話しかけた。
「メルロさん…やめてあげてください…グス」
クララは涙ながらに『メルロの姿をした誰か』に訴えた。
「クララ…」
アンナはクララの方を見た。
『メルロの姿をした誰か』はクララの方に近づいた。
「クララさん…ちょーと静かにしてくださいね?」
そう言って『メルロの姿をした誰か』はクララの首の後ろに手刀を当てた。
「あッ」
クララはそのまま気絶した。
「ちょっと!?、アンタ、クララに何てことするの!?」
アンナは怒りの声を『メルロの姿をした誰か』にぶつけた。
「そうよ!何てことするの!?」
エレナも『メルロの姿をした誰か』に怒りをぶつけた。
「エレナさんも、静かにしてくださいね?」
そう言って『メルロの姿をした誰か』はエレナの首の後ろにも手刀を当てた。
「うッ」
エレナも気絶した。