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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
20章 必殺!?仕置人
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オシオキ④

「それではエレナさんにはこちらに座っていただきましょう。」


『メルロの姿をした誰か』が手のひらを差し出した先には普段は使われていない小さな荷台があり、人が座りやすいように毛布等が敷かれていた。


「さ、お手をどうぞ」そう言って『メルロの姿をした誰か』がエレナに手を差し出す。


「…………」


しかし、エレナは最後の抵抗としてその言葉には従わなかった。


「…仕方ありませんね…」


『メルロの姿をした誰か』はエレナに近づく。


「い、いや!」


エレナは抵抗の為、拳を繰り出す。


「やれやれ」


『メルロの姿をした誰か』片方の手のひらで拳を2,3発受け止める。


そしてエレナの拳を掴んで手の甲にキスをして音を鳴らした。


「ブウウウウウウウウウゥぅぅぅ」


「(゜ロ゜; )いやーーーーー!?」


エレナはキスをやめさせようとしてもう片方の腕を伸ばした瞬間、勢いよく起こされ、用意された荷台に誘導されてしまった。


その後、『メルロの姿をした誰か』はクララの近くまで荷台を走って並べた。


エレナの体はその小さな荷台にスッポリ入っているが、膝から下の足に関しては荷台からはみ出している状態だった。


『メルロの姿をした誰か』はエレナの足側にいつの間にか持ってきた小さな椅子に腰掛け、エレナの靴と靴下を脱がした。


「い、いや!?、なに!?、エロい事するつもり!?」


エレナはスカートを抑えて『メルロの姿をした誰か』に向かって蹴りで抵抗した。


  アンナ「アンタ、そんな事したら許さないから!?」

フレデリカ「動けるようになったら憶えておきなさいよ!?」


『メルロの姿をした誰か』はエレナの蹴りをよけながら言う。


「それも考えたんですけどね。そういう事に興味津々なエレナさんにはご褒美になってしまうんじゃないかと思いましてやめにしました。」


「…静かにしてくださいね。」


そういって『メルロの姿をした誰か』はエレナが蹴ってくるタイミングに合わせて足の裏に人差し指を当てた。


「…あ、あれ!?、あ、足が動かない!?」


エレナは抵抗できなくなったことに青ざめていた。


「メルロさん、やめてあげてください!?」


クララは『メルロの姿をした誰か』に叫んだ。


「心配しなくても大丈夫ですよ。『ぷるみえ~る』先生は日頃の執筆作業に忙しかったでしょうから、先生には足のマッサージを受けてもらいます。」


  アンナ「足の!?」

フレデリカ「マッサージ!?」


  クララ「………」


『メルロの姿をした誰か』はエレナの足首を掴んで脛を撫でた。


「い、いや!?」


エレナは自分のの足を動けなくされた恐怖とこれから一体なにをされるのか分からない恐怖に緊張していた。


「じゃあ、右足から行きますねー。」


そう言って『メルロの姿をした誰か』はマッサージを始めた。


「…!…!…あ?…は…フ…」


最初こそ緊張していたエレナはマッサージの気持ちよさに徐々に身を任せて緊張を解いていった。


  アンナ「………なんか?」

フレデリカ「うん、………気持ちよさそうね?」


  クララ「………」


「じゃあ、左足行きますねー。」

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