オシオキ③
「クララさん。これはですね、『タコ焼き』と言いまして小麦粉を解いた生地の中に『タコ』の足など、適度な大きさに切った『タコ』の具が中に入ってるんです。これ、私の好物の一つなんです。」メルロはその料理の説明をした。
その『タコ焼き』とやらを食べさせようというのか?
クララは拍子抜けしていた。
嫌がらせである事は分かる。
だが、口を開けなかったり、顔を背ければすむ話だ。
しかし、相手はメルロである。用心が必要だ。
クララは暫く考えていたが、メルロがどんな事を考えているのか想像も付かなかった。
「…クララさん。これが最後の警告です。話してもらえませんか?」
メルロは悲痛な顔をして話しかける。
「(゜∩゜*)……今日のメルロさんの言う事、私、聞きたくありません。」
まっすぐ目を見つめ、毅然と話すクララ。
「……残念です。」
メルロは目を瞑って皿にある『タコ焼き』をほおばった。
「?……メルロさん?」
クララはてっきり無理やり食べさせるものとだと思っていた。
メルロが『タコ焼き』を頬張った様子を見て、諦めてくれたものと考えてホッとしていた。
しかし、その考えは間違いだった。
クララの目を見つめ租借を続けるメルロ。
「!?」
クララはその様子に悪い予感を憶えた。
「ひひまふよ?ふはははん」
メルロの両手はクララの頭を固定していた。
「う、うそ、嘘ですよね?メルロさん?」
もう否定のしようが無かった。メルロの狙いは口移しだった。
メルロ「あああああああああん」
クララ「( ° 皿° ;; )い、いや、いや!?いやぁあああああああ!!!?」(裏声)
こうしてクララはメルロの脅しに屈した。
####### 以上、回想シーン #######
エレナ「な、何てことを…………」
クララ「グス…ごめんなさい。魔王様ごめんなさい……」
アンナ「なんて恐ろしい発想をするの?」
フレデリカ「あ、悪夢だわ。」
「ね?☆彡、脅しはしたけど、危害は加えてないでしょう?」とメルロは爽やかな笑みを浮かべてウィンクしながら言った。
エレナ「オニ!!」
アンナ「アクマ!!」
フレデリカ「女の敵!!」
「皆さん元気ですね?、でも、忘れてませんか?皆さんもこれからお仕置を受けるんですよ?」
エレナ「グッ」
アンナ「ウッ」
フレデリカ「…クッ」
しばらく静寂が流れた。
「こ、こここ交渉しましょう!?」エレナは何とか頭を捻って言葉を紡ぎだした。
「?………ホウ?、交渉とは?、どんな内容ですか?」
『メルロの姿をした誰か』は興味深そうに尋ねた。
「しゅ、出演料を払います。本の売り上げで得られた利益の1割。これまでの利益も勘定してお支払いします。そ、それと、仮面居酒屋で週に一杯までなら私が代金を持ちます。最近、い、いろんなお酒を試してるんでしょう?何の目的か知らないけど、その位なら問題ありません。どう?」
「うーん?皆エッチな文章目当てて購入してますよね?出演料が1割というのは安すぎませんかね?」
「ウッ………じゃあ、2割で…」エレナは渋々話した。
「あ、いえ、1割で結構ですよ?メルロもお金の使い道がまだ幼いですから。利益の1割と週一で一杯のおごりで大丈夫ですよ。」
(ホッ、な、何とかお仕置は免れたようね。)エレナが胸をなでおろしていた。
「じゃあ、エレナさんのお仕置行ってみよう!!」
エレナ「え?」(な、なぜお仕置?)
『メルロの姿をした誰か』「え?」(なにを驚いてるんです?)
エレナ「え?」(何で助かってないの?)
『メルロの姿をした誰か』「え?」(何で助かったと思ってんの?)