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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
20章 必殺!?仕置人
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遭遇

アンナとフレデリカはエレナの処に訪れてトウサン(猫)の様子を尋ねていた。


「どう?トウサン(猫)の様子は?」小声でフレデリカがエレナに聞いた。


「……無事、子猫が生まれました。」とエレナも小声で答えた。


それを聞いたフレデリカとアンナはお互いの手を取り合って小さく跳ねて喜びを露わにした。


エレナはアンナとフレデリカの喜びに微笑みながら、トウサン(猫)の子猫たちのかわいらしい姿を見せる為、静かに部屋へ案内した。


部屋に入ると、小さな子猫たちがぎゅっと寄り添って眠っていた。


その可愛らしい姿にアンナとフレデリカは感動しきりで、心から喜びを分かち合った。


「ああ、本当にかわいいわ!こんなに小さくて、ふわふわしているんだもの。エレナ、おめでとう!」アンナが感激しながら小声で言った。


フレデリカも幸せそうな笑顔を浮かべながら、子猫たちを目で愛でながら言った。


「エレナ、本当におめでとう。この子たちはきっと、素敵な猫に育つんだろうね。」


エレナは微笑みながら子猫たちを見つめていたが、その中にいる一匹の子猫に目が留まった。


少し違う毛色を持つ子猫が他の子猫たちから際立っていた。


「あの子はちょっと特別な子なのかもしれないですね。見て、他の子たちと毛色が違うでしょう?」エレナがアンナとフレデリカに話しかけた。


アンナとフレデリカは興味津々の表情でその子猫を見つめ、エレナの言葉に頷いた。


「本当だ、他の子たちと違う色があるね。これって何か特別な意味があるのかしら?」アンナが疑問を投げかけた。


エレナは考え込むようにしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。


「意味なんてなくてもいいわ。こんなに可愛く私達の前に現れてくれたんですもの。」


アンナとフレデリカはエレナの言葉に頷いた。


「そうよね。この子たちも幸せになってもらいたいね。」フレデリカが優しい声で言った。


アンナも同意しながらエレナを励ました。


「そうだよ、エレナ。あなたがトウサン(猫)の傍に居てくれた事が、子猫たちが生まれるきっかけになったのかもしれない。この子らには素晴らしい未来が待っているはずよ。」


エレナは感謝の気持ちで胸がいっぱいになりながら、アンナとフレデリカに頷いた。


「本当にありがとう。私はこの子たちが幸せに育つことを願っています。一緒に彼らを大切に育てていきましょう。」


3人は手を取り合い、子猫たちとともに幸せな未来を築いていく決意を新たにした。


トウサン(猫)と子猫たちを安心させる為、物置小屋から離れた。


「あれ?、そういえばクララは?あんなに子猫を見るの楽しみにしてたのに」とアンナが呟いた。


「そうよね、クララはどこにいるのかしら?」フレデリカも不思議そうに言った。


エレナは考え込んだ後、言葉を続けた。


「クララはちょっと用事があって外に出るって準備をしてたようだけど。子猫たちが生まれたことを知らないかもしれないわね。」


アンナは心配そうに顔を見合わせ、言った。


「でも、クララは子猫たちのことをとても喜ぶだろうに。どこかで見つけられないかしら?」


エレナも同じ気持ちでうなずきながら、考え込んだ。


「そうだね、クララがいるかもしれない場所を探してみよう。きっと彼女も喜んでくれると思うわ。」


「うん?……アレって…」アンナは何かに気づいた。


「?…どうしたの?」フレデリカはアンナの視線の先を追った。


屋敷の入り口で誰かが倒れている様子だった。


「?……誰かが倒れてる?」エレナもアンナの視線の先にあるものに気が付いた。


そして目を凝らしてアンナとフレデリカよりも前に出た。


入り口で倒れていた人物は起き上がり、体に付いた土を払って落ちていたボトルを拾って此方に歩いてきた。


そしてその人物も三人に気が付いて足早に近づいてきた。


アンナ「あれって?」


フレデリカ「……メルロ?」


メルロは両腕を広げ、満面の笑顔で話しかけてきた。その声は芝居がかっていた。


「いやあぁ!ここにいらっしゃったんですね?みなすわん♪探しましたよ!?」


その時だった。


アンナ「あ?」


フレデリカ「え?」


得体のしれない寒気を感じたエレナは、メルロから離れるように足早に歩いて立ち去ろうとした。


メルロの視界では「ターミ●ーター」のようにエレナを認識してロックオンしていた。

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