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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
19章 Oh!ヨメサンバ
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手伝って

ソフィアとリリアンは自発的にメルロの様子を見てきてくれるとの事だった。


夕食の時間になり、フレデリカは仮面居酒屋から帰ってきたソフィアとリリアンに、メルロの様子を尋ねた。


フレデリカ「ソフィア、リリアン、メルロはどうでしたか?」


ソフィア「ええ、彼はちょっと落ち着かない様子でした。私たちが話しかけると、なんとなくあわただしそうにしてました。」


リリアン「でも、具体的に何か問題があるのかはわからりませんでした。彼はいつものように笑っていましたし。」


フレデリカはソフィアとリリアンの話を聞きながら、心の中で考え込んだ。


メルロが不安定な様子を示していることは確かだ。


しかし、具体的な問題や悩みが何なのかはまだわからなかった。


フレデリカ「やはり、メルロには何か心の内に抱えている問題があるようですね。私たちは彼が話したがるまで待つしかないのかもしれません。」


ソフィア「でも、彼が一人で抱え込む必要はないと思うます。私たちが彼の力になれるかも知れませんし、話を聞いてあげることも大切だと思います。」


リリアン「そうですよね、フレデリカ様、私たちもメルロのことを支えるべきだと思います。彼が話したくなるまで待つだけではなく、積極的にアプローチしてみるべきかも知れません。」


フレデリカはソフィアとリリアンの言葉に頷いた。


フレデリカ「そうですね、私たちも何かできることがあるかもしれません。メルロが心を開いてくれるよう、少しずつアプローチしてみましょう。でも、彼がまだ話したくない場合は無理に追求しないようにしましょう。」


ソフィアとリリアンも同意し、フレデリカとともにメルロの心を開くための方法を考え始めた。


数日後、フレデリカは再びメルロの部屋を訪ねました。


フレデリカ「メルロ、私たちが心配していることがあるんです。もし話したくなったら、いつでも話を聞いてあげますよ。」


メルロからの返答は無かった。


彼は既に外出しているようだった。


フレデリカは少し落胆しながらも、メルロが外出していることを知り、諦めることはなかった。


彼が外出しているということは、外で何かを考えたり、気分転換をしているのかも知れない。


フレデリカはメルロが帰ってくるまで待つことにした。


同時に、他のメイドたちにもメルロの様子を報告し、協力を仰ぐことにした。


フレデリカはアンナ、エレナ、クララに連絡し、メルロの心配事と彼の態度の変化について説明した。


「私、今日もメルロに避けているような気がしていたわ。何か問題があるのかしら?」アンナはメルロの様子を口にした。


「私も今日、何か距離が更に開いたような気がしてました。でも、具体的に何があったのかはわからないんです。」クララは自分の胸の内を話した。


「…………アンナ、クララ、トウサン(猫)が妊娠しているの。もうじき出産だから手伝ってもらえる?。」エレナはメルロと一緒に秘密にしていた事をアンナとクララに話して協力を要請した。


「え、ええ!トウサン(猫)が?」とアンナ


「に、妊娠?」とクララが続ける。


「そう、子猫が生まれるまで二人に内緒にしてるつもりだったけど、飼い主のメルロと話ができない以上、二人に手伝ってほしいの。」エレナは決断した。


「ついに生まれるのね?」フレデリカは慌てた。


「ど、どうすればいい?」アンナが尋ねる。


「な、何をすればいいですか?」クララも続ける。


「すこし薄暗くて、静かな処を用意したいの。トウサン(猫)が安心して生めるようにね。」


「納屋と物置小屋があるけど、どっちがいいかな?」アンナが言う。


「物置小屋がいいと思います。納屋の二階はハチがいますので」とクララが提案する。


「私は使えそうな少し大き目の箱を探してきます!。」とフレデリカは急いだ。


「よし、物置小屋に行こう。」エレナはアンナ、クララに言った。


アンナ、エレナ、クララは物置小屋に向かった。


物置小屋は広めのスペースがあり、静かで薄暗い環境を作るのに適していた。


フレデリカは使えそうな箱を見つけ、トウサン(猫)のための安心できる巣を作った。


暖かくて快適な場所にするために、毛布やクッションを敷き詰めた。


エレナはフレデリカに向かって言った。


「フレデリカ様、私たちが用意した巣の中にトウサン(猫)を誘導してください。彼女はここで安心して出産できるようになるでしょう。」


フレデリカは頷きながら、エレナの指示に従い、メルロの猫であるトウサン(猫)を物置小屋に連れて行った。


物置小屋に入ると、トウサンは不安げに鳴きましたが、フレデリカの優しい声とそっと触れる手でなだめられた。


フレデリカはトウサン(猫)を箱に誘導し、箱の中に穏やかな雰囲気を作り出した。


彼女はトウサンが落ち着くように優しくなでた。


しばらくして、トウサン(猫)は箱の中でくつろぎ始め、安心した様子で体を丸めた。


エレナは嬉しそうに言った。


「これでトウサンも落ち着いたようね。あとは彼女の出産を待つだけです。」


アンナとクララもトウサンの様子を見ながら、安心した表情を浮かべた。


フレデリカはみんなに感謝の気持ちを伝えた。


「ありがとうございます、皆さんの協力があって、トウサン(猫)のための安全な場所ができました。メルロもきっと喜ぶでしょう。」


彼女たちはトウサン(猫)の安全な出産を祈りながら、物置小屋を後にした。


メルロが戻ってきたとき、彼女らが作った巣を見つけると、彼は感激することだろう。


エレナ達はそう考えていた。


そして、メルロが知らない間に用意されたサプライズを発見することで、彼の心が開かれ、話をする機会が訪れる事を願っていた。

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