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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
19章 Oh!ヨメサンバ
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お産の準備をしよう

フレデリカはメルロからトウサン(猫)が妊娠していることを聞いていたが、今、メイドのエレナからも同じ話を聞いた。


フレデリカは驚きながらも、エレナが最初に気づいたことに興味を持った。


「本当にトウサン(猫)が妊娠しているの?」


エレナは微笑みながら頷いた。


「ええ、お屋敷の庭でトウサン(猫)がお腹を大きくしているのを見つけました。最初は気付かなかったのですが、最近、様子が変わってきたので、詳しく調べたところ、妊娠していることが分かりました。」


フレデリカは興奮しながら尋ねました。


「それなら、子猫たちが生まれるのね!どうやってお世話をしてあげればいいの?」


エレナは優しく微笑みながら答えました。


「まずはトウサン(猫)の健康と安全を考えて、適切な環境を整えることが大切です。出産のためにトウサン(猫)に落ち着ける場所を用意しましょう。暖かくて静かな場所が良いですね。また、食事にも気を配りましょう。妊娠中のトウサン(猫)には栄養のある食事が必要ですので、詳しい人のアドバイスを仰いで適切なフードを与えましょう。」


フレデリカは真剣に話を聞きながら、メモを取りました。


「わかりました。トウサン(猫)のために適切な場所と食事を用意するのね。それから、出産後のお世話はどうしたら良いかしら?」


エレナは思慮深い表情で続けました。


「出産後はトウサン(猫)と子猫たちの健康を守ることが大切です。まずはトウサン(猫)が十分な栄養を摂取できるようにしましょう。また、赤ちゃん猫たちが生まれたら、トウサン(猫)が十分に授乳できるように環境を整える必要があります。」


「…でも、トウサン(猫)がメスだったなんて気が付きませんでした。だって、名前が『トウサン』でしたし…。」フレデリカはそう言った。


「メルロも似たような事を言ってましたけど、普通、お尻を見たら分かりますよね。…その付いてませんし。」とエレナは返答した。


「…う。」フレデリカはメルロと同じレベルの発想をしていた事に戸惑いを感じた。


「ま、まあ、トウサン(猫)はメルロの猫ですし、いつも一緒にいるのはメルロですから?わ、私が気づかないのも無理ないと思いませんか?……確かに思い返してみるとトウサン(猫)のお尻はメスのそれでしたね。…」とフレデリカは慌てて自己弁護に走った。


「…それ、メルロも同じ事を言ってましたよ。『メスの尻だった』って。」とエレナは続けた。


「…クッ!!フウ!!」フレデリカはエレナの言葉にますます自分がメルロと似た者同士であると言う事実に動揺し、胸をえぐられるような思いをした。


「そう言えばハンスさん、暫く帰ってこないんですか?」エレナはフレデリカに尋ねた。


「そうですね、ハンスさんはしばらく帰ってきていません」


「最後に聞いた話では、この間ベアトリスと一緒に来られたマクシムさんからの依頼で、彼の元に行っているようです。実は私も最近まで知りませんでしたが、マクシムさんとハンスさんは亡くなった父との縁でつながりがあるようです。」とフレデリカが答えました。


「早く帰ってきてくれるといいですね。」とエレナは言った。


「そうよね。畑の拡張作業もまだ始まったばかりですし。」フレデリカはそう答えた。


アンナがやってきた。


「ちょっと。お邪魔してもいいですか?」アンナが明るく挨拶した。


「もちろん、どうぞお入りください」とフレデリカが応えた。


エレナも微笑みながら頷いた。


「アンナさん。何かご用ですか?」


アンナは少し困った表情を浮かべながら言った。


「実は、ハンスさんが留守の間、彼の部屋の掃除をしてたのですけど、彼の部屋で一つの手紙を見つけたのですが、内容が気になってしまって...」


フレデリカとエレナは興味津々でアンナを見つめた。


「手紙の内容って何ですか?」フレデリカが尋ねた。


アンナは手にしていた手紙を取り出し、二人に渡した。


「これです。どうぞ、読んでみてください。」


フレデリカとエレナは興味津々で手紙を受け取った。


手紙はハンスの部屋から見つかったもので、差出人や宛先は書かれていなかった。


二人は手紙を開いて内容を確認した。


手紙の内容は以下の通り。


「ハンスさんへ、


長らく音信不通で申し訳ありません。


私は最近、父の遺品整理を進めている最中に、ある書類を見つけました。


それによると、父が隠し持っていた財産の存在が示唆されています。


具体的な場所や内容は書かれていませんが、何らかの手がかりがあるかもしれません。


私はこの財産のことを知った時、ハンスさんのことを思い出しました。


父が以前、あなたと関わりがあったと聞いたことがあります。


もし財産に関する手がかりを見つけた場合、それがあなたにとって役立つものである可能性が高いと思います。


ですので、私は調査を進めるために、あなたの協力をお願いしたいと思いました。


もし興味を持っていただけるなら、連絡してください。


詳細な話し合いをするために、あなたの元を訪れる予定です。


具体的な日時や場所については後日、改めてお知らせいたします。


どうか検討していただければ幸いです。お返事をお待ちしております。


敬具」


フレデリカとエレナは手紙を読み終えると、驚きと興味が入り混じった表情を浮かべた。


「なんだか、ハンスさんの過去に関わる重要なことが書かれていますね」とフレデリカが言いました。


エレナも同意しながら頷いた。


「確かに、この手紙の内容からは、ハンスさんが何らかの財産に関わっている可能性が高そうです。彼がどのように反応するのか、興味深いですね。」


二人は手紙の内容を熟考し、次にどのように行動するかを話し合うことにした。


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