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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
2章 楽しきメイド達
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ネクロノミコン

「どうした、そんなに騒いでいるのは?」


農夫のジョセフが現れた。彼は驚いたように周囲を見回し、人だかりに集まっていた女性たちに視線を送った。


「どうやらあの小説が話題になっているようだな。それがどうかしたのか?」


ジョセフはエレナの小説に目を通すと、この小説を読んだ男達が厠へ駈け込んだ理由を理解した。

ジョセフはジョンたちに向かって、これは「ネクロノミコン」というジャンルの作品であると明かした。


「ネクロノミコン」とは、本来は架空の魔道書の事である。

ジョセフが指す「ネクロノミコン」とは、内容が濃すぎて大勢の理解を超えたものが好きな同好の士が書いた作品である。

同性同士の恋愛ものも含んではいるが、そのものを指すものではない。

大半の男性はこの作品に触れたとき精神を消耗し、厠へ駈け込む。そして亡霊のようになって厠からでてくる。さながら死霊製造装置と化している。


すると、クララは大喜びで「ああ、それならわかるわ!そういうことなら最高だわ!」と叫び、エレナに「あなたは本当に才能があるのよ。私たちはあなたを尊敬してるわ」と語りかける。

エレナも当然というような態度をとっていた。どうやらエレナも知っている様子である。

一方、メルロやアンナ、そしてジョン、マイク、ヨハン、クラウスら男性たちは、どうやらまだ納得していないようである。


「あの、俺たちの小説がどうしてあんなものになっちゃったんだ?」とメルロが問いかけた。


すると、エレナは顔を赤くしてしまった。「あ、あの……実は私、デブと剥げが好きなんです」と小声で答えた。


「えっ? そ、それだけじゃなかったよね? それって、普通じゃないんじゃ……」とメルロが戸惑いながら言った。


「でも、私の小説を読んでくれたら分かってくれるはず……」とエレナが囁いた。


メルロはしぶしぶ、再び小説を手に取ったが、すぐに吐き気を催して厠へと駈け込んでしまった。


アンナは軽く肩をすくめ、「あなた達が気持ち悪がるほどのもの?」と冷静に問い返しました。

一方、クララはエレナを褒め称える言葉を繰り返し、エレナ自身も自信に満ちた表情で、恍惚とした様子で笑っていました。



ジョン: あの小説、俺には全然わからなかったぜ。デブとハゲが何をしているのかさっぱりだったし、理解したくない。


マイク: 俺もジョンと同じく。まあ、好みの問題だろうけど、俺にはちょっと合わなかったかな。


ヨハン: ただただ汚らしいだけだし、何かの深い意味があるのかと思ったけど、そうでもなかった。


クラウス: そもそもあのような下品な描写をする必要があるのかと思った。


ジョンは「それにしても、この作品はなぜあんなに汚いのか?」と不満そうに尋ねる。


「これは、好きな人にはとことんたまらない名物料理のようなものなんです。あなたたちが食べても美味しくないと思うかもしれませんが、私たちにとっては最高の味わいなんです」とクララは熱く語りました。


すると、周囲の女性たちはクララの発言に頷きながら、「そうそう、まさにそれ!」と声を合わせました。


クラウスは「でも、そんなジャンルって本当に必要なんだろうか?僕はこの小説を読んで、何がいいのか全く分からない」


周囲の男性たちも同意して、少しずつ解散していった。


死霊はそのあとも生産されていった。

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