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ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
18章 厄災の血筋(カラミティブラッド)
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教会の禁忌

20223/05/30 お知らせ


すみません。「つまみ食いの対象」の投稿が抜けておりました。


メルロが危機とはなぜか、その理由は「つまみ食いの対象」をご覧ください。

ソフィアは硬い表情で語る。


「これは、父マクシムから聞いたのですが、…猫尻団キャッツ・バット…これは『教会の禁忌』と呼ばれているそうです。」


ソフィアの言葉にフレデリカとベアトリスはもう何を聞いても驚かないそういう決意で聞いていた。


彼女らはソフィアが語る「教会の禁忌」という言葉に、深い不安を抱いた。


ソフィアは続けた。


「教会の禁忌とは、教団内での厳密に守られるべき秘密や禁じられた行為を指します。その中でも特に危険で、触れてはならない領域が存在するのです。」


猫尻団キャッツ・バットは、その領域にあるとされています。」


「そもそもですが、猫尻団キャッツ・バットの存在は、教団内でも脅威と感じられていました。それと同時に不可能を可能にしてきた出来事の数々を見てその能力は高く評価されてました。」


「その高い能力に注目した教団の一人が彼女達に接触し、ある一つの依頼をしました。」


「………依頼の内容は失われた聖遺物の捜索でした。しかし、聖遺物自体が長い間、伝説と化していた為、到底見つけられないだろうと思われていました。」


「しかし、大方の予想を裏切って、彼女達はある秘密組織がこの聖遺物を保管していた事を突き止めました。そしてその証拠として、保管されていた聖遺物の一つをつまみ食いしてきたのです。」


「つまみ食いしてきた聖遺物。それは聖杯でした。長い間失われた聖杯は教団に返却されました。しかし、この事はまだ公開されていません。公開したらその秘密組織が聖杯を奪い返しにくる事を恐れての事でした。」


「また、教団は残りの聖遺物の奪還を目指してます。しかし、そのありかを知っているのは猫尻団キャッツ・バットだけ。それが理由で教団は猫尻団キャッツ・バットに頭が上がらないのです。」


「そして、最初の依頼で教団が猫尻団キャッツ・バットに接触して以来、教団内部に猫尻団キャッツ・バットに協力するスパイがいると噂されてます。」


「なぜならば、最初の接触以降、教団内部でしか知りえない情報を、なぜか、猫尻団キャッツ・バットは掴んでいたからです。」


「だからこそ父マクシムは、エミリアに私とメルロさんの仲を知られてしまったと考えているのだと思います。」


「…以上が、『教会の禁忌』と呼ばれる所以です。」


フレデリカ「ブルブル((;゜ェ゜;))ブルブル」


ベアトリス「カタカタ((;゜ω゜;))ブルブル」


フレデリカとベアトリス黙り込んでいた。しかし、その顔には脂汗が浮き、手は震えていた。


何を聞いても驚かない。この話が始まる時の決意はもろくも崩れ去った。


今日、触れてはいけない一番危険な情報に触れてしまった。


これは明かに教会の闇だ。


二人は心の中で頭を抱え叫びだしたい気分だった。


ソフィアはフレデリカとベアトリスの反応を見ながら、重要な情報を伝えたことに胸を痛めていたが、今はもう戻ることはできない状況にあった。


フレデリカは困惑した表情でソフィアに問いかけた。


「でも、猫尻団キャッツ・バットは教会の禁忌とされている存在で、その能力に教団が興味を持っていたのは分かりました。しかし、なぜエミリアは未だに教団と関わっているのでしょう?彼女はどうして教団と繋がっているのですか?」


ソフィアは深いため息をつきながら語った。


「それが分かるのはエミリア自身だけです。私も彼女の動機や目的については全くわかりません。」


ベアトリスは悔しげな表情で言った。


「私たちはもう、何もかもが敵なのね。エミリアも、教団も、そして猫尻団キャッツ・バットも。どうすればいいの?」


ソフィアは苦悩した表情で答えた。


「今は混乱しているでしょうけれど、冷静になる必要があります。私たちにできることは、メルロさんを守る事です。太刀打ちできないかも知れませんが、それしか方法がありません。」


フレデリカは黙っていたが、深く深呼吸をして話しかけた。


「………ソフィア、これまで真剣にお話していただいてるのに悪いのだけれど、まだ方法は有るんじゃないのかしら!?」


この一言にベアトリスは勿論、ソフィア、リリアンも驚愕した。


「方法!?あるの?そんなものが!?」ベアトリスがフレデリカに尋ねる。


フレデリカは、何をいまさらと言わんばかりの顔で話す。


「…今日、マクシム様はその為にここに来たんじゃないの?、『婚姻前のつまみ食い』エミリアはそれを狙うかも。この望みを不可能にさせれば相手は退散するかも知れない。そう考えたんじゃない?」


ベアトリス「………あああ!?」

 ソフィア「………あああ!?」

 リリアン「………あああ!?」


フレデリカは不敵な笑みを浮かべてソフィアとリリアンに言った。


「相手をつまみ食いされた哀れな女性。そう後ろ指さされないようにする為の行動だったとしたら…、マクシム様って娘想いね」


「ソフィア、リリアン、二人でメルロとポンポン!と行きなさいポンポン!」


ベアトリスもにやけてソフィアとリリアンに言った。


「そうよねぇ。ユーやっちゃいなよ?」


 ソフィア「…お、おやめください!?」

 リリアン「…や、やめてください!?」

        

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