表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある記憶喪失者の日常  作者: ねぶた
18章 厄災の血筋(カラミティブラッド)
145/315

志を共にする仲間

ソフィアはしばらく考え込んだ後、重い口を開きました。


「後で知ったのですが、その教授はマシュー、アリアナ、エミリア、私達兄弟の叔母です。名前は『セレナ』と言います。」


「先ほどお見せした家族の姿絵の中に『セレナ』の姿絵もあります。」


そう言ってソフィアは先ほど二人に見せた姿絵の中で『セレナ』と思わしき人物を指さした。


そこには漆黒のドレスを身にまとった美しい女性が立っていた。


フレデリカ「き、綺麗ね。」

ベアトリス「う、うん。」


ソフィアは続けた。


「セレナは外見こそ若々しいですが、実際の年齢はおばあ様と言っても過言ではありません。彼女は特殊な鍛錬方法によって若さを保っているのです。彼女は『美の化身』と呼ばれてました。」


フレデリカ「……何歳?。」


ソフィアはフレデリカとベアトリスに耳打ちする。


フレデリカ「(;゜ Д゜) …!?うえぇぇぇえ!?。」

ベアトリス「(;゜ Д゜) …!?うえぇぇぇえ!?。」


フレデリカとベアトリスは驚きの声を上げた。


ソフィアは更に続けた。


「セレナは変装技術に特化しています。彼女はその技術を使って様々な姿に変身し、人々を惑わせることができます。彼女の変装能力は非常に高く、まるで別人のようになることができるのです。」


フレデリカとベアトリスは、セレナの変装技術の優れた能力に興味津々だった。


フレデリカ「まさか、この姿絵って厚化粧とかじゃないわよね?」

ベアトリス「もしくはこの姿絵自体が盛られた絵なのかな?」


ソフィアは首を横に振った。


「その姿絵は本人を忠実に再現したものです。化粧の技術も高いのですが、その美しさは素の美しさです。自ら編み出した独自の鍛錬方法でその若さと美貌を保っています。だからこそ彼女は『美の化身』と呼ばれていたのです。」


「彼女の悩みは独自の鍛錬方法を受け継ぐ後継者がいない事でした。エミリアに出会ったおかげでその問題は解消されました。」


「エミリアはセレナが編み出した独自の鍛錬方法もつまみ食いしたのです。その為、セレナはエミリアを自分の後継者として認めています。」


フレデリカ「(゜A゜;)ゴクリ、エ、エミリアの変装技術の腕前は」

ベアトリス「(゜A゜;)ゴクリ、セレナ譲りという事なのね?」


この状況はますます複雑さを増しており、彼女たちはまだ全容を把握できていない事を痛感した。


しばらくの静寂の後、今度はベアトリスが動き出した。


「ソフィア。さっき『一人はエミリアが~』って言っていたよね…まだ居るの?その、エミリアと志を共にする仲間って」


ベアトリスの問いに対して、ソフィアは回答した。


「はい、まだ仲間はいます。エミリアと共に行動している人物は、セレナ以外にもう一人います。その人物は、ワタクシ達の寄宿舎学校時代の皆が知っている人物です。」


ベアトリスは興味津々で尋ねた。


「寄宿舎学校時代の皆が知っている人物とは、具体的に誰のことを指しているの?」


「あ、ま、まさか!」フレデリカは悪い予感がした。


ソフィアは目を閉じ、眉間に皺をよせて続けた。


「その人物の名前は『ミッシェル』です。彼は私の元従者です。覚えていらっしゃいますよね?。彼は自分で『不思議な猫(ミステリアスキャット)』と名乗ってます。」


ベアトリスとフレデリカは驚きと困惑を隠せなかった。ミッシェルという名前は、先ほどリリアンに尋ねたソフィアの元従者だった。


そして、フレデリカは更に困惑して言った。


「ミッシェルって、背が低いかわいい子だったわよね。」


そう言ってフレデリカはをソフィアが持っている家族の姿絵にミッシェルの存在を確認した。


「………ねえ、ソフィア。今、何て言ったの?彼女の事を『彼』って言わなかった?」


ベアトリスはフレデリカの言葉に驚愕した。


ソフィアは深くため息をつきながら答えた。


「ミッシェルは、実は男の娘なのです。彼女自身が自分の性別を隠していました。私たちが彼女、いえ、彼を知っていた当時は、彼の秘密は知られていませんでした。」


この新たな事実により、フレデリカとベアトリスの困惑はさらに深まった。


彼女らは自分たちが思っていた以上に謎めいた状況に巻き込まれていることを実感した。


「加えて彼は『ど』が付くスケベです。これはワタクシ達が卒業した後でわかりました。」ソフィアは嫌そうな顔で新たな事実を告げた。


フレデリカとベアトリスの二人は混乱した。


「え、ええ!?私、体育の時、運動着に一緒に着替えとかしてた!?」とフレデリカは裏声で叫ぶようにいった。


「わ、私もよ!?」ベアトリスも裏声だった。


ソフィアは心底嫌そうな顔で答えた。


「はい。ワタクシも含め、当時の私達全員が彼の目の保養となっていたようです。」


フレデリカ「(゜ロ゜;)いやあぁぁぁあ!?。」

ベアトリス「(@゜Д゜)@。Д。)はあいやあぁぁ!?。」


二人はおぞましさに絶叫した。


状況はますます複雑で不可解なものとなり、彼女たちは衝撃と困惑、そして絶叫の中で立ちすくんでいた。


ソフィアは続けた。


「エミリアは、セレナとミッシェルの二人と志と共にし行動してます。エミリアはこの二人と共に怪盗団を立ち上げました。」


「その名は、怪盗『猫尻団キャッツ・バット』」


フレデリカとベアトリスは、ソフィアが明かした情報に驚いた。


もう何度目だ。いつ終わるとも知れない衝撃の事実の連続に二人とも眩暈がしてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします! 小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ